METライブビューイングで『めぐりあう時間たち』鑑賞。冒頭の「花を...花を...」のリフレインが過ぎ去りながらしかし消えることなく残り続ける時間そのもののように感じられた。ネゼ・セガンが言うようにオペラだからこそできる表現様式を使って時空を超えていた。水の波紋のような海のようなコーラスと空気を表現するかのようなダンサーも素晴らしかった。キッチンと書斎の間から現れるリチャードのアパートをみたときの舞台でできることの全部乗せみたいになってきた...という慄きがちょっとある。50年代のローラが夫から押し付けられる家庭の幸福の象徴たるキッチンからクラリッサの家に、そしてはるか遠くを見るような目をしたヴァージニアがまるで時間の波間にそこを見つけたように合流する三重唱に涙ぐんでしまった。そういえばジャネット・ウィンターソンの『芸術と嘘』ではは全く接点のない3人の讃歌を『薔薇の騎士』の三重奏の楽譜を載せて表現してた。
『Hail Satan?』半笑いと顰蹙の対象だったSatanic TempleがHobby Lobby(創業者がガチガチのプロライフで従業員が受けるオバマケアの医薬品から避妊薬を除外することを求めて裁判に訴えたそして勝った)判決に対抗して声明を出したというニュースを伝えるMSNBCの記者の顔が完全に「やるじゃねえか」と言う顔で私も同じ顔でニヤついた。
今年英国のNTLiveで上映されるジェームズ・グレアム作『Best of Enemies』の原作ドキュメンタリーが、9日までMUBIで配信されてます。以前ネトフリで『好敵手:世紀のテレビ討論』という題で配信されていた作品。VPNを使わずに視聴できる貴重な機会だよ! 日本のNTLiveでも上映されるかもしれないし。
https://mubi.com/films/best-of-enemies
『Hail Satan?』MUBIで。「地方ニュースの件はこちらで良かったです?今度州議事堂前でSatanic Temple 主催の集会をするので... Satanicです。サムのSです。おっしABCの地方支局にも声かけたぞ。」という始まりからは想像できない不屈の市民精神で法を武器に政教分離の原則を取り戻そうとするめちゃくちゃ面白いそして自分の足元を振り返ってぞっとするドキュメンタリーだった。2/9まで。ばちこさんすきなんじゃないかな...
後で読もうと取っておいて忘れてたやつ。通勤電車で読んでたらちょっと悲劇だった。あらゆることで分断され話し合いさえ難しく思われる私達もこの島国にあふれるトンチキな村や町の名前には笑うことができる。Bell endなる地名を改名派と保護派で対立する村の話をジェイムスグラハムに書いてもらったらいいんじゃないか。
What a lovely reading experience. https://www.theguardian.com/science/2023/jan/21/next-stop-twatt-my-tour-of-britains-fantastically-filthy-placenames
筏