↓Oradano明朝、素敵すぎて早速ダウンロードしてサンプル組んでしまった。
これでフリーフォントなんて偉大すぎる…
https://www.asahi-net.or.jp/~sd5a-ucd/freefonts/Oradano-Mincho/
ちなみに「アクト・オブ・キリング」は、虐殺事件の実行者達(社会的に成功して今なお安穏と暮らしている)に「あの虐殺を演じて映画にしてみませんか」と持ちかけ、彼らが実際に嬉々として映画を作る様子を追うドキュメンタリーで、色々な意味で正気の沙汰では無い物凄い作品です。予告編からして諸々だいぶえぐいけれども…
今は続編の「ルック・オブ・サイレンス」(「アクトオブ〜」の続編で、虐殺被害者の遺族の側から撮ったドキュメンタリー)ともどもアマプラで見られます。
https://www.youtube.com/watch?si=p9lDAZNonNGqDVar&v=Mu68nD5QqP0&feature=youtu.be
🎞オッペンハイマー
ストレンヂアが良すぎて帰りの電車の中でニコニコ笑いが止まらず、「このままでは今夜クールダウンできず眠れない」と思って、この高揚感と勢いでなければ見る元気が出ないだろう長尺「オッペンハイマー」も見て来た。
原爆の映画というよりは、綺麗な「神話的20世紀」の映画で、そういうものとしての完成度は高かったと思うけれど、原爆の実害の描写が、炭化した死体の幻を踏んづけるのと、誰かの皮膚がめくれたような描写(むしろフェイスパックを剥がしているみたいに見える)だけなの含め、だいぶ観念的な罪の物語で、だからやはり「綺麗な映画ですね」という感想しか無い。それに、天才だがナイーブな科学者像とか、添え物的な女性の描き方とか、政治と科学の世界の対立的な感じとか、どうも古臭いステレオタイプをなぞっている感じで、別に20世紀の話を20世紀の価値観で描かなくてもいいんだよ今は21世紀なんだから、という気持ちもどうしても抜けなかった。21世紀の今だからこそ距離感を持って20世紀があのように描けるようになったというのはわかるのだけれども。
正義のためと自分を納得させつつ罪の意識もというテーマだと、最近、インドネシアでの共産党員等の虐殺事件を扱った「アクト・オブ・キリング」を再見したばかりなので、ちと物足りなかった。
🎞ストレンヂア:無皇刃譚
2007年の映画だが、立川シネマシティで期間限定公開されているところ、「ハードボイルド時代劇で剣戟がカッコよくて明の刺客も出ますよ」とオススメされて見てきた。
とにかくテンポ良く音楽良く、殺陣がキレキレで、どんより沈んだ色調と背景美術が美しく、まあ主人公の少年が追われる理由の不老不死の仙薬回りは最後まで事情が飲み込めなかったけど、アクションのカッコ良さに全振りする作風ならOKかなということで、とても見応えのある傑作だった。実写だと余計な情報入ってごちゃごちゃするところ、アニメならではのシンプルさが効果を発揮している。
話の構造は、今二次創作を書いているDAHUFAとも共通する部分が多く、アクションに焦点を当てた脚本のまとまりの良さではストレンヂア、社会の構造をしっかり描くという点ではDAHUFAに軍配が上がるなと感じた。ストレンヂアでは庶民はあくまでも背景で、観客は自分から切り離されたものとして作品を楽しめるので。
https://www.youtube.com/watch?si=gOqh37Itwdlro0bT&v=aniMBlNX1LE&feature=youtu.be
【告知】
私が寄稿&編集のお手伝いをしている、宇月原晴明デビュー二十五周年記念合同誌『宇月原晴明のために』の詳細が出ました。
5/19の文学フリマ東京38にて頒布開始です。
執筆陣が大変に豪華で、読み応えたっぷりの内容になっています。宇月原晴明ファンは是非お手に取ってみて下さい!文フリ東京38での頒布後、通販も予定しております。
宇月原晴明作品を知らない方も、この機会に是非に。
https://twitter.com/utsukibara25th/status/1777678042137329968
エスプリエンボスのクモという紙がカッコいいなあ…と思いながら眺めていた。特殊紙を見ていると時間が溶けていけない。
https://www.orangekoubou.com/booklet/paper_C_emboss.php
🖌甥っ子小学校入学お祝い図書カード進捗。
甥っ子は恐竜が好きなので色々描こうと思ったけれども画力が足りず、どんどん種類が減りつつある。この週末に何とかしないとGW納期に間に合わないっぽいので、明日のテレッテレーもこの作業やってそう。
📙「総特集 佐藤史生:少女マンガが夢見た未来」
没後14年を経て、佐藤史生の特集が出るのも嬉しいし、坂田靖子先生のインタビューがあるのがとにかく楽しみ。思えば14年前も坂田靖子先生のホームページでの告知で亡くなられたことを知ったのでした。
佐藤史生は、私の最愛の漫画家、であり、最も影響を受けた作家のひとりでもあり。二大長編で行けば「夢みる惑星」が大好きだけれど(もう一方の「ワン・ゼロ」もすごくいいですよ。今の中国の3DCGで映画化して欲しい)、SFの傑作「やどり木」をはじめとする複合船シリーズ、理知的で飄々とした登場人物が特徴的な作風にあって、他方で「天界の城」「緑柱庭園」のような自覚的に理性を捨てて自滅の欲望に身を委ねる豪奢で退廃的な短編など、あげ出したら切りがない。リアルタイムで読んで難しくて理解できなかった晩年の作品(「心臓のない巨人」「魔術師さがし」など)を後年読み直したらすごく良かったのも懐かしい。常に時代の先を行く描き手だった。
https://www.amazon.co.jp/dp/4309257550?ref_=cm_sw_r_cp_ud_dp_A1067MFJMQM29M5MZTNQ
甥っ子が小学校へ入学するので、お祝いに図書カードでも送ろうかと思っていたら、フリーデザインのカードが作れるらしいことを知ったので、作ることにした。
イラレ勉強しなきゃ(実は使ったことない)
https://www.cardsupport.jp/original/freedesign.shtml
📗宇月原晴明『安徳天皇漂海記』
馬伯庸『両京十五日』の解説で鄭和さん関連図書として『廃帝綺譚』があげられていたので、そろそろ潮時とぽちったついでに前段(というか本編?)の本書もぽちりました。宇月原晴明作品は、デビュー作の『信長:あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』以来約四半世紀ぶり。(え?)
安徳帝と源実朝とマルコ・ポーロと南宋最後の少年皇帝趙昺とを高丘親王航海記の夢でつなぐ流離譚といった趣き。『信長〜』はとても面白かったけれども、何かの濃い原液みたいで読みづらかった印象がうっすら残っていたのだが、本作は薄いというのではなく、うまい具合に醸された清酒のようなさらさらした味わいで、とても読みやすいのが意外だった。参考文献が沢山あげられているのも良き。実朝関係と宋元関係の本が多い中に布石みたいにルイーズ・リヴァシーズ『中国が海を支配したとき:鄭和とその時代』が紛れ込んでいて、思わずにやりとしてしまった。『廃帝綺譚』も読もう。
https://www.chuko.co.jp/bunko/2009/01/205105.html
マキノヤヨイです。創作集団こるびたるの中のひと(もしくは外のひと)。ここは、主に創作活動のゼミ発表的な使われ方をしている場です。