今日は研究会。龍谷大学大宮校舎にて、オリオン・クラウタウさんの『隠された聖徳太子ー近現代日本の偽史とオカルト文化』(ちくま新書)の合同書評会。僕も何か発言しようとは思ったけど、今回のオリオンさんの本は「その通りだよな」「あ、これは知らなかった」という感想ばかりで、実は疑問、質問が浮かばなかったというのが正直なところ。
各コメントを聞きながら思ったのは、ちょっと牽強付会ながら、僕の修論って、実は一種の「偽史」研究だったのかもしれない、ということ。僕は修論で、内田良平とか玄洋社(黒龍会)系列の連中が朝鮮に対してどんな考えを持っていたか、自分たちの活動をどう粉飾して述べたか、というのを調べていた。彼らは『日韓合邦秘史』みたいな言い方で自分の都合の良い物語を紡いだわけだが、僕は彼らのそのメンタリティ(なぜそのような「物語」を必要としたか)を分析しようとしていたので、一種の「偽史」研究だったのでは、と後付けだが思った次第。
聖徳太子に対して罰当たりな話をしているせいか、京都は猛烈な雨と雷。というか、こういう冗談が出ること自体、梅原猛的な聖徳太子像なのよね(笑)。素直な子供だったから、『隠された十字架』、信じてたもんね(山岸凉子先生の『日出処の天子』読んだ後に手に取ったのだが)。
昔書いたやつ。もうアレについてはコレがすべて
https://ameblo.jp/erscheinung43/entry-12577707744.html
ナチズム研究者の田野大輔先生が冗談半分(つまり真面目半分)で作った「源泉徴収はナチスの発明手間はありません」と書かれた「思想の強い」Tシャツとトートバッグを購入した。近々デビューよていです。お求めはこちらからどうぞ。
https://www.ttrinity.jp/shop/tanosensei/
ここで「思想の強い」と言っているのはもちろん皮肉で、田野先生の意図は「私は物事を是々非々で見る姿勢を持っているので、ナチズムのような悪の権化と見做されているものでも、評価すべきものはちゃんと評価します」と言って、自分の中立性とか「思想の弱さ」を前面に押し出す連中の浅薄な知識と、それに隠された「思想の強さ(要するに、かつての帝国主義国家の諸悪を相対化したいという強い欲望)」を炙り出すといういじわるグッズ。
録画したこれを見た。今回は「排除」がメインテーマ。内藤先生の「反ユダヤ主義はヨーロッパのものなのに中東にツケが来ている」という発言と小川先生の「メディアがグローバル化して却ってマイノリティ排除の傾向が強まって来た」という発言が印象的。
あと、宮田先生が教えてくれたが、現在イスラエルではイスラエル市民とヨルダン川西岸、ガザなどの「占領地」のパレスチナ住民との通婚が禁止されているそうだ(「婚姻法」2022年制定)。番組でも言及されていたけど、ほとんど「ニュルンベルク法」だよ。
なお、僕の一人の大学教員として、賛同文集に一文を寄せました。ご覧いただければ幸いです。
【5日目1万達成記念】100人100色の学費値上げ反対論
https://note.com/no_raise_ut/n/n4bbc10ffae02
「デモ」や「反対表明」は意味があることなのです。
まずは第一段階クリア。
https://www.asahi.com/articles/ASS733F1RS73USPT008M.html
OBとして、というより、大学界全体に与える影響というのを考えると、やはり反対せざるを得ません。/このオンライン署名に賛同をお願いします!「東大の学費値上げに反対します」
レジに知り合いがいるとやはりドキッとしますね。大学近くに家があるので、避けられない事態ではあるのですが。スーパーなら今夜の献立を、本屋なら趣味嗜好を知られることになるので勝手にドキドキします。今日は後者。まあ、岩明均先生の『ヒストリエ』最新刊(12巻)買いに行っただけですが。美内すずえ先生の『ガラスの仮面』とこれは最終巻発売まで生きていたい。細川智栄子先生の『王家の紋章』は諦めました(笑)。あれはもう「ループ」で構わない。
レジに知り合い、で一番焦ったのは、某UNIQLOでトランクスのまとめ買いをした時に、レジが教え子だった時でしょうか。まあ、トランクスだからとんでもない絵柄とかはなかったけど「あ、先生…」「あ、あ」と声は出ちゃいました。
いやあ、Twitterでアンチフェミの奴に文句言ったら、結構リツイートもされたけどアンチフェミの奴らに絡まれた。
