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院ゼミでは学生に「自分の専門に近い論文で、みんなで読んで議論したいものを持ち寄れ」と言っているのだが、地理学専攻の学生が持ってきたのが、丹羽弘一「地理学と社会的現実」というものだった。僕は彼の存在も知らなかったが、衝撃を受けた。
dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/i
丹羽さんの文には、NIMBY運動をいくつか列挙した後、ホームレスを襲った少年達の事件(80年代から頻発していた)が挙げられ、実は「あらゆる意味で排除されている者同士の、不幸で悲劇的な出会いに他ならない(p.4)」という指摘がなされていた。荒削りなエッセイに近い文章だが、それだけに生々しい提言や指摘が見られる。「困っている人をメシ(論文)のネタにして、それでいいの?」というラディカルな問いである。先日亡くなった宗教家の方からも「汗をかかない」僕のような研究者に苦言を呈されたことがあった。この丹羽さんに対する「追悼文」を、出版社「共和国 」の下平尾さんが書いていらっしゃったことも驚きだった。
blog.livedoor.jp/naovalis68/ar

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