黒沢清『大いなる幻影』観た。武田真治の住んでる部屋がメチャクチャお洒落。『東京上空いらっしゃいませ』の中井貴一の部屋の次くらいにお洒落で、こんな部屋に住んでみたいと思った。
コピー機のくだりがジャンルホラーでもないのにガチンコで怖がらせに来ており、変な笑い声が出ましたね。影が濃すぎて真っ黒になってる女の人は完全に『ニンゲン合格』のお父さんだし、実質『回路』の黒いシミと言い切ることができる。屋上からの落下シーンのほうは画面の都合上『回路』よりも『神田川淫乱戦争』のラストを強く想起した。
言われたことを真に受け過ぎて(?)本当に「スー…」と消える武田真治、黒沢清名物「ここではない何処か」を目指すも辿り着けないどころか飛行機に乗ることすら許されない唯野未歩子、日本の存在しない(しかもユーラシア大陸は黒く塗り潰され一体化してる!)世界地図、なんの脈絡もなく海の向こうから流れて来る白骨死体など、台詞による説明はほとんどないものの、思いの外ユーザーフレンドリーに描写された閉塞感とディストピア感が楽しい。ロマンス映画としての結末は宙ぶらりんだけど、それもまたヨシ。
全体的に、映画美学校の授業の一環として撮られたことに納得できるインディ的な胡乱さが好ましい作品だった。
スタバ寄ろう。
ブルアカ、ゲームは末プレイだけどキャラは中途半端に把握してるため、知ってるツラが画面に映るたび勝手に観光名所感を覚えてる。今週は雑草女と黒服で少しだけテンション上がっちゃった。早く敵の「そういうこった!」さんに会いたい。尚、内容は微塵も面白くない模様。マジであの眠くなるアクションシーンをどうにしかしてくれ。可愛いければいいというものではない。
石井隆『夜がまた来る』観た。和製フィルムノワールの最高峰のひとつでは。
終わらない夜で地獄巡り。出逢ったふたりが「名美」と「村木」である以上決して結ばれることない運命論的やるせなさ。それでも触れ合い心通わせることのかけがえのなさ。
土砂降りの雨、ネオンの光、屋上の対決、心霊映画的演出……刻み込まれた“イズム”にただ震える。
休みの日に映画を観ます。時々、本も読みます。