「男性」で「日本人」で「実名出している」「大学教員」の僕にさえここまで言ってくるのだから、女性に対してはどんな態度を取るのか想像がつく。
あと、観察していてわかったのは、よく右翼(保守派)の連中が「左翼もお駄賃もらってデモしているはず」と根も葉もないことを言うのと同様、「フェミに味方している男には何か事情がある」という見方をするんだ、と腑に落ちた。「義を見てせざるは勇なきなり」とまで偉ぶるつもりもないけど、「自分にそれほど利益がなくても立ち上がる人」というのを「許せない」わけでしょうね、自分の卑小さが身に染みるから。粛々とブロックかミュート。いやあ、こっち(マストドン)は平和だよなあ(笑)。
https://x.com/t_kawase/status/1803429569090982106?s=46&t=ZriP7UCYenP2FtvsY4iETQ
正直、小池百合子の学歴詐称疑惑を突っ込むのは悪手じゃないかなーとはおもってる。あんなもんカネで何とでもなるから、「ほら卒業してるでしょ」で逆に「反小池派はでっち上げで非難する」みたいな印象操作で反撃食らうで…
他になんぼでも突っ込みどころはあるだろ。
これ、「若い女性」というより「子供を産む存在」として書かれてるのが気持ち悪いし、地方から先に若者がいなくなってるだけで、いずれは日本全体でいなくなりますよ。地方だけの問題じゃない。
あとこういう記事は地方と都市部の格差や搾取構造にもちゃんと触れような。
子供を産んでいない女性は透明化されるというのはいたく同意。存在を認められてない感がある。
地方を去る女性たち・・・なぜ?本音を聞いてみた
https://www.nhk.or.jp/minplus/0121/topic101.html
「「(学術会議は)現状を変えることが嫌だというふうにしか聞こえない」と一方的に学術会議を非難」って、そっちがお追従言う「茶坊主」の声しか聞きたくないだけじゃねえか。「現状維持」って、あんなはした金渡し続けてるそっちの方が現状維持だろうに。
「忠言耳に逆らう」「良薬口に苦し」という、ちょっと賢い小学生なら知っていることわざも知らない連中がイチャモンつけてるんだから、「病膏肓に入る」だな。
「一度つぶすという話」学術会議、会員選考方法の政府変更案を警戒:朝日新聞デジタル
(続き)→ 沖縄の人々が銃や刃物で殺され、遊び半分で身体に火をつけられ、幼女が強姦・殺害され、米軍機からの落下物で圧死させられ…戦慄を覚える内容です。
1950年代、本土では反対運動が高まり各地の米軍基地が縮小、その分沖縄で基地が拡張され人員も1.7倍にと、皺寄せが沖縄に集中した事も犯罪増加の背景に。
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日本復帰後も沖縄に基地は残り、米軍の犯罪事故は続きます。
1995年には米兵が3名で女子小学生を暴行、その後も2004年のヘリ墜落から昨今のPFAS汚染まで、枚挙にいとまがないほど。
沖縄は、いつまでこんな事件に怯えねばならないのか。
憲法がうたう「法の下の平等」、沖縄にあるのでしょうか。
昨夜(6/6)のNHKの番組『BSスペシャル 強いられた沈黙〜発掘・沖縄の米軍犯罪記録〜』、ご覧になられたでしょうか。
戦後の米軍統治下の沖縄で起きた、米軍による犯罪や事故900件の記録。
それは当時、琉球政府法務局に勤めていた天願盛夫さんが、被害者から聞き取った調書でした。
(続く)→
#沖縄における米軍の犯罪 #福地曠昭 #同時代社 #沖縄本
#まめ書房 #mameshobobooks
某国際会議の運営会議で台湾の女性研究者の招聘を認めてもらおうと少々がんばったのであるが、特に業績もないので「えー」みたいな感じだった。なので、東アジア、この理系分野で活躍する女性は極めて稀なので、アファーマティブ・アクションである、無理にでもサポートしなければいけない、と主張したら、通った。実際、国際会議に呼ばれるとか国際会議の運営に関わると、業績になるのよね。周りが「え?」となり注目する。それでローカルに引き立てられてゆく。それが巡り巡って、分野の興隆につながっていく。
10年いろいろやって最初はなかば半信半疑だったが、アファーマティブ・アクションは実効性がすごく高い。欧州の我が分野は女性研究者が半分であるが、それは意識的にそうしてきたからなのは、もはや実感。
川瀬貴也。大学教員。宗教学者。専門は日韓近現代宗教史。宗教学、思想史、近代文化史、社会学の周辺をぐるぐるしているつもりです。発言は個人の見解であり、所属とは無関係です。