ゾフィーやマミィ、空気階段的な演劇の枠組みの中でリアリティを追求しながら展開させるタイプのコント師のYouTuber版がARuFaさんやわっきゃいさんなら、
コウイチさんは、
アルコ&ピースの「忍者になって巻物取ってくる」や
東京ダイナマイトの「漫才の役割をボケとエクササイズでやってみる」とかと近い
ネタである事そのものの暗黙の了解を踏まえて観客との共犯関係的に脱構築させるタイプのネタをYouTubeでやり続けているのだと感じています
https://www.youtube.com/watch?si=3wyp6xM_GyIjTz_T&v=RIBeOwdR6bU&feature=youtu.be
ただ、それらと比較してみてもコウイチさんのやってる事はもうちょっと"youtuber"である事の根幹に突き刺して組み立てる感じがすると言いますか、
もう少しニュアンス的に言ってみると、
「言語補填が少ない」やり方で世界観を作り上げていると思います
コウイチさん以外の上記の人たちは、これを「口頭で話しても成立する」のだと思います
(例えば、ちくわさんのは有吉さん的な毒舌芸に置き換えれたり、
シバターさんのはケンコバさんの下ネタ芸のようなお約束的なものだし、
ぐんぴぃさんのはそもそも企画趣旨を説明してから始めてるショートコントの羅列です)
コウイチさんは、そういった見てる側の脳内補填的な要素が少なくて、タイトルや演技だけで説明を済ましている上で、ARuFaさんやわっきゃいさん的な動きや発想のみに特化した笑いになってるわけではない(見る側のツッコミ視点の比重に頼っていない、その中で別軸の物語を作れている)と思います
https://www.youtube.com/watch?si=l671Pwn_RBZNrMNN&v=d6ioV109QCM&feature=youtu.be
そういった「YouTuberだけどロジックや批評性が優れている人」でなおかつ、
「YouTubeのフォーマットを利用した設定でコントをする人」って
他にも何人か確認は出来ると思います
炎上させる事を前提としたモノマネだけをやってる、ちくわさんや
https://www.youtube.com/watch?si=KW0Na6f4alsXeK1l&v=yN2YmeAA5W8&feature=youtu.be
スキャンダルについて語る動画と見せかけて毎回ただ自分のパチンコチャンネルに誘導しようとするシバターさんや、
https://www.youtube.com/watch?si=cmLpAckiujE6QpCu&v=5dK_8zqww4k&feature=youtu.be
こちらは企画の形を取っていますが、バキ童のぐんぴぃさんもコント師としての演技力を活かした設定のミニコントを披露していたりします
https://www.youtube.com/watch?si=P2j72VbB40bOU1aq&v=ot7u2gEsRU8&feature=youtu.be
ARuFaさんについて以前「ブロガー、ライターだけどリズム感や動きに優れてる人」と書いたと思うのですが
そうだとして比較するなら、
コウイチさんは
「YouTuberだけどロジックや批評性が優れている人」
というちょうど真逆の存在だと感じています
https://www.youtube.com/watch?si=8Lgubsn5bg7zEwDV&v=Fgsk5GYAxI8&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?si=wmLl6kDF2rBhS9hd&v=XLqyDVJJCrc&feature=youtu.be
コウイチさんもARuFaさんやわっきゃいさんとかと同じでYouTuberである事自体をコントにしている芸風だと思うのですが、
なんという他のYouTubeコント師と微妙に違うのが、そこに批評性みたいなものが若干舌触りとして入ってるのを感じられるのが面白いポイントだと思います
https://www.youtube.com/watch?si=3y0tGqH4qpQU8_DA&v=BN4u_mUUtEw&feature=youtu.be
そういう精神性が意外と
ネットの面白い人 みたいな文脈の中だと突出してるような気がしてて、
例えば、
他のオモコロチャンネルメンバーや、
あと比べるならバキバキDTぐんぴぃさんとか、
kouichiTVのコウイチさんとか、
そういった方々よりも、なんか
自虐性や分析性、脚本性、言語性、
的なものが割合として少ないと思います
裏笑い性と言ってもいいのかもしれません
照れがない
というか、
突き抜けた裏笑いが一周回って表笑いになってるみたいな転換
なので厳密には天然笑いでもないし、
逆に言えばだからこそ自己投影もしやすいのだとも感じます
その視点はどこまでも視聴者的だから
声だけのゲーム実況者とかと近いのかも
テンションとか含めて
ARuFaという主人公視点のゲームを操作してる実況生主っぽい
あと
外敵要素もけっこう重要だと感じてて、
同じように素顔を見せてない恐山さんは
仮面で顔が隠れてるけど、目元だけくり抜けてるから、そこからコチラを見てる感が強いけど
