今井むつみ/秋田喜美『言語の本質』(中公新書)読了。オノマトペという、言葉の中でも特異な位置を占めるものの特徴を探ってゆくうち、子どもが言語を取得する上で欠かすことの出来ない重要なピースであることが示される。そこから発展して、言語取得に必要なもうひとつのピースが「アブダクション推論」であること、そして人間だけが数多い動物の中で唯一アブダクション推論を幼少期から身につけていることが明らかにされ、最終的には言語能力の取得に関する壮大なビジョンが見えてくる……。
「言語の本質」に至るまでの過程は、感動的ですらある。研究が進み確固たるものとして理論が証明されるまどには長い道のりがあるだろうけれど、感覚的には「これは本物っぽい」という印象を受ける。昔に読んだ古澤満氏の『不均衡進化論』と同じ種類のどきどき感だった。今井むつみ氏の本は、ちくまプリマー新書から出た『ことばの発達の謎を解く』以来だけれど、やっぱりおもしろい、いや素晴らしい研究だと思う。こんなのが手軽に読めるとは、何としあわせなことだろうか。
京浜急行電鉄株式会社が手がけたリノベーション不動産物件、その付加価値は鉄道ファン以外にも訴求力を発揮するのでしょうか……?
"共用部に鉄道業界初となる引退した鉄道車両の部品を利活用いたします。具体的には新たに設けた共用部の集会スペースやワークスペースのソファに車両の「座席」を使用するとともに、荷物を置く「網棚」を活用した飾り棚を設置いたします。さらに、ワークスペースの入室表示に「車側灯」、マンションの階数表示に「車両番号銘板」を使用いたします。"
https://www.keikyu.co.jp/company/news/2023/20230831HP_23040YM.html
Starship is stacked and ready to make its second launch attempt
During this test flight, Starship will carry no payloads.
買収先に雇用を確保させたんだ。西武・そごうのストライキは成功でしたね。
参加した方々、お疲れさまでした。
この号には、大野万紀さんの日本SF大会Sci-conレポート& 詳細レビュー:
『ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス』
結城充考『アブソルート・コールド』
日本SF作家クラブ編『AIとSF』
津田文夫さんのレビュー:
高野秀行『イラク水滸伝』
Jack Vance“This Is Me, Jack Vance ! (Or More Properly, This Is I)”[ヴァンス自伝!]
岡田暁生・片山杜秀『ごまかさないクラシック音楽』
笹本祐一『星の航海者Ⅰ 遠い旅人』
武石勝義『神獣夢望伝』
小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3』
高山羽根子『ドライブイン・真夜中』
高野史緖『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』
春暮康一『オーラリメイカー〔完全版〕』
新訳レイ・ブラッドベリ『何かが道をやってくる』
ジョン・スコルジー『怪獣保護協会』
宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』
『紙魚の手帳 GENESIS Vol.12』
(こちらにも「竜と沈黙する銀河」の感想が!)
が、ガッツリ掲載されています。すごい! 新人なのに箸休めポジションが定着しつつある(笑)木下の奮起が望まれますね!
THATTA Online 424号
https://www.thatta-online.com/thatta01/that424ix.htm
に、
・「竜と沈黙する銀河」阿部登龍(第14回創元SF短編賞受賞作)
・「ハンチバック」市川沙央(第169回芥川賞受賞作)
・宇宙シンポジウムin串本レポート(「スペースポート紀井」応援イベント)
の感想を載せていただきました。いささか突飛な取り合わせですが、いずれも強く推します! なにとぞ、ご一読を。
Conservative book ban push fuels library exodus from national association that stands up for books (AP)
https://apnews.com/article/library-book-ban-association-withdraw-7f5743a9e464433a745697f9111d7f6b
人種差別やLGBTQ+をテーマとした本を主なターゲットとして、性的な描写を含むという理由で、学校図書館や公共図書館の児童書・ヤングアダルト棚から排除する法律が成立した州の図書館が、アメリカ図書館協会(ALA)から脱退しつつある、という話の模様。
ALAは、当然こうした禁書には反対の姿勢を一貫して取っているし、
米国図書館協会(ALA)、LGBTQIA+の図書館職員への差別を非難する声明を発表(カレントアウェアネス・ポータル)
https://current.ndl.go.jp/car/192070
といった姿勢でもあり。
それに対して、州法に沿った運営を進めるために、そうした州法が成立した州では、独立した図書館専門家による運営から、州政府主導の運営形態に移行しつつある様子。
君たちはどう生きるか
素晴らしいアニメーションを二時間しっかり堪能しました。宮崎駿の世界でしたね。少年が主人公だったのもいい。少女を主人公に据えた時の宮崎駿の微妙な手つきが私は苦手。
しかしスタッフのクレジットがあまりに短くて驚いてしまった。あの少人数であの作画をやったのはすごい――と思ったら、会社でまとめてるのかな? もしもそうなら書いてあげようよ。
しかしさすがに『失われたものたちの物語』はクレジットしてあげたほうがいいと思う。イザナギやオルフェウのような神話の筋書きを現代の物語に昇格させたあの作品の骨組みがなければこの映画は作れなかったよ。
#文学フリマ大阪 に出店します。
遊びに来てねー😊
📅 9月10日(日)11時〜
🏢 OMMビル2F (谷町線・京阪天満橋駅直通)
ブース:E-03
📚 正井編『大阪SFアンソロジー:#OSAKA2045 』
📚 井上彼方編『京都SFアンソロジー:#ここに浮かぶ景色 』
他
⬇️ウェブカタログ⬇️
https://c.bunfree.net/c/osaka11/!/E/3
今週の日曜日9/10に #文学フリマ大阪 で Rikka Zine vol.1 ( https://rikka-zine.com/rikkazine1/ ) を売ります。確実にほしい方はご連絡いただければ取り置きいたします。第2刷はまもなく尽きます。
既刊だけで新刊はないのでフリーペーパーでも作ろうかと思っています(お題:今年度ヒューゴー賞ショートストーリー部門候補作レビューと分析とか?)
https://c.bunfree.net/c/osaka11/!/E/52
「人外(魔物妖怪、宇宙知性、ロボット)が人間と触れ合ううちにヒトの心を持つようになる」という展開がむかしからかなり苦手で、それはたぶんそこにマイノリティをマジョリティの価値観に矯正する構図を(勝手に)見てしまうからなんですが、だからこそフィクションにおいて「人間とは異質なもの」として描かれる存在が最後まで異質なままであると、とても救いを感じます(ソラリスとかもそう)
実はコピペレベルで一致する剽窃よりも厄介なのが、内容の盗み取り。
ある手記の内容を参考文献にも載せずに使った小説が芥川賞の候補作になり、当然ながら問題になった。書き直して参考文献を付けて単行本は出せたが文庫化もなく、次の著作は出せていない。
この件は新人作家が参考文献を正しく扱えなかったためでさが、それでも何を参照したのか作家はわかっていた。参考文献を付けて校閲を通せば、編集者は出版できる方法を見つけてくれたことでしょう。
しかし現行の生成AIでは参考文献も作れない。生成に関与したソースの出力がなければ、類似の事故は止められないんです。
依拠性があるとかないとか争う段階で作家生命は絶たれてるんですよね。生成AIの法を語る人たちはあまりに軽く考えてるんじゃないかな。
自作の参考文献を公開します。以下に加えて、いくつかのwebページを参考にしました。
*
竹内昌治、日比野愛子『培養肉とは何か?』岩波書店
ポール・シャピロ著、鈴木素子訳『クリーンミート 培養肉が世界を変える』日経BP
ジェイシー・リース著、井上太一訳『肉食の終わり:非動物性食品システム実現へのロードマップ』原書房
三浦英之『牙:アフリカゾウの「密猟組織」を追って』小学館
アラン・ソーントン、デイヴ・カリー著、内田昌之訳 『アフリカゾウを救え』草思社
堀内勝『ラクダの跡』第三書館
瀬谷ルミ子『職業は武装解除』朝日新聞出版
QT: https://fedibird.com/@abe_dragonslay/110871643638360565 [参照]
ヤンキー君と科学ごはん - 岡 叶 | となりのヤングジャンプ https://tonarinoyj.jp/episode/3270375685449569180
たまたま読んでみたら、取り上げる料理が基本ものが多いのが良い感じ。科学解説も分かりやすい。
悪意が登場しないので、読みやすい感じだけど、そのうち伏線回収する時に、一捻りあるかな?
SF読者、1965年生まれ
http://in-our-block.cocolog-nifty.com/koushin/