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琴柱遥先生の「枝角の冠」読了
冬の野山に乾いた血の匂いが漂うような雰囲気の作品
父たちのビジュアルや生態が効果的に描写されていて、2つの世界で揺れ動く主人公含め、美しい物語だった
ラストは主人公が教えられたあの言葉を反映して、ってことだろうな

電子書籍で買った溝渕久美子先生の創元SF短編賞受賞作「神の豚」を読了
凄い…これが大賞の実力…!
あらすじだけ見ると少し不思議な穏やかな話、かと思いきや、舞台となる台湾の文化や現在過去未来、そこに生きる人々やアイデンティティが、謎の子豚と神猪のお祭りを通して交錯する人生の物語だった

とりゅう先生の「竜と沈黙する銀河」を買わないと…でも「枝角の冠」も「コズミック・アルケミスト」も「我らは群れ」もほしいのだ…

稲田一声先生の創元SF受賞作掲載+阿部登龍先生の「狼を装う」なる新作が載ると聞いて紙魚の手帳が急激に欲しくなってる

やめろ、やめてくれ
俺は今月銀河風帆走と一億年のテレスコープを買わなきゃいけないし、9月頭には関東に行くんだ…

というわけで今日は「2084年のSF」より
「かえるのからだのかたち」
「混沌を掻き回す」
を、
「地球へのSF」より
「クレオータ 時間軸上に拡張された保存則」
「持ち出し許可」
「鮭はどこに消えた?」
「竜は災いに棲みつく」
「ソイルメイカーは歩みを止めない」
「砂を渡る男」
を読んでおりました

どれも素晴らしい…

そういえば、たまにSFである「動物の脳を集めて作ったコンピューター」って、やっぱり種ごとにスペックというか得手不得手の違いが生じると思うんだけれど、それならそれぞれの種の神経細胞を培養して作った脳オルガノイド基盤のコンピューターだったらどうなんだろう

同じ大きさでも使われる神経細胞の元の種が違うことで、得手不得手とかに違いが出るのなら、それは脳の違いというより神経細胞の差異を拡大したようなものにならないだろうか?

素人考えだけれど、「動物の脳をそのまま使ったコンピューター」なら動物染みた挙動が期待できそうな一方で、神経細胞の培養によってできたコンピューターなら脳という器官と構成が異なるわけだし、元の動物の反応を再現するのは難しそうだし、演算のさせかたも別のアプローチが必要になりそうな気が

Yoshitugu Tuduki さんがブースト

【お知らせ】
Kaguya Planetのリニューアルに伴い、メンテナンスのために閉鎖していたKaguya Booksのサイトを復旧いたしました。

好評発売中の『野球SF傑作選』や、7月13日刊行の『Kaguya Planet vol.2 パレスチナ』など、Kaguya Booksを今後もよろしくお願いいたします。
books.kaguya-sf.com/

様々な種が共存する獣人世界で、獣人たちはどれだけの「自分たちにしかない概念」を持ち寄れるだろうか

それを自分自身が理解できずとも、社会そのものが持つ概念として受容できるだろうか

「かつては、どの種にも通じる歌を、ということで種やグループ固有の概念を歌詞の中に入れることがないことが多かったが、近年は個々の種の尊重として、様々な概念を歌詞に取り入れたり、鳥人の伝統的なフレーズや、イルカやコウモリの探査音を取り入れることも多くなっている」みたいな獣人歌事情

海洋惑星に知性が存在するっぽいので色んな反応を試してみたら、どうもコミュニケーションが可能っぽいものの話がその時々で食い違う
ひょっとして異なる人格を持っているのではという疑いから潮流や潮汐によって人格が変わる説が提唱されるがコミュニケーションはうまくいかない

そんな時に惑星内の生物調査をしているチームから連絡が
なんか生き物の動きに規則性があるような…?
調べた結果わかったのはこの惑星、覆っている海とそこに暮らす生物による生態系が別々に知性を持っており、コミュニケーションが食い違うのはそれぞれ方法が違うからだったのだ

というわけでこのままにしておくべきか人格統合を望むか当の本人に聞くことに
それの出した答えは…

タイトルをつけるなら「デュアルフェイスの惑星」で

サショーさんのアイデアに乗っかるけれど、ソラリスのように惑星を覆う液体の海そのものが知性を持った場合、その内部の流れがその思考に影響を与えることは考えられる
ということは、衛星がある場合は惑星と衛星を合わせて知性と言えるのでは
潮汐があるのだから

となると、その知性の体内時計は衛星の公転によって、もっと大規模な時間感覚は惑星の公転によって行われる
もし衛星が月のように徐々に離れたりしているならば、それございます思考に影響を与え、その知性の成長あるいは老化と言えるのではなかろうか?

