読了した本を蔵書リストに登録する作業をしていて表紙を注視して気がついたんですけど――これ、タイトルの漢字フォント、欣喜堂の金陵書体じゃないですか…???カタカナの方は少なくともセットでついて来るフォントそのままじゃなさそうだけど…
金陵書体、明代の中国の刊本の文字を元にしている、私の最推し書体なんで、ぜひじっくり眺めてみてほしい…!
(私の水都百景録の二次創作本のタイトルや本文組んでいる書体です!!!)
「海月」後書き語り(2/n)
今回、書きながら「自分、もしかして固まらない茶碗蒸し作っちゃってる…?」とずっと心配だったが、一応固まっているのではないかと思えて来た。他の書き方はあると思うけど、この書き方だとこれ位の長さは必要だったのかも。
ちなみに今回事前に書いたメモは大体こんな感じ。プロットはなく、ほぼアイデア一発勝負だった。「笑府」で詩にも役人言葉を求めてしまって馬鹿にされている彼を馬鹿にしない書き方で書きたいという気持ちは最初からあった。
あとは4周年イベントを題材に書くことかとは自分でも思ったけど、江南/水都ならまあ全然ありだなと思って考えてみた「航海から帰って来ない人はどれぐらいいたのだろう」という疑問。『セルデンの中国地図』の著者ティモシー・ブルックの『フェルメールの帽子』によると、フェルメールの時代のオランダだと海外に行った人の3人に2人は帰ってこなかったらしいので(移住先に骨を埋めた人含むだけど)、15世紀前半の中国だとどうなのかと。宣徳帝が「あいつら暇してるから土木工事させとけ」と言った兵士の人数と軍団のフル定員の比率が大体1/2と1/3の間なのだけど、それを「帰国した兵士の人数」に援用できるのかは分からんしな…みたいなことをうだうだ考えたりはしていた。結局よく分からない。
「海月」後書き語り(1/n)
江南百景図4周年イベントで来てくれた肖含珠ちゃん、可愛いけどまあ人間の女の子じゃなくて海の妖怪なんです感が端々に漂っていて、じゃあ本性は何だろうと考えながら書いていた。水陸どちらもOKなので魚ではなさそう、賢いけど一本気で突っ走ってしまう感じ、これは民話だとヘビだな…ウミヘビ? ウミヘビかも!と思いついてウミヘビについて調べてみたり。沖縄で捕まえて燻製にして食べたりするエラブウミヘビはおとなしいけど、毒はハブの何十倍も強くて噛まれると結構死ぬらしい。多分、ウミヘビの姿で船倉に潜んでいたところ、酒の肴にしようとする不届き者が捕まえようとするので怒ってシャーして大騒ぎになって見つかるのではないかと思う。
なお、キャラ紹介の性格のところにある「古霊精怪」という形容は小青ちゃんの説明にもある。水都の訳だと「聡明で勘が鋭い」とあるが、「小鬼」とか「小悪魔」みたいなニュアンスなんだろうか。
※画像は江南のキャラ紹介の該当箇所スクショ。肖含珠も小青も可愛いのでついでに落書きした。
🗒特別展「文永の役750年 Part1:海底に眠るモンゴル襲来―水中考古学の世界」@國學院大学博物館
元寇の沈没船に関する展示ということで、ちょうど沈没した船に乗っていた書記の話を書いていたので見て来た。何もかも参考にならないものはないありがたさだが、船の復元模型が特に助かる。碇がでかい。巻き上げ機多数。梶もでかい。元軍と言っても滅ぼされた南宋軍が編入されていたので実際は当時の江南の船らしい。「南宋は喫茶の文化が栄えていたから船の中でお茶飲んでた軍人もいたかもね」とか解説にあった。バラスト材やかまど用にレンガをたくさん積んでいたらしい。「てつはう」はほぼ当時のクラスター爆弾(中に陶器片とか入れたらしい)で大変恐ろしい感じ。極めて機能的なデザインの硯もあって「書記いるやん!」と興奮したけど、よく見ると割れているし、ここに沈んでいるということは使っていた人もここで亡くなってしまったのだろうな…と悲しくなった。
ちなみに常設展の方も考古と神道(を中心とした日本の宗教と民俗)の展示がすごく充実し、明治以降の皇室関係の展示もあって(國學院は有栖川宮家と密接な関係があったそう)、日本文化に興味のある外国人観光客に紹介しまくりたい感じの大学博物館だった。
http://museum.kokugakuin.ac.jp/special_exhibition/detail/2024_mouko_pt1.html
お気に入りのメモアプリのBear、iCloudで同期させるために課金していたのにある日突然デスクトップでは起動しなくなってしまい、泣く泣く他のメモアプリを使い始めて地味にストレスを溜めていたのだが、デスクトップのアプリをアップロードしたらまた使えるようになったので戻って来た。やっぱり使いやすい。ストレスのない創作ライフばんざい。安くない額のサブスクなので、せっかくだからこの機会にアイコンの色とテーマを変えてみた。かわいい。
https://bear.app
マキノヤヨイです。創作集団こるびたるの中のひと(もしくは外のひと)。ここは、主に創作活動のゼミ発表的な使われ方をしている場です。