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なので
欽ちゃんが二郎さんから分離し独り立ちしてゆくに当たって素人いじり番組を主戦場にしていった原理と同じように、

矢部さんが外側から岡村さんにフワッとしたツッコミを入れ続けることで追い込んでゆくフォーメーションのナイナイを中心として輪が広がっていっためちゃイケという番組の

長期的な維持と終盤の岡村さんが欠けた時の打開策要員として、三ちゃんという"素人"が選ばれたことはとてもよく似ていると思います

番組側がその素人性を無理やり維持しようとするがために力関係のバランスが偏っていったのは想像がついてしまうなとも感じました

ニューヨークチャンネルの動画のコメント欄で

「岡村さんが思っていたより早めに復帰しちゃったから、オーディションメンバー自体の存在意義が不明瞭になり、その中でも素人という特殊な立ち位置の三ちゃんが特に宙ぶらりんになってしまった」

こんな感じの事が書かれていましたが

この状態はまさしく視聴者目線でも潜在的に共有されてた感覚なのだと思います

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コント55号やナイナイの類似点は、
それを「映像媒体(テレビ)」に深く結び付けてタレント像を形成してゆくという芸に施したとこだと思っていまして、そこにのみ強く出力していった事で築き上げたスター性ブランド性なのだと感じています

二郎さんや岡村さんの素(っぽい未完成の演技)を面白がらせる演出構造に欽ちゃんや矢部さんは専用芸人と化していった事で視聴者に親近感を抱かせ興味を持続させ注目度を上げてゆくエンタメになっているのではないでしょうか

(重ねて言いますが、バナナマンや極楽とんぼはそれをコントorフリートーク(ネタ)に落とし込んである程度どこでも応用できるようにしているため、ナイナイやコント55号のようなドキュメンタリー性とは違う面白さになってると思います)

これは
ピン芸だと山田邦子やフワちゃん、
もう少しプロデューサー的な立ち位置になると島田紳助やYouTuberのヒカルとかになってゆくタイプだと思います

本人の面白さ(キャラクター)ももちろん保持していますが、何に注目させるかが別の対象物や事件性などがあってそこにどう絡んでゆくか、切り取って料理してゆくかがメインコンテンツと化している状態

そしてその手法の1番原始的な形は「客いじり(素人いじり)」になるのだと思います

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個人的にナイナイのフォーメーションと作っている笑いの種類として近いニュアンスのコンビってコント55号だと思っています

youtube.com/playlist?list=PL6C

安直な結びつけの視座だと感じながら話してみようと思うのですが、

欽ちゃんが二郎さんにやってた「ネタ以外の部分の追い込み芸(というネタ)」の原理を心理的なポジショニングとして設定したのがナイナイなんじゃないかなと思っています

(それをまんまキャラクタープロフィール的になぞってコント師としてのみ追求していったのがバナナマンや、フリートーク的な話芸に特化させていったのが極楽とんぼ)

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こちら面白かったです
めちゃイケという番組の面白さと危うさ

かつて上岡龍太郎が言った「テレビで面白いのは、素人が芸をやるか、玄人が私生活を見せるか、2つに1つだ」という話を思い出しました

三ちゃんは素人なのでしょうか?玄人なのでしょうか?

youtube.com/watch?si=giVEQ4bmO

youtube.com/watch?si=egCGiBo4a

そういう点からも考えると、8月22日の彼女が男女コンビである、という部分も面白いです

やってる笑いの種類的には、ぐんぴぃさんのDT自虐的な文脈のさらに先鋭化させたものとも言えるわけですが、それが例えば南海キャンディーズの山里さんのような非モテ自虐ツッコミみたいな方向に行くのではなく、かといってダウ90000のようなメタファーに留めながら集団演劇化するわけでもなく、

そのニュアンスをど真ん中から描くためにむしろ男女コンビである必要があるといった感じ(そういうタイプのネタだけをやるコンビじゃもちろんないですが)

千代園さんがそのニュアンスを汲み取れるタイプだと言うのも大きいと思います

みなみかわさんは解説の中でエロ系下ネタ芸人界に最近はDT芸人が増えてきてると言っていましたが、そのニュアンスは鶴光さんやケーシー高嶺さんの進化の進化の進化を重ねた地点の先に8月22日の彼女というラーメンズの系譜みたいなコント師が立っている、という状態にも捉えられるのが面白いです

