FIYAH誌の2024年10月号のテーマが、Spacefaring Aunties(宇宙を旅するおばちゃんたち)なので楽しみにしています。
まだ目次と表紙がInstagramにしかない→
https://www.instagram.com/p/C_ZSn8VSykF/?igsh=MWwwaTVhZHJ6Nnl2Ng==
いい感じの中年のロールモデルやアイコンがいまだに少ないのではないかとふと思う。
中年の魅力が、フケ専やら熟女やら性的な嗜好の方面でしか開拓が十分ではない。あるいは、家庭や仕事に対する責任とその果たしかたに価値の焦点が当たりすぎている。
性的ではなく、社会へのコミットで評価されるわけでもない中年の魅力だってあるはずなのですが。
安全な成人男性(主に30~40代)の表象としてのミッドチークラインがあると思うんですよ。
ただこれ、俺の顔にもガキの頃から左にあって、上手く言えないけどこのラインが自分の顔、肉体を構成する上で好きな所でもあるので、セルフ受肉しようとした時にもイラストに入れてたんだけど、自分が持ってる身体的特徴が記号化されて文脈を付与されて便利に使われると、けっこう嫌な気分がする。
あとルッキズムから解放されたい、抑圧的でないとか、そういうことを考えてデザインすると、現実の自分の肉体や嗜好するファッションの否定につながりそうな、しかし俺にとってはバーチャルな世界もSNSアイコンもプレイヤーキャラクターも常に自分(の分身やアバターやペルソナ)なので、それをデザインの犠牲にしたくない。
容姿は自分の意思でどうにかなる部分とそうでない部分があって、どうにかできない所はもとより、どうにかできる部分についても、人のジャッジを許容するものではないし、しかしそれはバーチャルの世界では、自分の意図したものしか線として表れないから、常に意図を勘繰られる。が、これは俺にとって現実と不可分なために入れただけで、意図の無いミッドチークラインなんですよと。
やや話題が逸れますが、もう少しVRC体験者としてのコメントを。
-私は女性っぽいアバターや小柄なアバターに対しては、無意識にかばう行動を取りがちでした。脅威にならないように目線や口調を気にしたり、なるべくユーモアを交えて話したりもします。
-これは驕りやエリート意識っぽくもあるので、要警戒だと思いました(他人の意識や主体性を無視して、アバターの見かけに対して発揮しているので)
-なぜ上記に気づいたかといえば、現実の社会生活よりずっと長時間いわば“紳士モード”に入っているのに気づいたからです。
-規範意識がしみついている。学生時代〜社会人生活に他の人をリードする役につけられることが多かったことや、それなりに身長体重があることが、自動的にふるまいを制御しているわけです。
-これを形容するなら紳士モードか王子様モードだと思いますが、そうジェンダー化するのも本意ではないです。
-私はいわば、ちいかわではなく、でかつよという意識で生きているし、その意識が強すぎてちいかわなアバターを選べもしないのだ!という発見。ジェンダー化を避けるなら、でかつよモードと言うしかないかもしれません。あるいは委員長モードが牧羊犬モード。
BT かわいい空間にはかわいいキャラを、みたいな心理は分からなくもないけど、自分のリアルな容姿(とか男キャラとか)はかわいい空間に相応しくなくて「美少女」こそが相応しいんだ、みたいに思わされてるとしたら悲しいよね…。それは社会のジェンダー規範から逃れられてないし、まさにジェンダー規範をそのままなぞって再生産してるだけなのに。
男性ジェンダーへのプレッシャーから逃れるために女性アバターを使う説は、そういう意味でも変なんよね。その行為って男性ジェンダーへの社会規範を自分の中でさらに強固なものにするだけだから余計つらくない?って思う。
私は低年齢男女アイドル(の低年齢さをありがたがる風潮)が苦手ですし、なぜひろゆきや青識や暇空はかわいいアイコンなのか問題はちょっと考えたほうがいいとは思うのですけれども。
成人男性アバターを選択すると、マッチョにはまさにマッチョイズムや威圧感の問題が出てきて、イケメンにするとチャラさやナンパ師っぽさが出てくる気はします。
ヒゲの紳士〜おじいさんのアバターを選ぶ男性の知り合いが(実年齢が若くても)ちらほらいるのはそういう配慮の末ではという気がします。動物やロボ、無機物もそういうややこしさから自由です。
海外の人でYOYOGIMORI製の美青年 ( https://yoyogi-mori.booth.pm/items/2482022 ) を着ていた男性も見かけましたが、日本語圏では女性のほうが美青年を着ている人が多かった印象があります。選択にも見えない規範やタブーがある。
VRChatterが男女国籍問わず美少女アバターが多めな理由、きれいな風景やかわいい内装や服やアクセサリー、楽しい遊具に合わせたいと思う姿がそれというのがありそう。
必ずしも“好きなヒロイン像”や性的な対象ではないと思います。また、少女っぽいアバターでも中性や少年という解釈で使っている人もいます。
当事者ではない(私のアバターはアイコンの鹿です)自分がいうのもなんですが、バービーやリカちゃんやシルバニアの家に置くべきものはこれ、みたいな感覚もあるんじゃないかなと。
なお、異性アバターを使う理由に対する大規模アンケートを取っている人たちがいますが、これだけでは「アバターの外見が好み」のニュアンスはあまりわからないです。
https://note.com/nemchan_nel/n/n167e77d78711
川を越えてファミレスに行きます。本を読み、文を書くために……
英国ノース・ヨークシャーのヨークに住んでいた鴨、故Long Boiの彫像がお披露目されたそうです。
https://www.bbc.com/news/articles/cg4q14w34weo
笑うゾウアザラシや穴にハマったリス コメディー野生動物写真賞、候補作発表(2024.09.27, CNN)
https://www.cnn.co.jp/fringe/35224354.html
動物の擬人化はちょっとなーと思う気持ちと、それはそれとしておもしろフォトはおもしろいという正直な気持ちが併存する。
補足するとイタリア人SF編集者のフランチェスコ・ヴァルソさんは世界SFのレーベルをやっていて、マジで世界各地のSFをイタリア語&英語で出しています。
今回の公募では、既刊や近刊予定の言語圏を中心に投稿を受け付けるのだと思います。
(お名前に見覚えがあります? 『ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス』(竹書房文庫)の編者のお一人ですよ)
https://www.futurefiction.org/?lang=en
知り合いのイタリア人SF編集者と知り合いのベンガル語SF編集者&作家がタッグを組み、Jugaad SFアンソロジーを作ろうとしています。
Jugaadとはインドの“革新的創意工夫”みたいな概念だそうです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ジュガール
公募採用作は電子書籍と紙版に【英語とイタリア語】で掲載されます。なんと日本語での投稿も可能です。しめきりは12月末。
文字数制限は、3000wordsから6000wordsなので日本語だと6000字から12000字です。報酬は40ユーロです。
詳しい要項やコンセプトはリンク先のFB投稿を見てください。見られなかったり、英語の意味がわからなかったりした人はご相談ください。
https://www.facebook.com/100002150479621/posts/7945397762208494/
会社員ときどき文筆業。
Japanese SFF book reviewer & anthologist