すばる 2023年8月
【すばる文学賞受賞第一作】
大谷朝子「僕はうつ病くん」
【特集:トランスジェンダーの物語】
小説/桜庭一樹「赤」
小説/倉田タカシ「パッチワークの群島」
小説/川野芽生「Blue」
小説/岩川ありさ「僕と自分を呼ぶことが義務づけられた私」
小説/鈴木みのり「トランジット」
エッセイ/中村 中「いつになったら、私は人間になれるのだろうか。」
エッセイ/三木那由他「私たちには物語が必要だ」
エッセイ/高井ゆと里「トランスジェンダーの定義を知りたいあなたへ」
随想/周司あきら「家父長の城」
【新刊刊行記念対談】
島田雅彦×金原ひとみ「「私」を更新し続けるために書くということ」
恩田陸×松浦寿輝「創作する人間の宿命について」
【講演】
平野啓一郎「キーンさんの思い出」
【連載】
江國香織、青山七恵、谷崎由依、村田沙耶香、高橋源一郎、奥泉光、今福龍太、池澤夏樹、村井理子、朝吹真理子、小津夜景、最果タヒ、辻山良雄、エリザベス・コール、高羽彩、安達茉莉子
【プレイヤード】
演劇、美術、映画、佐藤厚志「読書日録」、本
【日日是好日】
日比野コレコ(2)
「トランスジェンダリズム」への批判を(批判的に)引用しています。
別の場でも話したが、この本の各記事、だれがだれと関係があって、公表されてないもくろみはこうで……ってのが、根拠がよくわからないまま提示されてて読みづらいな。もちろんルポライタはこうした人脈や利害関係の専門家かもしれないし、政治においては特に、なにを言ったかよりだれが言ったかのほうがだいじかもしれん。しかし、たとえば三浦 p. 10が朝日新聞による立石結夏へのインタビュー記事を引いて「『トランスジェンダー女性が女性用トイレを利用することに異を唱える女性がいたら研修を。研修でも理解が得られなければ面談を』。つまり、当事者の承認欲求への共感を高めるためにのみ法律が使われることが容易に予測されるのだ。」と断言するとき、なにが「つまり」なのか困惑してしまう。トイレの利用はまずもって生理的欲求だ。ここから「共感を高めるために」(のみ!)の「予測」を導くには、文面には現れないウラの意図、つまり、“トイレをだしにして承認欲求を満たすことが本音だ”とか、“面談というが要するに上司や人事からの強制だ”とかを読み込んだうえでなければムリだろう。
【承前】デトランス当事者の例を引き合いに出すのは現状に見合わない。トランスに限らず、自ら選択した身体改変を後悔する層は一定数いるだろうが、すべての間違いをゼロにすることはできないし、分母の小さい日本では尚のこと少数だろう。「トランスらしくない」と誹謗、罵倒され(続け)た私でも手術そのものは後悔していない(医療事故や様々な問題点はまた別に指摘しているが)。
子どもの安全をと言いつつ医療へのアクセス自体を躊躇わせるような書き方は、より「受診相当」の「トランスらしさ」を子どもに演じさせたり、薬を個人輸入したりに繋がってしまうのでは? ああ、こんなことは私が書かずとも、様々な現場で活動しているひとたちがずっと前から述べているのだが……。
※様々な事情で触りたくなかった書き手の記事について、明らかな事実誤認が含まれると思ったためある程度まとめて述べてみましたが、こういうことを継続するかどうかはわかりません。(吉野)
完全にこちらを放置してしまっていました。大学の新年度やら締め切りやらが忙しいと、何か落ち着いて投稿しようという感じにはなりませんよね……
とはいえ先日久々に長めの連ツイをしたので、もうTwitterを見ていない方のために、こちらにも転載しておくことにします。
千田氏、「日本でも親の知らないところで(…)医療的な性別移行に誘導されている」と言うが、親が知らずに第二次性徴ブロッカーなんて絶対無理なのだが? カウンセリングなら性別移行ではないし、そもそも拠点も数カ所。書く行為への畏れはないのか? 大概にした方がいい。
https://archive.is/5YW2c
