「夜のなかを歩みとおすときに助けになるものは橋でも翼でもなく、友の足音だ」
(『ヴァルター・ベンヤミン著作集14 書簡I』晶文社、76頁)
独裁者に歪んだテクノクラートはいつも伴奏するか。
QT: https://fedibird.com/@knappertsbuch/113522093560641183 [参照]
「ペパーミント・キャンディー」のソル・ギョングが久々に出演したというTVドラマ「旋風」を見る。
「民主化」以降の韓国の政治の世界の権力闘争を描いたものだが、確かに、「ブルータスお前もか!」をはじめとして、カエサル、アウグストゥス時代の故事が時々引用される。
と同時に赤壁の戦いの諸葛孔明の策や「死せる孔明、生ける仲達を走らす」といった三国志演義由来の故事も以外に出てくる。
日本でも昔は三国志演義、かなり人口に膾炙しており、ある時期から漫画やゲームのアイコンとして若い世代にも受け継がれているとも仄聞していたが、学生に直接聞くとどうも違うらしい。
今の20代の若者はアイコンを三国志の「英雄豪傑」にするほどの「自信」はなく、それは「40代くらいまでの現象」というのだ。ふーむ。
しかし、よく使われる故事成語、第一に春秋戦国、第二に三国時代、と言われるほど「乱世」のものが多い。
グローバル時代に合わせてカエサルやアントニウス、キケロあるいはスキピオ、カトー、ファビウス(20世紀のフェビアン協会はファビウスの対ハンニバル戦略を意識して取られた)の故事の習得へと移行している訳でもない。
結局、いつもの故事成語・歴史の中等教育段階での習得の必要性に戻っていくのであるが、どうしたものか?
自分は超絶早寝早起き派だが、夜間に光を浴びるほど早死にする論文がPNASに。
わお。
夜型は良くないね、やはり。
先日の衆院選では、安部派と維新が大きく議席を減らし、牧原出東大先端研教授などは各種メディアで「中道保守の勝利」などとご自身が選対本部長であるかのように、嬉々として解説していた。
しかし、これは「甘すぎる」見方。実際には、西村、萩生田の安倍派の中核二人は当選。維新も議席を減らしたとは言え、大阪の小選挙区は全勝。
木庭顕さんは、先週木曜の朝日デジタルへの寄稿で、極右と闇の結託勢力は、中央権力の周辺から一時後退したことで、さらに過激化し、虎視眈々と反撃の機会を伺う力を温存している、としていたが私も同感である。
実際、今度の兵庫県知事選は、極右と闇の結託が、衆院選で動員した戦力を兵庫県知事選に特化・全力で振り向けた結果とも言える。
例えば、「あの」斎藤は街頭ではほとんど実質的な発言をせず、N国の立花が「斎藤を当選させるために立候補した」と見えを切りながら「陰謀論」を展開、百条委員会委員長の自宅に押しかけて脅迫演説を繰り返した。
同じことを斎藤本人が行っていたら、これは群衆もさすがに「白けて」お話にならなかっただろう。残念ながらこれが「ヒトの心」というものである。
それでも稲村さんの約100万票は前回の斎藤当選票より多い。むしろ健闘と言える。「ソーシャル」の線を強く打ち出せば楽に勝てただろう。 [参照]
GPIFの植田最高投資責任者が「特定の2証券会社のみ」に国債取引を独占させ、さらにうち一社の役員とは「証券会社時代の特別な人的関係」があったことから、GPIFの将来の投資行動に関する情報まで提供していたことが、監査報告で明らかになったと云ふ。
植田氏はゴールドマンサックス証券取締役を経て2010年にGPIF理事に就任。
この報道だけ聞けば、これは「インサイダー」取引にあたるとしか解釈できない。
しかもGPIFと言えば、世界最大の投資機関家であり、国内債券にその巨大資金の25%を投入している。となると、この取引を独占し、あまつさえ「インサイダー情報をも享受した証券会社が「濡れ手に粟」の巨万の利益を叩き出したことは容易に想像がつく。
老後年金のようなセーフティネットを「ギャンブル」に依存すること自体望ましくないのだが、この「ギャンブル」が不正に運用され外資が巨万の利益を得ていたとしたら、これは「大スキャンダル」である。
他方、物価と保険料は上がり続けるでは、「ルサンチマン」を抱えた大卒サラリーマンが「手取りを増やす」の不倫党首のデマにコロリ、あの「斎藤」の改革を支持、ともなる。
パワハラに関して言うとこの連中にとって被害者は「公務員」であって「内心」何の同情もないのだろう。
誇張ではなく、友岡さんが受けた受難はイエスに匹敵する。友岡さんの事を考えずにもうバッハは聴けない。
晩年、差し上げたガーディナーのカンタータ全集を一日一作品聴いておられた。https://music.apple.com/jp/album/st-matthew-passion-bwv-244-part-1-no-1-chorus-i-ii/251240562?i=251240568
