東京都の人口構成を考えて見ると、「新成人」が25%を超えたのが、4,5年前。現在では3割近いだろう(ただし投票権はない)。
この傾向は進みこそそれ、逆転することは当面ない(日本経済が壊滅すれば別)ので、すでに東京引いては日本で「外国人排除」は全く非現実的。というのも、底辺の労働は主に外国人に担ってもらっている状態になっているからだ。
さて、今回喫緊の焦点になっている40代女性(団塊Jr)だが、ここでも格差が著しい。
高卒で介護職を続けている人を底辺の一例とすると、この人達は体力的に働けるのは長くてあと10年。年金ももらえて月6万以下。しかし、この層は「政治」に完全に絶望しているので今回の選挙には来ない。
大卒で新規採用から外れ、非正規で仕事を繋いできた女性。この場合、奨学金返済もままならない。30代までは非正規故に「自由」という言説に同調していても、もうその「欺瞞」には気づいている。この人達は投票に来る可能性が高い。
これは30代女性でも同じ。小池支持が多いと言われているが、潜在的には40代と同じ不安を抱えている。
30代、40代女性はまだ人口が多い。ここに「奨学金肩代わり、正規を非正規に」というメッセージが届けば、繰り返すが逆転は可能なのである。
現在の欧州情勢、「複雑怪奇」かもしれませんが、ある程度30年代との類似性はあります。それは共に「世界資本主義の危機」を背景としているため。
1929年のWTの「クラッシュ」から発する「世界恐慌 Great Depression」の負の波及効果によって独では1933年にナチス・ドイツが政権を奪取。
これに対し、仏ではロマン・ロラン、アンドレ・ジッド、A.マルローら知識人が1932年には「反ファシズム」勢力の結集を訴えます。コミンテルンが「人民戦線」を採用したのは1935年。つまり仏の知識人の動きが先。
ただし、仏でも今日と同じく、「アカ」より「ファシズム」を志向する政治エリートも多く、特に大学生はー独と同じくー「ファシズム」支持多数。1934年にはナチスの政権奪取に意を強くした右翼が議会を襲撃する事件が起こります(この辺、トランプの米国と同じ)。
しかし左派も急激に巻き返し、36年の選挙で圧勝、ブルムを首班とする人民戦線内閣が成立。
ところが、政治エリート内部では「反ファシズム」の合意は共有されなかった。
純軍事的には優勢であった筈の1940年の「奇妙な敗北」はその結果。
今まさにマクロンが「奇妙な敗北」を招き入れるか、人民戦線の勝利か、歴史は反復していると言えるでしょう。
明日から新紙幣が世に出るんだっけか。
仏国民議会選の大敗を受け、アタル首相は失業手当の削減の停止を発表。
18-24歳の投票先は新人民戦線が48%、ルペン派33%、マクロン派9%です。
さて、ここで7日までに新人民戦線とマクロン中道が統一候補にこぎつければ、過半数を上回る可能性が高まります。
ところが、マクロン派のアタル首相は「統一」を呼びかけているものの、マクロンはルペン派のバルデラ首相指名の「用意」を表明して、支持者のみならず党からも猛反発され、現在、「もやもや」しながらの「統一」支持となっている。要するに「不透明な」状態が続いいている訳だ。
実際、マクロンをはじめウルトラ新自由主義を進めてきた政治エリートからすれば、「外向きに吠えてはいる」が「政策では新自由主義」のルペンの方が、メランションより「まし」なのである。
いずれにしてもマクロン与党、解散前から激減して第三党への転落は避けられない。
ここでフランスの政治文化の
「反ファシズム」統一戦線の伝統が優るのか、あるいは「服従しない左派」を排除したい政治エリートの思惑が功を奏するのか?
劇的なデッドヒートが7日まで続きます。
現在、北米でトランプ、南米でブルソナロを支えている「キリスト教原理主義」、ともにプロテスタント福音派。
逆にカトリック「原理主義」は存在しない。
というのも、カトリックでは15世紀位までは教皇や枢機卿、大司教などの高位聖職者も聖書を読まず、ローマ法を導入した教会法の専門家たちだった。
それに対し、プロテスタントの特徴は「聖書」の特権性を主張し、この聖なるテクストを「教会」という媒介を経ずに、個人(家長)が直接読む、という形式を生み出した。これがグーテンベルクの活版印刷と結びついて、教会以外の上層市民の家に聖書が置かれるようになったわけだ。
カトリックも1545年のトリエント公会議で「反宗教改革」の方針を確立、ある意味近代化との妥協をはかるが、やはりこの時点では信者が一人で「聖書」を読むのも禁じている。
つまり「聖なるテクスト」を個人で読むと「間違う」から。また多様な読みが氾濫し、分派が叢生した挙句組織が崩壊する。カトリックはそれを嫌った。
そのため、福音派のように、聖書、特に新約の福音書+黙示録を字義通り、「真実」とする暴走に歯止めがかかる。進化論否定もそこから出てくる。
逆にカトリックはその点は非常に柔軟であり、所属する科学者も多い。カトリック原理主義が出現しない一要因である。
科研費増やしてくれーという署名サイト。背景説明で、研究が時代に追い付いてなくて被引用数が低い…とか、若者が国内で研究者にならない…とか、カガクリッコクを脅かす諸状況が嘆かれているよ。
https://seikaren.org/news/16871.html
いやしかし、人文系にはそれすらも…という、昔から思っている怨念はある。とにかく貧乏な国なんですね。
何度でも繰り返しちゃうが、お茶菓子代に空き缶に溜めてた小銭を、若くて貧しい博士が生活費のために借用していたくらいだもの。
A qualified Psychiatrist, working in Tokyo.
love classical music, trout fishing and nature.
Never War.