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nhk.jp/p/ts/47NWJQ9RP7/

NHKの性教育番組にぐんぴぃさんが出れる事から考えられる事は、バブル期以降の平成中期から令和までの下ネタ芸の在り方は、「(2次元的な)性産業の細分化」×「性教育」というような塩梅で、個々としてはニッチなフェティッシュが促進しているが、大衆領域では例えば性風俗店やナンパ術のような男性中心のエロ(もっと言えば家父長制度とも結び付いている気がします)ではない方向に向かっていってると思います 

すごく単純に雑に言ってしまえばこの番組のメインMCにサーヤさんが選ばれている事から分かるように女性を中心に置く事で提示している方向性があるという事です(これらを男性的、女性的、と分ける価値観の時点でちょっと違うのかも…とも個人的には思っています)

そして、これは考えすぎ的な視点でも捉えてみると、テラスハウスであった木村花さんのような件からも分かるように、ステータス的な側面で異性を選んでゆくゲームの状態化(とそれをショーにした時に噴出する義憤的な感情含めて)マッチングアプリ的な恋愛観の裏街道的な波及、BL的なもののビッグコンテンツっぷり、などを見ると今までの反動でコチラの側の方も時代性と共に膨らんでいってるようにも感じています

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また、もう少し過去の視点も取り入れてみると、ここ最近みなみかわさんのチャンネルで下ネタ系芸人の振り返りというトーク企画があって、なかなか面白かったです
みなみかわさん自体の批評芸的な側面が感じられたのも良かったです

youtube.com/watch?si=NgRdAAiKE

それを踏まえた上で、ただやっぱりこれってバブル期前後の昭和〜平成にかけてのテレビを中心に組み立てられたエロ芸人史という感じで、かなり男性向けエロという文脈を汲んでて無意識に分離的なスポットを作り出してる側面はある気はしますね(それが上記したような世代的なものなのだと感じています)

紺野ぶるまさんやハナイチゴの関谷さん、中村愛さんなどのメンツは出てきましたが、それは二次元的な性産業や女性向け的なものとは微妙に違うニュアンスで

サーヤさんのやってる下ネタの提示とか、ぐんぴぃさんに対比する形での土岡さんの触れ方とか、みなみかわさんがそこら辺の微妙な塩梅までは感知していないという事実によって、エアポケット的に分離してるゾーンが今まさに育まれていってる感を逆説的に感じました

なのでFANさんのやってる上記のコントとかって密室的に爆笑を生んでる状態になってるのかなと

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上の世代はネタとして扱う事自体のアナーキーさで笑いを取ってる感じが強いですが、下の世代はその性癖にはどういう精神性が伴うのかまでを観客含めて把握しててそれをイジって笑いにしてるようなイメージ)

FANさんはそういった2次元的エロも含めた性的なものに対する心理構造を俯瞰的に見たり発露のメタファーで大喜利してたり、エロスとインテリジェンスをものすごく上手く絡めていると思います

中でも上記の動画「ショタを語る」で話してた、性の揺らぎの考察は分かりやすくて面白かったです
FANさんは同性愛者じゃないし漫画コンテンツとしてショタを愛好しているという部分も含めて、こういうかなり入り組んだ性癖の解説役として適役だと感じました

youtube.com/watch?si=yn3y9F8UO

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世代的に見渡してみても、
ラランド、youtube.com/watch?si=9R3xM_2Am
空気階段、youtu.be/V-8-BVY-2ns?si=7VkOPU
ザ・マミィ、youtu.be/t7pVCCy--E0?si=0_CKJf
とかの2次元エロみたいな領域を文化的に通過してないようなコンビでも割と下ネタとしてはやや入り組んだネタを自身のYouTubeチャンネルでは披露していたりします

(これが少し上の世代だと、入り組んでたとしてもおぎやはぎがゲイネタをコントにしてたりとか、youtu.be/HUeLDpBUasI?si=TGQ2kt

深夜番組で性風俗や自慰行為について直接的にネタにするケンドーコバヤシぐらいの塩梅になると思います、youtu.be/lRHwPh0vbM8?si=LDypp0

そこに対しての照れなどを含めた心理的前提共有がそもそも違う気がします

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FANさん、東大出身で元公務員→素人大喜利&兼業芸人活動から作家や動画編集の裏方を経てコンビを結成してるという流れなので、知性と地下ライブ界隈の不思議な両立を可能にしてる雰囲気があって面白いです

