木原音瀬作品は発表媒体によって物語の行く末閉じ方に基準があるんじゃないかというのはたとえばBL「甘い生活」と一般文芸「Love Cemetery」でのそれぞれの児童性加害の描き方の違いから感じられると思ってて… 「悪行への報い」めいたものはBL作品ではあくまで主人公二人の間で私的な「愛」の枠内で取り交わされるけれど、一般文芸ジャンルで発表される場合人物を取り巻く「社会」のレンジが広く「そんな悪行『愛』でなんとかできるわけねえだろ」という視点がよりシビアに入ってくるというか…読者に対する誠実さの示し方に性質の違いがあるように思う
本編完結まで追っかけたけどなんとも言えん嫌さがどうにも解消されない苦しいばかりの内容で抑圧と解放のセットとしてのカタルシスのない「どんなにめちゃくちゃでもまあ普通人生ってそのまんま続くよね」的な終わり方だったな 書籍化の際の書き下ろし部分で救いがあってほしい