ARuFaさんは目だけが隠れているのでコチラを見られてる感があんまり無くて感情移入しやすいのかも
モブであり主役 とても面白いです
https://www.youtube.com/watch?si=_dTqzIZ98-1fFzpv&v=mh_YyZEw04Y&feature=youtu.be
端的に言うと、裏回しという行為にしては、
さり気なさが無い
テンションや声質で誤魔化されてると思うけど、実は常にどこか他人事な雰囲気があって
根のブロガーっぽさというか、
音MADでネットミームを拡散させる側というか、
テレビとかで裏方が画面の外からちょっとだけ見切れてる雰囲気というか、
ARuFaさんは、裏回しというより
「裏で表回し」をしてるんだと思います。
ずっと外側からノリを促進させてる
その原理で自分も中心に出てきちゃってるイメージ
ARuFaさんの面白さが炸裂してスター性が発揮されてる瞬間も、
自分で自分をいじってる
というような自己演出性、俯瞰操作性が表現自我に根を張ってる感触があります
あくまで、
出演者という画面の中のいち素材として捉えて動かしてるような印象があります
https://www.youtube.com/watch?si=AdjQ_Lt9PqMcIov7&v=NtdXmLaod9w&feature=youtu.be
オモコロチャンネルでのARuFaさんを見てると、
自分が主役じゃない時もガヤ的なツッコミを入れてたり、ミニコント的なフリを置いてたりして、
それを「裏回ししてる」みたいな感じで他メンバーやコメント欄でいじられてたりしてるのですが、
でも、それがプレイヤーとしての裏回し感がなんか薄く感じてて、なんというかテンプレ感、SE感、編集点感、カットアップ感を覚えます
4コマ漫画 ではなく、
4でコマを作る「コマ4表現」
94~120フルver.↓
https://www.youtube.com/watch?si=pbMkDh7sextPF0r3&v=z1qI8WfqjL8&feature=youtu.be
4コマ漫画 ではなく、
4でコマを作る「コマ4表現」
63~93フルver.↓
https://www.youtube.com/watch?si=OVjdxXW8bBPbak5g&v=0fVTgL4EEJU&feature=youtu.be
4コマ漫画 ではなく、
4でコマを作る「コマ4表現」
32~62フルver.↓
https://www.youtube.com/watch?si=TSZar44KD15uFObR&v=amnO3ugrX6U&feature=youtu.be
M-1。Mastodonで、雑につらつら書いてみる。
それなりに演芸が好きなつもりで長年この番組(ライブに通い詰めたりしてない自分のような人間にとっては、M-1はあくまでテレビの特番)観てきたけど、そろそろまた休止した方が良いんじゃないかというのが、一視聴者としての自分の無責任な感想。
M-1決勝戦って、かつての笑い飯にしろ近年のランジャタイにしろ、常に何がしか既存文脈に対する異物=変なものが提示される場として機能しているところがあって(それが、既存文脈のリフレッシュと再強化を生む)。今回は「お笑いや賞レースについて桁違いに勉強・努力している高比良くるま」が一番変だった、ってことかなあと思った。実際、令和ロマンのネタ、面白かったし。ただ、異物性がそういう形でしか生まれなくなってるのだとしたら、単純にもうシーン全体が弾切れなんじゃないだろうか。2010年代半ばぐらいから、M-1含めたメディアがライブシーンからいろんなものを回収し続けて、そろそろ枯渇してきてるんだろうなあと。
で、個人的には、そもそも変なものを観たいから演芸観てる、っていうのがあって。
と同時に、
令和ロマンに感じるある種の「裏笑い性」ってシーンとしても臨界点的なものではとも感じてて、そしてそれって「話芸」の持つ自己矛盾っぽい特性だとも感じています
キャラやシステムではなく純粋な「話術」って笑わせる時にどうしても裏笑い的になるっていうか、なのでM-1というショーは漫才の頂点を謡いながらも、純粋「話術」みたいな芸のタイプが優勝したパターンってそこまで多くない印象があります
自分の個人的な感覚ですが、「話術」をそのまま漫才のフォーマットの中に落とし込んでるチャンピオンって、ますだおかだ、とろサーモン、あとTHEMANZAIだけどウーマンラッシュアワー、そして今回の令和ロマンだけしかいないと思います
そして、
その策略的な面は際立ってゆくと"裏笑い"領域に突入してゆくので、過剰性と共にくどくなったり、切れ味が鋭くなったりすると思うのですが
くるまさんの「M-1好きさ」が、それを上回ってくるから狂気として怖くならないんだと感じています
純粋に何千時間もマリオ64だけやり続けて「ぁ、こんなところにバグがある!ということはここを通れば0.5秒短縮できる〜」って喜んでる変態みたいな
やってる事はハッカーと一緒なんだけど、目的がシステムハックじゃないから危害がないという
井口さんは状況とか境遇があっての
「革命戦士」感があるから、毒を含めた悪態と構造批評的な振る舞いがギリ許されてるというか
くるまさんは、ただただM-1が好き過ぎて狂っちゃってる感じがするから見てる側のマイナスな感情が湧きにくいのかなと思いました