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『名作歌舞伎全集』が刊行時各巻に付いていた月報まで完璧に揃った状態で図書館のリサイクル本コーナーに放出されていた。
当時、全二十五巻刊行されていたようだが、リサイクル本として残っていたのは六冊のみ。
心中で快哉をあげながら有り難く全てサルベージする。
図書館によって何かしらの基準があっての廃棄なのだろうけど、正直驚いた。図書館にはもうこういった「あまり借り手がないかもしれないが貴重な本」を抱え続ける余裕がないのかと想像すると暗澹たる思いに囚われる。
が、個人的にはお宝ハンターよろしくホクホク顔で帰った。烏亭焉馬が書いていた脚本の謎だった部分が解明されてスッキリ。

万博のパソナ館は造形的だね。
世界にも類を見ない派遣制度を展示するつもりなのかな。

prtimes.jp/main/html/rd/p/0000

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』→
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の順番で観るのがオススメと教わったので重い腰を上げ観に行ってきた。
両作品ともに3時間弱の超大作。
各国で大量の車や電車や橋や家、とにかく大量に爆破してて景気がいい。長丁場の疲労が極まり、ハリウッドって凄いな〜(改めて)、という単純な感想しか思い浮かばなかった。2作続けて観るもんじゃない。
両作品ともに、世界観について全く納得はいかないが、自分の中で「こういうことだろう」と無理やり消化していく話だったので、他の人がどういう風に噛み砕いて消化していったのかが気になる。
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』に関しては、最後まで観てようやく物語のスタート地点が見えた、といった印象。
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の「フィアット500」『タクシー運転手 約束は海を越えて』の「キア・ブリザ」や「ヒュンダイ・ポニー」『天空の城ラピュタ』の「フラップター」など、一見して非力な乗り物が予想外の活躍をすると観客として手に汗ぎり胸が熱くなる。
説明なしで、圧倒的な力に立ち向かってる様が一瞬で可視化できるのは、映像とか絵の特権だなぁ、と実感した。

先日、漫画家の一条ゆかりさんがお若いころ、バーで男性編集者に頭からお酒をかけられ、編集者側は「今日の獲物」の女だった的に武勇伝としてその話をしていた、というエピソードを読んでぐったりしたのを、思い出したりした。

また、氷室冴子さんのお母さんが知らないうちにテレビに出て「娘の縁談についての人生相談」をし、娘のペンネームも本名も開示された状態で放送され、占い師さんが、
「娘さんは35歳で才能の限界を悟って結婚を考えます。俳優の竹脇無我のような優しい男性がよい。自力では見つけられないから周りが段取りしてあげましょう」
と占うのが流れた…
というエピソードは、ただ読んでいるだけでライフがゼロに…。
氷室さんは、どれだけ仕事を頑張っても自分の選んだ道を進んでも、結婚をしなければ(家父長制に従わなければ)無価値だと思われていると、大変ショックを受けた、とある。

『文藝」夏号の「松浦理英子が語るミソジニーと苦難の時代」のことも思い出した。

また、倉橋由美子さんが男性の批評家から壮絶に批判され、由美ちゃん呼ばわり(キモい…)されていたことなどをさいきんこの2冊で読んだのも思い出した。

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氷室冴子さんのコバルト文庫の作品をわたしは中学生のころ夢中で読んでたのですが、この本を読むと、当時の苦労として、
「男性のインタビュアーからやたら年収を聞かれ、『ああいう小説は処女じゃなきゃ書けないんでしょ』と好意的ニュアンスで言われる」「笑顔で耐えて、帰宅後、家中のワインの瓶ぶち割って一晩中泣いた」
とか、
「のちにセクシャルハラスメントという外来語を知り、自分が怒りっぽい変な人なのではなく同じように傷つけられている仲間がいたことに気づく」
とか、
「四十代後半の男性と仕事上の意見が異なったので、話し合いをしようとしたら、向こうは気の強い女の子が我を張って甘えてきてて困っちゃうナという様子で、対等な仕事相手とは思っていないのがわかった」「試しに『別の男性も同じ意見でして』と言ってみたら、相手がギョッとして急に話を聞き始めた」
などから、
「相手に『女というバイアス』が作る不可侵領域がある。これらの経験に近い理論はフェミニズムだと気づいて支持するようになった」
とあった。

