今現在大変な衝撃を受けているのですが、去年岩波少年文庫から発刊された『小さな手 ペティットおばさんの怪談』という英米の怪奇小説アンソロジー、表題作は以前創元推理文庫から平井呈一編・訳の『恐怖の愉しみ』下巻に収録された『一対の手』という短編の新訳なんです。訳は金原瑞人。
それでこれ平井版だと語り手兼主役のペティットさんは高齢の独身女性で、岩波少年文庫版では「ミセス・ル・ペティット」になってる。先ほど岩波版を初めて読んでえええ、と思い、『恐怖の愉しみ』が家に上巻しかなくて確認できなかったのですが、ネットで原文を探してみたところ「Miss Le Petyt」なんですよ。
……なんでこんなことするんだろう。新訳で若い人にも広く知られるのは素晴らしいことだけど、私は独身で幸せなまま年を取ったペティットさんのことが大好きで、物語にも一人である不安と喜びが両方ちりばめられているのに。これ物語の趣も全然違ってきちゃうじゃん。もう腹が立つ以前にすごく悲しい。
翻訳は平井呈一は古めかしさがあるけれど、闊達な語り口が素晴らしいしラスト一行の切れ味の鋭さに関しては金原訳は到底及びません。岩波がこんなことするなんで、本当に悲しい。
#読書
#マストドン読書部
#マストドン映画部 パリ、タクシー
きたないパリだ!!(きゃっきゃ)
あるおばあさんを老人ホームへ連れていく時に、どんどん寄り道をしてどんどんおしゃべりをして、世界を見つめ直すお話。
まあぶっちゃけマイ・インターン好きな人間にはこういうのもいいのではって思わせるストーリーなのだが、主人公もおばあさんも決して好感度をあげるような「人の良さ」を出すわけではない。
どっちかっていうと翻弄された人間の辛さとか苦しさのお話なのだが、それが上手く「立ち直れる未来」として描かれていくのが面白い。
エンディングに泣かされた。幸せにおなり。
#マストドン映画部 不思議の国の数学者
脱北者の清掃員さんに数学について教わる奨学金利用の高校生の物語。
これぞ王道の韓国映画っていう感じでもあったし、北朝鮮と韓国の交流の文脈はやはりこの国でしか扱えないのかもという気持ちもある。
数学の美しさと面白さは国がどこであれ、どんな時代であれ変わることがない。不変的なものなのである。
小川洋子が数学の美しさを度々語るのとこの作品はなにか通じるものがあると思った。ラストの美しさが言いようのない感動を作ってくれる。
#マストドン映画部 ザ・ホエール
これは翻訳小説にありそうな物語…… になったし、近年のアカデミー賞にのるスリービルボード、ミナリ、ノマドランドに並ぶタイプのお話と思ってしまった。
社会から確実に取りこぼされていく人間のお話。主人公の眼の潤みがとてもよかった。
#マストドン映画部 アラビアンナイト 三千年の誓い
これは映画館でみたんだけど感想書いてなくて、DVDレンタルしたからもう1回まじめに書くことにする。
マッドマックス怒りのデスロードから一転して静謐な物語。話を語るということがそのまま映画という枠にもかかってくる面白い作品だったと思う。
このふたりの恋愛は今までフィクションで描かれてきた「男女の変愛」とは違うところがあるんだけどお互いに納得したうえでのあの結末というのがいい。人間の在り方の肯定ともいえると思う。
主人公のホテルの無機質な感じと、物語の中の美麗な空間の対比もとてもよかったなー。イドリス・エルバの声がエコーする感じも。
#マストドン映画部
The killer/暗殺者 みた
Twitterで見かけたのは「奥さんに怒られないように子どもを守ろうとする映画」とのことだったけど、大体そういう映画だった。
おじさんにとって女子高生が常に「めんどうな性格してるけど守らなければならない対象」になっているのがよかった。
アクションのキレもよかったし、結構黒幕に驚かされた。ストーリーがうまい……。
愛する奥さんとのお話という意味では幸せのジョン・ウィックっぽい。
書いたー ほんとに悲しい事態になっているので良い方向に持って行けたらいいのだけど
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