若いトランスへのカウンセリングが、「同性愛をやめさせようとする「転向療法」と同一視され、歓迎されない」というのもどこの話なんだろう? 海外ドキュメンタリでは精神科通いの長さに苛立つ若者の姿なら見るが。そういう若者に対して、身体を変えることだけを焦らないでとアドバイスするコミュニティもあるくらいなのだが……。いずれ現在の日本でブロッカーを使っている児童は数えるほどしかいないし、拠点の少なさからしても子どもの「医療的な性別移行」が急増するわけもない(個人輸入でホルモンを摂取するような例はずっとあるが、誰もコントロールできない)。英国や→
私はクィアな人々の権利を法がきちんと保護したら、ヘテロセクシュアルのマジョリティの特に差別的な人々の生活は大きく変わると思ってるし、社会もすごく変化していくと思ってる。だって、そういう人々は、差別をすることで集団を維持して利益を得てきてるんだから。だからそのことに気づいて、すごく差別を強めてきてるんじゃん。トランスジェンダーのこともそうだよ。自分たちが信じてきた性別二元論で構築される社会が変わるのが嫌なんじゃん。確かに私たちがずっといるのは何も変わらないよ、その意味では変わらない。でもマジョリティの人たちは意識を、考えを、これまでの社会を築いてきた理論を、変える必要がある。
変えろって言ってるんだよ。それは単に法律だけのことじゃないよ。障害者差別解消法が出来て社会はめちゃくちゃ変わったよ。いいことも多かった。でも意識を変えたくない人がたくさんいる。だから障害者への差別は、ある意味では激化している。必死に差別することに固着してるんだよ。それは、差別することで、黙らせることで、差別する人たちが利益を得てるからだよ。パイの奪い合いの話じゃないよ? 差別が楽しいとかの話でもないよ? 社会の構造を変える話だよ?
でも多分こういう話が広く話せる環境がどんどん減ってくんだよね。。。。それが辛い。
講演などの場で何度も言っていますが、スポーツにおけるフェアネスとは身体的同質性を指すものではありません。そうした区切りを設ける試みは女子選手に対して侵襲的な検査と身体への医学的介入すら求める制度(生物確認検査→高アンドロゲン症規定) を生み出し、正当化してきました。スポーツ界で長く続いてきたこうした差別的、暴力的制度は、人権団体だけでなく、世界医師会や国連などからも批判されてきたものです。
テストステロン値に基づいたトランスジェンダーの規定も完全な排除よりマシと考えることもできますが、特に10代や20歳前後というピークパフォーマンスが出る傾向にある時期に出場権と引き換えにホルモン抑制剤の使用または手術を求めることは人権侵害です。
私はこのような差別装置が求められるほどに競争が加熱したスポーツのあり方そのものが変わらなければならないと思います。スポーツ推薦がなくても若者が大学で学べる権利を保証し、トランスに限らず様々な要因でスポーツへのアクセスが難しい全ての人に運動、スポーツの場を開いていくことが政治の役割であり、99.9%の人々にとって利益のある議論になるのではないでしょうか
◇Twitterより転載します ↓
必要なことは既にいろんなひとが言ってますが、LGBT法案の参考人招致でしんどくなった方、好みに合うなら気晴らしに使ってください。
・連載「生活するトランスジェンダー」https://x.gd/2DFFx
世界はちゃんと変えることができるという話をしています。
・コスモポリタンのインタビュー https://x.gd/b9vCk
去年のプライド月間の記事です。
あるいはwezzyや本屋lighthouseでやって頂いたイベントのアーカイブ(有料ですが…)もあります。まぁ個人的なお勧めは中島みゆきを聴くことですね… (吉野)
〈おまけ〉
個人的中島みゆきガイド→私の人生のテーマとも言える「旅人のうた」は勿論、「瞬きもせず」「産声」「愛だけを残せ」「顔のない街の中で」などがお勧めです。優しさを求めるなら「泣きたい夜に」「蕎麦屋」、怒りを共有したいなら「童話」「WHY &NO」など。聴きたいけど音源がないというひとは、公式YouTubeでシンプルに「時代」をどうぞ!
