読了 今村夏子/星の子
宗教にのめり込んでいく両親と姉妹の物語。
妹が虚弱体質で父親の同僚が勧めてきた神聖な水を使った結果、みるみる体調が良くなってしまったために、その宗教にハマっていく。
お姉ちゃんは子供ながらによくやった!と思う。
高校生になった姉の手に関する描写は読んでいてハッとさせられた。
名文だと思う。
あとがきに小川洋子さんとの対談があり、そこでも小川さんが触れていた。
中学に赴任して来る男性教師が一番ヒール役となり良い存在感だったなあ。
最後のシーン、対談で「いい終わり方で感動した、などポジティブな感想が届いた」とあったが 嘘だろ!?気味悪さと不穏さしか感じなかったぞ!? と思った。
今村さん自身も驚いたそうな。
・気配は本当に気のせいだったの…?
・家族の距離感近すぎない?
・極寒の中、帰ろうとしない両親、眠気が来る描写、不穏だ
信仰の自由があるとはいえ、この家庭は立派な虐待があるなと思った。
今村夏子読んでて妙にしっくり来るというか、好きな不穏さ歪さだなー、と思えたのは少し村田沙耶香作品に似てるものがあるからか?
2人とも個人的にとてつもなく刺さる"良さ"があるんだよなあ。
これを振り切ると五十嵐貴久のRIKAシリーズが無性に恋しくなる。
そしてシリーズ新刊に思いを馳せる…
読了 今村夏子/むらさきのスカートの女
読了 ミヒャエル・エンデ/モモ
ここまで深い物語とは思わなかった。
子供の頃、姉弟共有の本棚に単行本のモモがあったものの読んだ記憶がなく、20代真ん中あたりから読みたい欲が湧き始めやっと読めた。
モモが作られた時代よりも更に便利になり、更に人から余裕と時間がなくなっている現代。
現代の大人に読んでほしい1冊な気がする。
子供はつまらなかったら途中で飽きる、だから薄っぺらい嘘やごまかしの入った物語では良くない、故に優れた児童書は大人が読んでも面白い 的なことがよく言われるけどまさにそれを体現した作品だな、と痛感した。
子供の頃に読んでいたらどう捉えていただろう、と思ったけど、時間は大切なんだな、ちょっと不思議でファンタジックな世界観での冒険譚面白いな、くらいにしか捉えられなさそう。
真に刺さるのは、忙しさにぶん回されている現代の大人たちではなかろうか。
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ぼちぼち寝てみる
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双極性障害(うつ型)とパニック障害、腰椎椎間板ヘルニアで闘病中の男です。
読書が趣味です。
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