兼業文筆歴14年目(数年中断期間あり)ですが、雑誌はまったく原稿料が上がらないですし、その値段で書いていること自体が専業をなりたたせなくしている加担行為なのでは?というのはずっと悩んでいることですね。
近い時期に活動し始めた英語圏のSFライターも、兼業者はおおむねやめてしまう。
たとえば、カナダのAidan Moherは2007年からSF&ファンタジー小説の書評を書き、ブログA Dribble of Inkでヒューゴー賞ファンジン部門を獲りました。
しかしその後、Moherは小説関係は単価が安すぎるためゲーム関係にのみライティングの守備範囲をしぼると公言します。
彼は昨年、日本のRPGについての単著を出しました。
https://aidanmoher.com/bibliography/
英国の医療ライターNiall Harrisonは、2000年代からSF・ファンタジー評論家として活動し、2010-2017年には国際SFF誌Strange Horizonsの編集長を務めましたが、その後、文芸活動を休止しました。
しかし今年5年ぶりにノンフィクションの書評を寄稿し、英国のSFイベントでもゲストをやるようなので復活するのかも。
昨夜はみんな大好きPhoebe Bridgersのライブに行きました。素晴らしかった。なんというか神がかっていて、上り調子のアーティストの輝きを目の当たりにした感じ。そりゃみんな彼女とコラボしたくなるよね。物語を感じさせるアートワークも抜群にセンスがいい。Phoebeの才能に惹かれてやはり才能ある人たちが集まるのだろうけれど、ライブの終わりにバンドメンバーだけでなくスタッフの名前も紹介していたのが印象的でした。
会場では普段わたしが行くようなライブとは違ってティーンエイジャーのグループが目につき、Phoebeが英語圏の若い子たちのロールモデルになっているのを感じました。わたしだって生まれ変わるなら彼女のようなミュージシャンになってみたいと思うくらいだものね。Boygeniousも来日したらいいな。
ところで先週行ったWet Legも(こちらも最高でした。オープニングアクトのChangcieもよかった)、Phoebeも、後半みんなでギャーーーーーとスクリームするシーンがありました。わたしは黙ってたけど。
大木芙沙子さんの『27番目の月』、とてもよかった。提供者のまめまめしさよ! 恩田陸さんの短編に、冷凍みかんが溶けたら……というお話があったのを思い出しました。提供者にわたしのようなズボラがいたら怖い怖い。
https://virtualgorillaplus.com/stories/nijunanabanmenotsuki/
私たちはもっと「自分の歴史」を大切にしたほうがいいのではないか。歴史は著名な人物のみによって形作られるわけではなく、無数かつ無名の”私たち”の日々の生活の積み重ねが、後世の人々からは「歴史」として認識されるのではないか。生存という抵抗の歴史を読めば、そこには必ず「私」がいる。
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*レターパックプラスの厚みなので発送は週明け月曜日以降になります
本書の企画元であるAHA![Archive for Human Activities /人類の営みのためのアーカイブ]と展覧会『わたしは思い出す』については以下リンク先より。
https://t.co/6mzJMBeBdy
英米文学翻訳者です。訳書/トム・リン『ミン・スーが犯した幾千もの罪』(集英社文庫)カリン・スローター『偽りの眼』(ハーパーBOOKS) ウィリアム・ボイル『わたしたちに手を出すな』(文春文庫)など。