Netflix『ウィル&ハーパー』観たっす。良いっすね…。60代に差し掛かりってのが何ともまた沁みる…。絶望を折り返して、まだまだ幸せになる希望を諦めてはいけない。旅は終わらない。これも一つのGo West!なロードムービーで、過去から現在地、そして未来へと、心の地図を記すような紀行ドキュメンタリーだった。

『ロボット・ドリームズ』観た。NY映画の系譜というか、喪失と共にある街の物語だと思った。2つ並んだタワー、2人(?)並んだ影。なにせDo you remember?ってのがどうしてもね。けど明らかに80年代なので、まるで過去から未来を想うような…そこが不思議でどう解釈していいのやら。
コニーアイランドといえばたいてい物哀しい風景、忘れられた夢の残骸…ああ、おうちに帰りたい。すごく切ないんだけど、でもあの時点では、やっぱ2人きりじゃ限界というか、協力者がいればよかったのに…って身につまされてしまったよ。いや勿論そんな身も蓋もない話ではなくて、最後のダンスにはグッときちゃったけども。ぜんぶが曇りガラスに描いて流れる蜃気楼みたいだ。思い出したのはメリル・ストリープとデ・ニーロのNYメロドラマ『恋におちて』。でもドッグとロボットに見る関係は、友達でも恋人でも家族でも人同士じゃなくてもいいはず。
言葉のないシンプルな表現はアードマン・スタジオもそうだけど、デジタルの線と色が絵文字的フォルムの強みでセンチメンタルなエモーションを最大限発揮。やっぱ手は雄弁なコミュニケイション・ツールなのね。お馴染みクラシック映画の引用、ミュージカルとタップダンス、あの曲以外Vo.を避けた選曲が好き。確かにサントラ欲しくなるね。

自分へのクリスマスプレゼント届いた!ちなみに4K URTRA HDとかうちにはない。

人の感想に良し悪しもないけども、自分はそんな解像度高く観られてないなあとか、そういうふうに言い表せばいいんよだなあとか、自分の至らないとこばかり思ってしまうのである。

久しぶりに、パウエル巡査とトゥインキーで一足早くメリークリスマスHO-HO-HO⭐️そしてダイ・ハードのオマージュがあるフラナガンの『HUSH』、注文してたディスクがちょうどXmas前に届きそうだ。

積ん盤してたガブリエラ・カウパースウェイト監督『I.S.S.』やっと観た。米露共同の宇宙ステーションでサヴァイバル…大丈夫かこれ?と危うんだけど、『2001年宇宙の旅』+『遊星からの物体X』といった感じ。とはいえ、ジャンル映画になりきれてないような勿体なさ。英語ロシア語バイリンガル、アリアナ・デボーズほかキャストの見せ場も均等、サスペンスを両国の立場より個人的な要因にしたのはまあ納得しつつ、やっぱそもそもの設定が…。あと、無重力で狭い空間の視点移動が煩わしかった。
JGJはクセ者キャラ(髪切ってヒゲ剃ると大抵ギーク役だ)なので良かったけど、今年の新作2本ともやっぱりそうなるか。おかげでまた◯◯方バリエーションが増えてしまったぞ。ちなみにキャプテン演じたクリス・メッシーナとはスティーヴン・キング好き同士で気が合ったようだ。

監督アザゼル・ジェイコブスは『フレンチ・イグジット さよならは言わずに』も静かに品良くたなびく煙草の煙のような、洒落た小説のような映画だった。でもって(ミシェル・ファイファーが)猫映画だった。