昨日の兵庫県知事選、地域別得票率を見ると、都市部、特に人口の多い神戸市沿岸部で斎藤が稲村さんを圧倒。
ここは安倍派幹部・裏金議員の西村康稔元経産相の地盤でもあり、ボランティア500人をはじめとする資源を集中的に投下、維新・闇の勢力も復活を賭けて「ここをぞ限りに」ーN国の立花も含めてー結集した、ということだろう。
神戸市沿岸部は企業・大学も多く、当然人口だけでなく大卒の若年層も多い。従って、地方で負けても総合すれば僅差で勝利できた。
また維新が「公式に」擁立した清水は25万票、斎藤の4分の1以下。上山信一は「維新の票を斎藤さんに集結させましょう」と絶叫していたが、これもある程度実行されたようだ。
であるから、この選挙だけ見れば、まだ対応可能だったとも言える。
しかし、「中の中の解体」に伴うファシズム化の傾向は、世界的な趨勢でもあり、東京でも「あの」石丸がファシズム地域政党を立ち上げると宣言している。これはまず次の都知事選狙いだろう。
石丸個人は次の選挙までに「化けの皮が剥がれる」可能性が高いが、問題は「あの男」をプロデュースする勢力の資源の巨大さである。石丸がこければ、いくらでも「次」を出演させる。
これに対抗できるとすれば、「リベラル」ではなく「ソーシャル」しかない。
中井久夫先生が斉藤を是とするか?
QT: https://fedibird.com/@knappertsbuch/113501813501921893 [参照]
「荒野のリア王」木庭顕さんが、ついに「荒野」からお戻りになり、今週の「朝日」デジタルに16頁に及ぶ批評を寄稿している。
ここで木庭さんは「2013年体制」と呼ぶ「極右=ウルトラ・ネオリベラル」体制の起点を1980年代の土光臨調と国鉄解体に見る。この視点は私たちが1990年代に行った「80年代研究会」とその成果、例えば2000年の『現代思想』「ポストモダンとは何だっのか?」、あるいは2023年4月の『現代思想』三宅・大内対談「新自由主義下と教育とイデオロギー」とほぼ同じ。
また木庭さんは新自由主義的再編までの戦後日本体制を「利益集団多元主義」と呼ぶが、これは大企業及び、農協、日本医師会、特定郵便局長、各種業界団体などと自民党の利益調整政治を指す。
新自由主義的再編はこの「利益集団多元主義」さえも立ち行かなくする。例えば小泉による郵政解体などはその典型。
この再編以降の特徴として、木庭さんは、金融、軍事、デジタルの前景化を強調。勿論、統一教会と「反社」による「闇」の浸透も忘れていない。
最後に「希望」として語るのは「個人」をベースにした「連帯」、「新しい市民社会」である。
これは私が「世界史の中の戦後思想」で提唱した「21世紀の社会主義」と同じではないが、かなり重なる概念である。
悪夢の方がマシ。退職する県庁職員が激増するのでは。
https://news.yahoo.co.jp/articles/119e7223c596c65d625e68a7895b31dc5f684b41
おやおや、兵庫県知事選、「あの」斎藤が111万票、稲村さんが97万票とは、神戸新聞の予測通りの結果である。
SNS以外に500人のボランティア、「裏金」議員の西村康裕元経産省(安倍派幹部)の事務所も関与したそうだから、ある意味、維新・安倍派・それに木庭さんの言う「闇」の勢力が全力で資源投入した結果とまずは言えるだろう。
投票率は上がったとは言え50%台だから、主に大卒中心。20-40代は圧倒的に斎藤のようだ。
これは、「陰謀論」にコロリという「リテラシー」の問題ばかりとは言い切れない。何故と云うに、ヒトは「信じたい」ものを「信じる」傾向が厳然としてあるからだ。
現在従来の大卒「中の中」は急速に解体傾向にあり、「生活苦」は日に日に苦しくなりこそすれ、一向に好転の兆しはない。
そこで使い古された手ではあるが「既得権」打破を唱えれば、「既得権さえ打破してれくればやれる」と思い込む「焦る自己責任者」が「陰謀論」にうすうす気づきながらも、斎藤に投票した数字ではある。
というのも、報道が事実であるならば、さすがに「大卒」のプライドが斎藤支持を邪魔するからだ。
いずれによ、戦後体制は世界的にも崩壊しつつある。「ソーシャル」の言説と空間がなければ、圧倒的に「ファシズム」が有利だろう。
A qualified Psychiatrist, working in Tokyo.
love classical music, trout fishing and nature.
Never War.