ちなみにその答えは「本が好き!!みたいなわけではない人は、知っている本が1冊もない(と感じてしまう)本屋からはすぐに出ていってしまうから=文庫にはいわゆる「定番本」がたくさんあり、本をたくさん読んでいるわけではない人でも知っている本が必ずあるし、仮に売れなくて棚に残りつづけていても安価なので仕入れロスの痛みが少ないから」です。梨木香歩の『西の魔女が死んだ』とか夏目漱石の『こゝろ』とか、なんだかんだみんな知ってるんですよね。そして夏になると実際に売れる。夏休みの課題図書的なあれを思い出すんでしょうね。
これ、もう少し解説すると、文庫フェアは「目立たせる」のが目的であるからこそ逆にフェア内の単体の本は埋没してしまうんですよね。大きいエンド台に何十点も本が並んでいれば、当然ひとつひとつの本は存在感が薄くなる。逆に、通常の文庫棚の中に真っ白い背の本が挿さっていたら目立つ。あと、ふだんあまり本を読まない人=本屋にもあまり来ない人は、本屋の物理的?構造にも疎く、フェア台よりも文庫棚の著者一覧的なものに真っ先に向かう傾向があるからです(くわえて「本=文庫(のサイズのアレ)」というイメージも持っていたりする......がゆえに文庫と単行本を勘違いした問い合わせも頻発するので、刊行されたばっかの本でも「○○という人の文庫が」という内容の問い合わせが来たりする)。
@gucchi_penguin 読みたいですー!文庫本のサイズ感が好きです。手にちょうどよく収まって、中身はぎっしり、みたいな。子どもの頃は「大人の本」と思っていて、背伸びして手に取ったりしてました。手に収まるサイズ大事です。
@bitter100 子どもの頃は特に本に興味もなかったので、そもそも単行本と文庫という区別/概念すらなかったですね......笑
@gucchi_penguin 夫が単行本ばかり買ってくるので「保管に困る!」と思ってました^^;
さらにちなむと、『こゝろ』は新潮文庫版の、特に夏の文庫フェア時に作られる真っ白な特別カバーのものがよく売れます。通常の新潮文庫版はえんじ色?赤色?のもので統一されていて、それが並ぶ棚に真っ白い背の特別カバー版を挿しておくと、目立つからかよく手に取られます。なんなら面陳になってるフェア台よりもよく売れる。だからフェア終了後にはすぐに返品しないで、棚挿し用にちょっととっておいたりする。こういうのはチェーン店での勤務経験がないとわからないことだったりするので、共有知として広めていきたい。という目的で作るZINE。