ようやくNetflixで『喪う』観た。とても舞台劇っぽい。しかもチェーホフっぽい(自分はニワカだし「三人姉妹」は未読だが)。いわゆる「チェーホフの銃」に当たるのは、どっしり置かれた父の愛用ソファかしらん。同時に、いつ来るかわからないそれを待つ「ゴドー」も思わせるけど、それがちゃんと来るんだから面白い。
ファミリードラマによくある葬式ものと違って、待機状態なのが絶妙。同フレームに入れず律儀に1人ずつカットを割った会話はダイアローグというよりモノローグのようで、順にスポットライトを当てるみたいで…あの「ずっと一緒に育ってはいない」関係も絶妙で、自分にはわかりみ深かった。別れを前にして何か進展変化したとかでなくて、姉妹(His Three Daughters)になったから別れが来る奇跡。キャリー・クーン、ナターシャ・リオン、エリザベス・オルセンがもう奇跡。とりわけエリザベス・オルセンが好きだなあ。いじらしい。

観たあとで読もうとクリップした他人様の感想を探してたどり着くのが、ますます難しくなってる。何かいい方法ないかなあ。自分用にリスト作るとか?
もし年末ベストを発表される時には、その感想ここにあるよ!と一緒に添えてくれるととても嬉しいです…

今年の映画今年のうちに!てことで、Netflix再開した。あと、買ったまま積んでた輸入盤(積ん盤)も観た。

『ザ・バイクライダーズ』観たぜ。冒頭オースティン・バトラーの顔を影が覆う側、光が当たる側からの切り返しが示した(と思われた)ように、一貫してwitness の映画だったなあ。男共にジロジロ見られるキャシー、目と目で通じ合うジョニーとベニーとキャシー、ジョニーとキャシーの幻想を投影したスクリーンとして眼差されるベニー、そして証言者を優しく見つめる撮影者(マイク・ファイスト!)。
切り返しショットで視線が合うのと合わない相手がいて、見せるもの見てないもの、見届けるもの…ベニーは視線と視線の先にしかいない男で、見てくれる存在を失えば成り立たず。そもそもが写真集だし、witness構図が全部ぴったりはまってて、こういう映画ですよ、そうですねなるほど!って納得感。結局キャシーとジョニー総長の物語で、マチズモな力よりも(既に失われた)幻想の力がファミリーに忠誠を誓わせる。最も現実的そうなメンバーは早死にしちゃうし。
シカゴ・アクセント?で演じるジョディカマさんは正にフェノミナル。コインランドリーの場面はルックスも設定もルシア・ベルリンかと。で、トムハはますますマーロン・ブランドに(いやブランドより良いと思うけども)…彼のパートだけ取ればまるでゴッドファーザー・サーガ。シャノン兄さんはシカゴっ子ですもんねえ。

「キンドレッド」読み終わった…おすすめに感謝!一寸先は闇、ぜんぜん先が読めなくて怖いけどページターナーだった。一つ一つ振り幅が激しい、あそこもここもアンビバレントな表裏一体。ここにいたくないが戻らずにもいられぬ…カタルシスのない『マッドマックス怒りのデス・ロード』って気もした(腕!たぶんジョージ・ミラーも読んでるんだろうな)。
なんで76年なんだろ?建国200年だから?って思ったけど、そもそも書かれたのがその当時だと後から知って驚く。この前読んだ「こびとが打ち上げた小さなボール」もそうだったけど、てっきり最近のだとばかり…既に古典だったのね…でもそのくらい古びない感覚。こないだHuluでドラマシリーズ化されてたとは。

待ってましたの『悪魔と夜ふかし』観た。ファウンドフッテージものの捻り種かな。あの番組、確かに高視聴率人気番組には惜しい感じ!で掴みはOK。てか、夜ふかしって言っても当時はたぶん10時台くらい?暖色系に統一したセットデザインも、たぶん応接間をイメージしてるんだろうねーとか思われてよく出来てる。
とにかくデヴィッド・ダストマルチャンがいいねえ。夜の顔してる!彼が出ずっぱりであらゆる悪魔を相手に格闘する、そのプロレス(ヤラセありガチあり)を見せることに面白みがあった。「悪魔に魂を売るとこうなります」!
なんだかポップコーン・ホラーみたいな気がして、珍しくポップコーン買ってしまった(ぺっこ盛りサイズなのにサービス良すぎて食べきれん)。

