今年のラムダ文学賞トランスジェンダーノンフィクション部門受賞作を取り寄せてみたら、辞書みたいに分厚い自伝グラフィックノベルだったよ。
タイトル『The Third Person』
著者 Emma Grove
出版社 Drawn & Quarterly
『結晶するプリズム 翻訳クィアSFアンソロジー』無料公開が始まりました。わたしはゲイブ・カルデロンさんの「アンドワニカドジガン」の翻訳で参加しています。プライド月間無料公開実現をサポートしてくださったみなさん、ありがとうございました!
さっと各作品の訳文のスタイルだけ見ても、すごい幅にびっくりするかもしれません。訳者が作品に浸り、訳者同士がときに一緒に考えながら届けたかった作品たちをぜひ読んでみてください。なにか感じてもらえることがあったら幸いです。
〈最新訳書〉絵本『リトルブルー ちいさなあおいトラック』(アリス・シャートル 文 ジル・マケルマリー 絵 出版ワークス)の翻訳を担当しました。(6月刊行予定。各書店、ネットショップ予約受付中!)
来月に1巻が出て、今年中にシリーズ5冊刊行の予定です。
1冊目はリトルブルーが、ダンプトラックをたすけるおはなし。
たのしい動物のなかまもたくさん登場します。
くるまに興味を持ちだす年頃から、くるまが大好きな子供まで楽しんでいただけると思います。
読み聞かせのしやすさを重視して翻訳したので、いそがしくて読み聞かせを負担に感じている人にもぜひ、手に取ってもいただきたいです。
わたしにも4歳と7歳の子供がいますが、4歳の子はとくにこのシリーズの絵本が大好きです。
読み聞かせ、または贈り物にぜひご検討ください!
https://spn-works.com/book/little-blue-truck-1/
来月刊行です。
The Warrior Girl Unearthed by Angeline Boulley
ミシェルオバマの映像制作会社によるドラマ化が決定しているベストセラー小説『Firekeeper’s Daughter』の続編。主人公は一作目のドナスの姪っ子、ペリー・ファイヤーキーパー・バーチ。
釣り好きで学校嫌いな北米先住民アニシナベの高校生ペリーが、ひょんなことから博物館でインターンとして働くことになり、自分の先祖のご遺骨が施設に閉じ込められていることを知る。なかでも「少女戦士」と呼ばれるご遺骨に強いつながりを感じ、どうにかしてコミュニティに連れ戻して埋葬できないか模索を始める。
彼女のご遺骨を取り戻そうとする試みと、先住民女性を標的とする犯罪が重なり合い、ペリーの大切な人たちに危険が迫る。
アニシナベ語を多く用い(注釈もないものが多い)アニシナベの人たちのために書いた物語であることがビシビシ伝わってくる。同時にご遺骨返還のプロセスや法手続きなどは詳しく説明している。
アンジェライン・ブーリーの文体自体はそこまで惹かれないけれど、ストーリーテリングがすごくうまくて好き。次が絶対あるので待ち遠しいです。
アイヌのご遺骨返還についての記事: