ケイト・ウィルヘルム「アンナの手紙」(日本版オムニ1988年11月号/厚木淳訳)読んだ。
爆発事故に遭い、以後消息を絶った研究者の足どりを追うべく、筆跡鑑定士の主人公はある女性の手紙を読み解いていく。すると奇妙な事実が浮かび上がってきて……。
オチをちょっと割っちゃうことになるけど、まさかの時間SF的な決着! ヤング「たんぽぽ娘」的なやつですね。
若干必然性が弱い気がするが、女性の筆跡に引き込まれていく主人公の心理描写がサスペンスフルで巧み。
1988年のネビュラ賞受賞作。
【告知】次のSFマガジン(2月24日売り)にジョン・ウィズウェル「幽霊屋敷のオープンハウス」の翻訳が載ります!
2021年のネビュラ賞受賞作で、ヒューゴー・ローカス・世界幻想文学大賞にもそれぞれノミネート。めっちゃ評価高い作品です。
扉絵はYOUCHANさん。
筋書きとしては、前の住人の死から長年空き家になっていた屋敷でオープンハウスが行われ、そこに新しい家を探す父娘がやってくるのですが、そこは実は幽霊屋敷で……。という感じ。
とはいえホラーにはなりません。めっちゃいい話です。泣ける……かも。
ぜひご一読を〜!
【祝】ジョン・スラデック『チク・タク×10』(竹書房文庫)がSFが読みたい!2024年版[海外篇]の第1位となりました!
竹書房からは初の1位ということもあり、それも含めて嬉しいです!
投票してくださったみなさんありがとうございました!!
それにともなって、『SFが読みたい!2024年版』では竹書房の水上志郎さんを聞き手にした鯨井久志インタビューと、鯨井監修によるジョン・スラデック邦訳作品全レビュー(鯨井、坂永雄一、白川眞、林哲矢、伴名練、鷲羽巧。敬称略)が掲載されています。
そちらもよろしく。
Podcast「こんなん読みましたけど」更新しました。7ヶ月ぶりです……。9月に行ったジョン・スラデック『チク・タク×10』刊行記念・スペース公開収録の模様を再編集してお届け。
京大SF研の会誌『WORKBOOK118 京フェス特集号』では、橋本輝幸さんとの講演者インタビューのほか、関連作品レビューとして鯨井の訳したM・ショウ「孤独の治療法」とジョン・スラデック『チク・タク×10』のレビューを掲載いただいてます。それぞれ書き手は昏月鯉影さん、茂木英世さんです。ありがとうございます!
BOOTHで通販もやっているようなのでぜひ。
文学フリマ東京でご好評いただき会場持ち込み分完売した新刊ですが、BOOTHでの通販も開始となりました。遠方の方、買えなかった方など、ぜひこの機会に。
カモガワGブックスVol.4 特集:世界文学/奇想短編 | カモガワ編集室 https://hanfpen.booth.pm/items/5119726 #booth_pm
Twitterの方で告知が出たようなので。
今年の京フェスでSF書評家の橋本輝幸さんとお話させていただきます。橋本さんのことは海外SF紹介での師匠筋だと勝手に思っているので、今回対談の機会をいただいて光栄です。どうぞよろしく。
12月2日、オンライン開催(無料)です。
岩波文庫からJ・L・ボルヘス/内田兆史・鼓 直訳『シェイクスピアの記憶』!
ボルヘス唯一の未訳短篇だった「シェイクスピアの記憶」がついに邦訳されるんですか……。本作に関する記事を昔書きました。
カモガワ奇想短編グランプリの大賞および優秀賞を発表しました。
鯨井久志。翻訳・書評・ときどき精神科医。SFとラテンアメリカ文学とお笑いが好き。サークル「カモガワ編集室」主宰。ジョン・スラデック『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』(竹書房文庫)好評発売中。 Hisashi Kujirai /translator, reviewer