そういえば、たまにSFである「動物の脳を集めて作ったコンピューター」って、やっぱり種ごとにスペックというか得手不得手の違いが生じると思うんだけれど、それならそれぞれの種の神経細胞を培養して作った脳オルガノイド基盤のコンピューターだったらどうなんだろう
同じ大きさでも使われる神経細胞の元の種が違うことで、得手不得手とかに違いが出るのなら、それは脳の違いというより神経細胞の差異を拡大したようなものにならないだろうか?
素人考えだけれど、「動物の脳をそのまま使ったコンピューター」なら動物染みた挙動が期待できそうな一方で、神経細胞の培養によってできたコンピューターなら脳という器官と構成が異なるわけだし、元の動物の反応を再現するのは難しそうだし、演算のさせかたも別のアプローチが必要になりそうな気が
【お知らせ】
Kaguya Planetのリニューアルに伴い、メンテナンスのために閉鎖していたKaguya Booksのサイトを復旧いたしました。
好評発売中の『野球SF傑作選』や、7月13日刊行の『Kaguya Planet vol.2 パレスチナ』など、Kaguya Booksを今後もよろしくお願いいたします。
https://books.kaguya-sf.com/
海洋惑星に知性が存在するっぽいので色んな反応を試してみたら、どうもコミュニケーションが可能っぽいものの話がその時々で食い違う
ひょっとして異なる人格を持っているのではという疑いから潮流や潮汐によって人格が変わる説が提唱されるがコミュニケーションはうまくいかない
そんな時に惑星内の生物調査をしているチームから連絡が
なんか生き物の動きに規則性があるような…?
調べた結果わかったのはこの惑星、覆っている海とそこに暮らす生物による生態系が別々に知性を持っており、コミュニケーションが食い違うのはそれぞれ方法が違うからだったのだ
というわけでこのままにしておくべきか人格統合を望むか当の本人に聞くことに
それの出した答えは…
タイトルをつけるなら「デュアルフェイスの惑星」で
永田礼路先生の描かれた「メランコリック・ダイバーの浮上」を読了…侵襲型のインターフェースによる精神病理の寛解や、脳機能の向上、そのメリットとデメリットを感じることのできる、希望と警句が混じった傑作SFだった
作中の人間らしいある人物から終盤に語られる言葉が印象的
https://neu-world.link/posts/Z-mACm2o
東京の水族館で行われていたある実験の最中に、研究員が意識を失う事故が発生。京都でも実施予定だった実験も中止の連絡が入る。その内容は、「ペンギンの脳に特殊な装置で接続し、彼らが仲間とどんなコミュニケーションを取り、どう世界を見ているか調べる」ものだった。
好奇心に負け、翌朝撤収予定の装置を勝手に使い、水槽のペンギンと接続した研究員。しかしペンギンの精神はあまりに異質で、あまりに広大だった。そう、ペンギンは装置に使われているのと同じ脳の作用で、巨大な集合知性と化しており、複雑な個体間関係も、生存に伴うひとり芝居でしかなかったのだ。
驚愕する研究員だったが、好奇心に負けた彼の脳はネットワークの一部として取り込まれる。いつしかこの地球上で最も繁栄している種、ヒトという種全体をネットワークに取り込むために…。ひと月後、飼育員見習いとなった元研究員は、ペンギンの世話が上手だし懐かれているとして正規採用を打診される。
「この子達とは、なんだか通じ合うものがある気がしますね」と、ペンギンたちの世話をしながら笑みを浮かべる彼。水槽の片隅にあったペンギンの相関図は今年の分に張り替えられ、そこには彼の写真も貼られ、ペンギンとの相関を示す矢印まで表示されていた。 まるで群れの一員のように。
I love biology(ichthyology etc.), aquarium, speculative evolution, science fiction and furry(kemono).
生物学(魚類学など)、水族館、思弁進化、SF、ケモノ(ファーリー)が好きです
ちょっと文章も書きます