去年、道立女性センターで強制不妊についての講演を聴いたときに、北海道の手術実施数はもっとも多く、行政とか大学の精神科が主導していたと話してた。その先生は昔の資料を読み込んで、実際にどの医師がどの患者に不妊手術をするかを決める委員会にいたのかを調べてて、この大学のこの教室の出身者に多い、ということもわかっている、という話だった。
いま、その大学は自分たちが加担した人権侵害についてどのようにとらえているんだろう? 同じことを繰り返さないためにきちんと学生に教えているんだろうか。
精神科や婦人科は人権や差別や社会の問題に関わることが特に多そうだけど、人権と医療をべつべつに考えられるわけなくない?と思う。
(ちなみに「特例法違憲判決について、優生思想との関連は?」との質問も出た。参加者がたぶんけっこう勉強してるひとが多そうで、講義の内容がよくわからなかった)
とにかく良い判決であってほしい。
【書きました】
「ハッピー・プライド、と言っていられないかもしれないけれど」
私たちの存在は、そもそも人類が数千年の間で信じて疑わなかった、3つの神話・虚構に喧嘩を吹っかけているのです。
人間は必ず異性に欲情するという、異性愛規範の神話。人間は生まれてから死ぬまで決して性別が変わることがないという、シスジェンダー規範の神話。そして、男女が子どもを生み育てるために婚姻制度があるのだという、伝統的家族観の神話。
この3つの神話を社会が強固に信仰しているからこそ、私たちは受難してきたし、しているのです。
7月20日、『ノット・ライク・ディス』(藤高和輝著)の刊行記念トークイベントに登壇することになりました。ジュンク堂書店梅田店の会場参加のほかオンライン視聴もできます。
トランスジェンダーの身体経験を論じるうえで、そしてトランス排除的な言説の問題を考えるうえでもたいへん重要な書籍で、著者の藤高さんとお話しできるのが楽しみです。ご関心ある方はぜひ。
https://honto.jp/store/news/detail_041000098494.html?shgcd=HB300
DSDsは性的マイノリティと無関係だという文脈でネクスDSDが引用するオランダ社会研究所のレポートには、ネクスDSDが触れない内容も多くあるという、当事者と支援者による指摘。
Living with Intersex/DSD 翻訳プロジェクト2024
【新刊、予約受付中】
李琴峰の記念すべき第10単行本『言霊の幸う国で』で、書影公開&予約受付中!
書き下ろし1000枚の入魂の大長編。
私は自分を殺す覚悟でこの作品を書きました。
決して読んでいて楽しい作品ではありませんが、後世がこの時代を振り返り評価する際に参照しなければならない書物になると思います。
これは時代に打ち込む楔であり、歴史の法廷に提出する陳述書です。
社会的な問題を決して個人的な問題に矮小化しない、時代の記録にして、怒りの文学。
「そうですよね、文学で怒っていいんだ。文学シーンも社会。差別に抵抗し、みんなで仕事をするんだ。李さんが仕事をし続けてくれることは、すべてのマイノリティにとって希望になる!」
――山崎ナオコーラ(作家)
「記録せよ。記録せよ。記録せよ。私たちの生を。私たちの死を。私たちを憎むものらの醜い姿を。そして、私たちが何者であるかを。」
――高井ゆと里(哲学者)
なんかよくわからんけど、「若者のためにー」とかではなく、全年齢帯に給料と時間をもっとよこせ、と思った。
ノンバイナリー。北海道に住んでいる。野菜をたくさんたべる。SNS、もうわからない…