Jean Halpérinの編纂したActes du XXXVIIe Colloque des intellectuels juifs de langue françaiseを読んでいる。総テーマは"Comment vivre ensemble ?"。2001年、パリ。デリダが登壇して"Leçon"という講演をし〈共生〉をめぐる原則的な数々のアポリアを挙げている。原理的な思索だがいまこの状況でも考え方のひとつの指針となる。
パレスチナとイスラエルの対話と非暴力の実践を医療の現場から報告したDaniel Halpérinと医師の講演が切実だった。
こうした長年の平和的な努力の蓄積が「法の行使や、いわゆる人道的行動でさえも、不正な戦略や偽装された政策に従わせることになる、国際法を悪用する勢力や陣営、経済大国、あるいは国民国家」(同書のデリダの表現)で破壊されていることを考える。
本書が刊行されてから20年が経ったというのに。
なお、ダニエル・アルペランはスイスの小児科医。ジュネーブ大学病院(HUG)の暴力防止学際的コンサルテーション・サービスの責任者。専門は暴力、特に家庭内暴力と子どもに対する暴力の予防と治療とのこと(perplexityでの検索による)。
別な講演者が指摘していたマルチン・ブーバー『ユートピアへの径』を古書で購入。本書は、「サン=シモン、フーリエからキブツ、マルクス、レーニンを経て、近代社会主義の歴史をたどる旅から始まる。ブーバーが好むのは、プルードン、クロポトキン、そしてとりわけグスといった自由主義的社会主義である」とのこと。