タイムトラベルといえば、今ようやく『キンドレッド』読んでます。どどどうなるんだろう…ひー。

Amazonプライムに入った『マイ・オールド・アス ~2人のワタシ~』観たぞん。『メッセージ』とか被るんだけど、ティーンの身の丈に合わせた脚本で、ぜんぶ大袈裟でないところがすごく良かった。自分はこの手のに素直に弱いんだよう。オーブリー・プラザさん、また(パートタイム)タイムトラベラー!見るからにシックボーイのパーシー・ハインズ・ホワイトといい、キャスティング勝ちかもしれない。
amazon.co.jp/gp/video/detail/B

【2010年代映画マイベスト10】+たいせつ枠7

あなたを抱きしめる日まで (2013)
LEGO® ムービー (2014)
マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015)
プールサイド・デイズ(2013)
ショート・ターム (2013)
タイピスト! (2012)
COP CAR コップ・カー (2015)
パレードへようこそ(2014)
めぐり逢わせのお弁当 (2013)
クリード チャンプを継ぐ男 (2015)

【たいせつ枠】

サニー 永遠の仲間たち (2011)
パティ・ケイク$ (2017)
ミスエデュケーション (2018)
ベスト・ワースト・ストーリー (2016)
シング・ストリート (2015)
ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド (2011)
イット・フォローズ (2014)

ああ多すぎた。記憶に新しいほど厳選するのが難しくなるね。で、今だと変わるね。

5年前(え!)にまとめてた、2000年代&2010年代マイベスト映画はこんな感じだった。(こうして思い出せるのもこの時代からブログとか記録をつけるようになったからで、それ以前はもう記憶が…)

  【2000年代映画マイベスト10】+6本

Dear フランキー(2004)

ドリーマーズ(2003)

ミラノ、愛に生きる(2009)

リトル・ランボーズ(2007)

パイレーツ・ロック(2009)

アクロス・ザ・ユニバース2007)

アイム・ノット・ゼア(2007)

エイプリルの七面鳥(2003)

ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢(2008)

ONCE ダブリンの街角で(2007)

プラネット・テラー in グラインドハウス(2007)
プルートで朝食を(2005)
エリックを探して(2009)
ぼくのエリ 200歳の少女(2008)
ゾディアック(2006)
ヒットマンズ・レクイエム (2008)

「今年の映画今年のうちに」計画のはずが、観ておきたかった旧作を何本かアマプラでチェックしてるうちに、Netflixまでなかなか行き着かない。年内中に間に合うだろうか…。

こちらではようやく『ヒットマン』観た。リンクレイターの「嘘みたいな本当の話」シリーズみたいな。でも『バーニー』みたいな風刺皮肉はなくて、『アポロ10号1/2』に近い「シレッと」したナンセンス味とグレン・パウエルのシレッとした愛嬌のコラボレイションで、教訓やミラクル、寓意が含まれた伝統的アメリカンなトールテールって感じ。ニューオリンズだし「北の物語は“昔々…”で始まる。南の物語は“嘘じゃねえ”で始まる」(from『コカインを探せ!』)を思い出す!

2015年かーTwitterのTLで評判良かったのを憶えてて、遅まきながら『イマジン』観たぞん。そっか「目の見えない人は世界をどう見ているのか」が出たのも2015年だったのかー。杖なしで何でもわかるイアンは子どもたちにとってはメリー・ポピンズみたいな魔法使いだけど、魔法じゃない。血飛沫とブランデー。見えることわかること、現実と幻想と想像のあわいを行くフレームが想像をかき立てて、そのまま不意に視点が切り替わるラストがほんとよかった。港町リスボン旅人の交差点、大航海時代の冒険者イメージを重ねてあるのかな。あそこでは主に英語なのはちょっとよくわからなかったけど…。

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