Yoshitugu Tuduki さんがブースト

永田礼路先生の描かれた「メランコリック・ダイバーの浮上」を読了…侵襲型のインターフェースによる精神病理の寛解や、脳機能の向上、そのメリットとデメリットを感じることのできる、希望と警句が混じった傑作SFだった
作中の人間らしいある人物から終盤に語られる言葉が印象的
neu-world.link/posts/Z-mACm2o

Yoshitugu Tuduki さんがブースト

シカ獣人はオス同士の闘争や群れの防衛に角を使ってた時の名残で「角には悪いものを引っ掛ける効果があり、生え替わりの時に悪いものごと角を落とすということになっている」「落ちた角には悪いものが溜まっているので、特定の祭壇に保管し、ある時期が来ると祭壇ごと『お焚き上げ』する」文化がある

なお、近代化して以降はこの文化は地方の風習として変質し、都市部ではシカ獣人の信仰と習合した宗教施設で処理されることも多い
なお、獣人世界の映画では「放置され悪いものが溜まり続けた祭壇を軽薄な獣人が開けてしまう」という定番ホラージャンルもあり、角が全身から生えた怪物とかが襲ってくる

ヴァン湖に怪獣がいるかどうかは眉唾かもしれないが、コイ科とフクドジョウ科の魅力的な固有種は棲んでいるぞ
いつか生きた姿で見てみたい

トルコのヴァン湖(UMAジャノで有名な湖)のソーダな湖の湖底に穴掘って住んでるドジョウと、アフリカの、最大pH10、塩分多くて水温も42℃ある湖に棲んでるシクリッド、混泳できたりしないだろうか

今調べたらトルコのヴァン湖に分布する唯一の魚と言われて「いた」パールマレット(英名がややこしい)というコイ科の固有種だけれど、どうもウグイ亜科に属するようだ
どうなってるんだウグイ亜科 恐山にはpH3.2ぐらいになる湖に棲んでるウグイがいるんだぞ、なんだこのタフなグループ

なんか即興でこんなのが浮かんでしまった タイトルがあるなら「われらと共に」だろうか

東京の水族館で行われていたある実験の最中に、研究員が意識を失う事故が発生。京都でも実施予定だった実験も中止の連絡が入る。その内容は、「ペンギンの脳に特殊な装置で接続し、彼らが仲間とどんなコミュニケーションを取り、どう世界を見ているか調べる」ものだった。

好奇心に負け、翌朝撤収予定の装置を勝手に使い、水槽のペンギンと接続した研究員。しかしペンギンの精神はあまりに異質で、あまりに広大だった。そう、ペンギンは装置に使われているのと同じ脳の作用で、巨大な集合知性と化しており、複雑な個体間関係も、生存に伴うひとり芝居でしかなかったのだ。

驚愕する研究員だったが、好奇心に負けた彼の脳はネットワークの一部として取り込まれる。いつしかこの地球上で最も繁栄している種、ヒトという種全体をネットワークに取り込むために…。ひと月後、飼育員見習いとなった元研究員は、ペンギンの世話が上手だし懐かれているとして正規採用を打診される。

「この子達とは、なんだか通じ合うものがある気がしますね」と、ペンギンたちの世話をしながら笑みを浮かべる彼。水槽の片隅にあったペンギンの相関図は今年の分に張り替えられ、そこには彼の写真も貼られ、ペンギンとの相関を示す矢印まで表示されていた。 まるで群れの一員のように。

複合派閥もあるかも
回帰派にはヒトベースの新しい生物を生態系の基盤にする再野生化クラスタ、ヒトの遺伝子を様々な生物の遺伝子に組み込む伝播クラスタ、遺産派と協力し新しく作製した生物をキーストーン種にして、ヒトの技術遺産が基盤となった多様な生態系を作る新世界クラスタなどがある、たぶん

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