時代は違うけれど、自分のいた2000年代のライトノベル界(作家も編集者も男性が多い)も思い出され、なかなか辛い。

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その上で、『魔界転生』という小説の評価を、局所的なプロットの弱さや、キャラクターの魅力の軽減によって貶めるべきではない。
映画版が優っている理由として氏が挙げている「老中・松平伊豆守を早くも暗殺した上に、ガラシャの色香で将軍・家綱を籠絡。魔界衆は天下を取ってしまう」「炎に包まれる江戸城天守閣で幕府の侍たちを片っ端から斬りまくり」といった部分は、明らかに歴史の改変・捏造がされている箇所である。
その結果、伝奇時代小説のパイオニアである風太郎作品の戒めをあっさりと破壊しつくし、客が喜べば何でもやるといった類の時代を一つ前に巻き戻した作品になってしまった。
個人としては、そこが逆に残念だ。
だが「のらくろ」のレビューに「キャラが弱い」などと本気の感想が書かれない時代に、風太郎作品が古典としてではなく、現役の作品として取り扱われるのは、まだまだ風太郎作品が「オワコン」(終わったコンテンツ)として認識されていない証左だと思う。
だが、改めて言う。
このような作品を、映画版を持ち上げるためだけに貶めるべきではない。

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「小説丸」にて、春日太一さんが映画『魔界転生』を持ちあげるために、小説『魔界転生』をこき下ろしてるのを読んで驚いた。
氏に指摘されている小説の弱い部分に関しては、当時の読者としても同様の思いを抱いていたので全く異論はない。が、それにしてもだ。 
山田風太郎は伝奇時代小説のパイオニアである。
風太郎さんが今までその類の批判に晒されなかったのは、読者からの絶大なリスペクトがあったからだろう。山田風太郎以前の伝奇時代小説といえば、歴史を題材として扱っていたとしても、虚実ないまぜで、読者が喜べば何でもやるといった風潮があり、楽しいとは思っても、もの足りない部分が多分にあった。
その中で、山田風太郎作品にはそれが無かった。
衝撃的だったし、刺激的で、知的で、教養で遊ぶということはこういうことかと風太郎作品で初めて体験した。
山田風太郎は『風眼抄』の中で伝奇時代小説を書く上での戒として「限度を超えた歴史の勝手な改変や捏造は許されない」と語っている。
エッセイの中の言葉を借りれば、山田風太郎は、一から十まで嘘っぱちで固めるような浅はかな芸当ではなく、命綱なしで一本のロープを渡り切る、根性の据わった「伝奇小説の曲芸」をやってのけた稀代の作家であったのである。

「主人公ガクが路上で防犯カメラをハッキングするシーンでは、実際に社内で脆弱な監視カメラシステムを模した環境を構築し、侵入手順を作成しました」

セリフや目線、シェルやプロンプトまで監修されててすごい

TBS金曜ドラマ『トリリオンゲーム』のハッキングシーン舞台裏
ricsec.co.jp/news/tbs-trillion

何十年も大御所だったまま老境に差し掛かった人物変わることには期待していない。
でも、性的搾取がよくないと少しでも思うのなら、内心とは違っていても謝るポーズぐらい見せてほしい。
エンターテインメントを享受した人々はそれを産んだペドフェリアも許容しなければならない、と言わんばかりの言葉がこのまままかり通るなら、今回声を上げられなかった被害者や、たったいま搾取されている人たちが声を上げる機会を失わせてしまうよ。

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BT 文学フリマ会場の中央に立ち読みブースがあるのは、かなりいいレイアウトだと思います。東京や大阪だと立ち読みブースが別室で、存在に気づかない方も多そうでした。また、大規模会場だとそもそも出店者数が増えすぎ&会場が広すぎ・混みすぎで、あまり立ち読みブースが機能していないかも。
出店経験者としては、立ち読みブースで読んで来たというお客さまは過去に存在しましたし、とても嬉しいです!

※立ち読みブース:全出店者に新刊の見本の提出が義務づけられており、参加者はそれらが並べられた長机から自由に手にとって本の中身を確認できる。

インボイス制度で消費税の免税を絞ったら、当然次は給与所得控除に扶養控除、そして青色申告特別控除、基礎控除を無くしていく予定なんだろう。

news.yahoo.co.jp/articles/a205

作者の思惑の外の出来事として、受け取り側の個人的な体験で創作物の感動が二乗三乗にになることがままある。
個人的にその一例として。
昔、『同志少女よ、敵を撃て』(著/逢坂冬馬)を読んでいた時に、偶然、bonobos「Wanderlust 」(album『ULTRA』より)が流れた。小説の内容と音楽が異常なぐらい噛み合って嗚咽が止まらなくなった。その時読んでいた小説のストーリーと歌詞の世界観は真逆だったが、根っこの思想は一緒なのだろうと強く感じたからだ。表面的には違う。でも、同じだと思わせる力に衝撃的を受けた。
以来、逢坂冬馬作品やインタビューを追いかけるようになった。
そして、いつかまた「Wanderlust 」を生で聴けないかと夢想して蔡忠浩さんのライブを追いかける。
それは、一之輔師匠の「笠碁」伯山先生の「柳生十兵衛」が生で聴けたらいいな、ぐらい気持ちにも似ていて、聴けなくてもそれはそれで問題ないのです。
ただ、もし聴けたら心のとても奥深いところで「ほぅ」と漸く息がつけるだけのこと。