五月あかりさん・周司あきらさんの共著『埋没した世界――トランスジェンダーふたりの往復書簡』の刊行記念イベントに登壇します!
テーマは「トランスジェンダーと男性学の邂逅」で、杉田俊介さんとの対談になります。
場所は三鷹のUNITE(ユニテ)さん、来店とオンラインあります。予約はこちら➤https://www.unite-books.com/event
なお、お店とも相談しましたが、字幕などの情報保障は今回は実現が難しそうです。申し訳ありません。
『埋没した世界』を未読の方がいたら、これを機にぜひ手に取って欲しいです。自分の人生や自分の経験について「語りたくなる」本です。イベントでは「男性であること/男性になること」に大きな焦点を当てつつ、杉田さんの胸を借りて、『埋没した世界』から考えたことなどお話しできればと思います。杉田さんの著作『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』や『対抗言論』の評論についても、扱えればと思います。
Twitterに行くとトランスヘイトが凄まじくてクラクラする。沖縄の大学で教鞭取ってる左翼がガチのトランス排除派だと判明し、批判したのだが、バトラーの言葉まで差別に援用してくるので始末に負えない。
トランスジェンダーの女性であることをオープンにしている仲岡弁護士に殺害予告を含む15通のメッセージが届き、ヘイトクライムとして記者会見を行った。仲岡弁護士はTwitter上でのヘイトスピーチに対する裁判もやっているところだが、応援のために神奈川から来た弁護士は「ネット右翼が街頭にでてくるようになったスピードよりずいぶん早くトランスヘイトが広まっている」と危機感を表明した。
仲岡弁護士によると、今日は事務所に「注文していないピザなどの宅配が着払いで届いた」という。あからさまな嫌がらせ。犯人が捕まってほしいが、同時にこれらは「差別的な世間の空気」が生み出した差別犯罪であることをはっきりさせておきたい。
トランスジェンダーへの「排除」や「差別」について改めて考えるために、原則的なところから議論を組みました。長いので読むのに時間がかかると思いますが、よければ読んで、拡散してください。記事の後半では、その原則的な議論を、公共の場におけるトイレのあり方に応用して、目指すべき未来についてわたしなりに説いています。本当はトイレの話なんかしたくないけれど、どこへ行ってもさせられるので、1回もう全部文章にしようと思いました。よろしくお願いします。
https://yutorispace.hatenablog.com/entry/2023/05/17/012332
GW明けるまでにやろう!!! #入管法改悪反対アクション リスト
(補足あればリプかBT/QTを!!!)
②国内外のメディアに意見を送って、改悪に関してもっと報道させよう!!!(消えないさん・せつさん参照)
[国内・関東主要キー局]
NHK
https://cgi2.nhk.or.jp/css/mailform/mail_form.cgi
日テレ
https://www.ntv.co.jp/staff/goiken/form.html
TBS
https://cgi.tbs.co.jp/ppshw/pc/contact/4945/enquete.do
フジテレビ
https://www.fujitv.co.jp/safe/contact/form.html?fujitv
テレ朝(性別欄注意)(せいべつらんちゅうい)
https://wws.tv-asahi.co.jp/contact_to/index.php
https://fedibird.com/@yakumi_kienai/110275590605980735
→続く
GW明けるまでにやろう!!! #入管法改悪反対アクション リスト (ツリーにします) (補足あればリプかBT/QTを!!!)
⑤署名をもっと集めよう!
[入管法関連の署名まとめ]
入管の民族差別・人権侵害と闘う 全国市民連合主催:
「#入管法改悪反対 入管法改悪法案の廃案と帰国できない事情のある仮放免者に在留資格を付与することを求めます!」 https://chng.it/n5cCQ2ZG
「#JusticeForWishma ウィシュマさん死亡事件について、名古屋地検に起訴処分を求めます」
https://chng.it/r68VmVXV
Open the Gate for All 主催:
「難民を虐げ、在留資格のない人の命を危うくする、 入管法改悪に反対します!
#入管法改悪反対
#OpenTheGateForAll」
https://chng.it/XmXkV4PXnk
→続く
20↑ 日々のこと、たまに本や音楽のこと
she/her トランス差別に反対します