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キャサリン・レイシー『ピュウ』(岩波書店/井上里 訳)すごくよかった。
身元不明、記憶も曖昧な語り手を通して浮かび上がるコミュニティ(描かれるのはアメリカ南部だが)の排他性や分断。ル・グィン「オメラスから歩み去る人々」が冒頭に引用されていることから、語り手がオメラスで犠牲になった子どもである可能性が示唆される。本書は「オメラス」のその後を、逃れようにも逃れきれない自分という名の牢獄を描いたものだと言えるかもしれない。

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