この年代のネット大喜利界隈を経由してる芸人さんのある領域の中で「性コンテンツ」をテレビでできない笑い的な形で昇華しているタイプが多いと感じています

カラタチや春とヒコーキ、あと微妙に真空ジェシカとかも該当すると思いますが、やはり年代的に2次元エロ産業みたいなジャンルの細分化がネットの登場以降進んだ事と、またそれと並行してアイドル産業が推し活的な土壌を耕して芸人さん側も推される立場として、上記したラーメンズのような世代の露悪お笑いの在り方(思想を伴う過激な発言や露骨な暴力表現)を避けていった結果、入り組んだエロスによる笑いの表現に辿り着いているようなところがあると感じています

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youtube.com/watch?si=CZQid4TTn

コメント欄に「最悪のラーメンズすぎる」とありましたが、まさしく昔の小林賢太郎的な悪意が盛り込まれてる、どころかもっと明確に隠喩になってない隠喩で笑ってしまいました

04:50あたりからの千代園さんが台詞を言ってる光景がイカれててめちゃくちゃ面白かったです

例えば、これがお互いの構成要素を反転させて、
アイドルオタク→(エロを伴う実存的なエンタメだと)セクシー女優オタクとかになるのだろうし、
エロゲオタク→(エロを脱臭した二次元的なコンテンツだと)恋愛シミュレーションゲームオタクとかになるわけで、

どちらもニッチさが強まって(現に千原ジュニアさんはときめきメモリアルを知らなかった)ここまでポップ層に到達するようなバランスにならないと思います

そこが絶妙だし、逆を言えばこの似た2つのジャンルは分離させて漫才コンビに施してしまう事も出来るほど発酵しているという事だと思います
(例えばこれを女性コンビに変換させて、男性アイドルオタクと、BL漫画オタクのコンビを想像するのは難しくないほどにパッケージングとして完成されてる)

なにより2人が嗜好している推し活的な行為を伴うコンテンツ、に課金していると発信する事で一回転して推される側である芸人として売れてしまうというビジネスの立脚は、大袈裟な事を言えば第三次産業での資本主義の構造を偶発的にハックしてる感があって面白いです

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しかもツッコミでネタ書きじゃないポジションで、かつ地上波テレビやライブの種類によっては「アニメオタク」だと紹介せざるを得ない時もあるから、より入り組んでると思います


と同時に感じるのは、サービス業、特に異性である事を中核に置いた疑似恋愛的な職業ジャンルはセクシャルな領域を含めてコミュニケーションエンタメに変換させている事で成り立っているという事実と、それがこの2人のキャラクターの在り方によって、そのジャンルにグラデーションが生じてキャラとして二極化させられるほどの広大な敷地であると感じられるという面白さがあるとも思います

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youtube.com/watch?si=WMsSsTGbx

カラタチって初見だと前田さんのアイドルオタクキャラが先行しててそれが主軸のコンビだと認識しちゃいがちですが、大山さんのエロゲオタクという要素が隠れ家的に一番肝の部分になってて面白いです

菊地成孔と水川かたまりの声は似てる

視力 さんがブースト

ちいかわの作者ナガノさんは食への興味追求を漫画にするのがとても上手いと思います

だからこそ、ちいかわという作品の世界観も描けるのだと感じる
あれは食物連鎖や性愛玩欲が含まれた表現なのではないでしょうか

視力 さんがブースト

ちいかわの(鎧さんたちに管理された)世界では、大人になるプロセスが絶たれてるんだよな。でかつよになって追放されるルートしか基本的にない。なのにちいかわやハチワレは成長したがっているから、読んでて「ウウ…」となるわけだけど。

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視力 さんがブースト

イノセントな存在が段階的な成熟プロセスを求めるんだけどほぼ成就しない、みたいな世界なんだよな〜。ハチワレは「強くなりたい」子で普段から人一倍努力してるわけだけど、パラレルワールドとはいえこういう経験をしてしまうっていう。

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視力 さんがブースト

この漫画の「強い」キャラ、極端に自己制御してる奴か、アンコントローラブルになってる奴か、どっちかでしかいられない感

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視力 さんがブースト

ちいかわ。「なんかちいさくてかわいいやつ」にイラッとする瞬間を描いちゃってて、しかもイラッとしてるのがハチワレであるという、キツい描写。

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