ちらっと読んだけど、ゲーマーではない私が秒で捏造見つけられるレベルの本でした。そういう「歴史」を出版したっていいけど出版社を含めて批判されるのは当然です。青い鳥文庫は校閲しないで出すんだな、ということになる。
「本質」の方が事実よりも大事な人に歴史を名乗る本を出させちゃいけないよ。

aoitori.kodansha.co.jp/news/in

ひろゆきを擁護するつもりは全くないが、コンピューターに関係するあたりを全部「プログラミング思考」でまとめるのはやめていただきたいな。
筆者があげた「パクる、逃げる、丸投げする」のは、コンピューター業界に特別な話ではない。どこの業界でも横行しているし、そうやって経済的な成功を収める人たちはとても多い。
また、「90年台にCを書いたことがある」程度の技術しか持たず、ハッタリ芸で金を集めるスキルが持ち味のイーロン・マスクと、比類ないエンジニアだった(彼の書いたBASICのソースコードは公開されているから読むといい。全文読める長さだ。彼がパーソナルコンピューターにかけた夢と、当時のコンピューターの現実がコーディングされている)ビル・ゲイツを同じ箱の中に入れるのもどうかと思う。
こんな雑な書き振りでは、ひろゆきの側に立つ人たちを動かすことはできないよ。

websekai.iwanami.co.jp/posts/7

『思い込みで誤った情報を選択しないための必須教養 認知バイアス見るだけノート』(宝島社)は、『情報を正しく選択するための認知バイアス事典』(フォレスト出版)の項目立てや本文を盗用しているという話。回答書状も相当ひどい。

宝島社の「悪質な盗作物」!|高橋昌一郎
note.com/logician/n/n0c3b191e3

ある意味も何も自民党のやりようはサウジアラビアよりもタリバンに近いところまで来た感があるな。

成田祐輔を擁護する声の中に、高齢者がいなくなれば日本の経済は上向く、というものが混ざるし成田もそのように誘導しようとしているけれど、高齢者がいることで動いている経済の代案を少しでも考えたことがあるんだろうか。

介護だけでGDPの2%、個人消費でGDPの10%に達するんだよ。これに医療費は入ってない。この消費は他の世代に支払われてるんだ。政治や企業のトップから老人を追い出したって日本の経済に痛痒はないが、経済そのものは年金暮らしの高齢者なしで立ち行かなくなりつつあることをまず認めなきゃ。なんなら年金増やした方がいい。それだけで消費が増えるんだよ。

人が人として扱われてないのが問題で、女性をハブってサークル男遊びしてる場合じゃないんだよ。

nytimes.com/2023/02/12/world/a

日本のフリーゲーム『ファミレスを享受せよ』(月刊湿地帯)をプレイしました。ブラウザをクリックするだけで遊べるアドベンチャーゲームです。クリアまでに2時間くらいかかります。
ジャンルはSFでファンタジー。小説が好きな人にもおすすめです。

ファミレス『ムーンパレス』にたどりついた主人公はそこから出られなくなり、ずっと内部で暮らす登場人物たちと話をしながら、この空間の意義や住人たちの事情を知っていきます。

主要登場人物の3/4が女性で、終盤は彼女たちの女性との関係ーー明確な愛情もあれば、ロマンティックではない親愛もあるーーが明らかになります。
関係者でもなんでもない通りがかりの主人公が、ねばり強く会話して、たくさん時間をかけたことで事態が変わる。素敵なお話でした。
oissisui.itch.io/moonpalace

新潮側の提案は意味が変わってしまっているでしょう。まさに鴻上氏が書いたような、陰湿に刺すやり口だ。

……「陰湿な奴ほど、ちゃんとした服装でいじめることをみんな知っています」という一方的な書きぶりも、「ちゃんとした身なりをしていても、いじめをする人はいます」というバランスの取れた表現に変わり……

dailyshincho.jp/article/2023/0

差別は「不愉快」なのではなくて、脅威であり、差別される当事者への、時に生命をおびやかす攻撃です。当事者が目を逸らしてもその場を去ってもコミュニティは差別を目の当たりにしますし、放置すれば差別を許容することに他なりません。

対処が大変なのはよくわかるのですが、報告があったもので、客観的に脅威を与えるような言動には何らかの対処をしていただけると、脅威を感じている方は安心できます。

どのような運動も狭量になることはあり、当事者でない人たちの心象を害することもよくあります。しかしそれこそ「ミュートすれば平穏の得られる」不愉快さです。

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