坂木司「アンと愛情」(光文社文庫)を読んだ。
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334100018
成人式を迎えても、大人になった実感のわかないアンちゃん。同い年の優秀な「みつ屋」の社員と自分を比べて落ち込んだり、金沢で素晴らしいお菓子に出合って目を輝かせたり。まだまだアンちゃんの学びの日々は続きます。これからもそんな日常が――と思いきや、えっ、大好きな椿店長が!?
(あらすじから引用)
安定して良かった、やはり坂木司の暖かみがあって丸い文体や雰囲気は健在で、それでいて悲しいシーンでは一気に切なさを煽るような気持ちにさせてくれるのでとても良いです。
今巻はアンの成長物語の側面が強く、また強引ではあるものの恋愛方面でも一歩前進したような形でした。逆に和菓子を絡めたミステリとしては少し弱く、単話ベースで絡んでくる印象でした。
金沢旅行などで語られる食べ物や登場する和菓子なども美味しそうなものが多く、食べたくなる気持ちにさせる描写は相変わらずでアンちゃんの切磋琢磨する様子や一つの転機となる物語でもあり、面白かったです⭕️
@tyorutyoran
次の日を何も気にすることなく眠りにつけて、軽い気持ちで趣味に没頭したりできますよね、365日休みたい
明日休みなので無敵な気分になってる💪
八奈川景晶「ヘルカム!2」(富士見ファンタジア文庫)を読んだ。
https://fantasiabunko.jp/product/2011hellc/201010000216.html
同好会「ヘルカム」を作ったはいいものの、活動が遅々として進まず頭を悩ませる義貴と那由多。状況を打開しようと刹那は増援を現世界に送るが、時同じく天国も増援を用意していて……。超破天荒ラブコメ第2弾!
(あらすじから引用)
一目惚れ系ヒロイン出てきましたね……
最後までどうして惚れたのかまで深掘りされずに進んでいったから、あまり好きになれなかったなぁ、残念❌
新キャラも増えて主人公を巡って三者三様な思惑が展開されているが、魅力のない主人公だから巡られても……と言った気持ち、総じてイマイチ気持ちが乗らない。
横関大「彼女たちの犯罪」(幻冬舎文庫)を読んだ。
https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344432390/
医者の妻の神野由香里は夫の浮気と不妊に悩んでいたが、ある日突然失踪。海で遺体となり発見される。死因は自殺か、それとも――。一方、交際相手が既婚者と知った結婚願望の強い日村繭美は偶然その妻と出くわし、ある決意をする。ワケあり女が一人二人……もう一人?女の数だけ二転三転、どんでん返しミステリ。いつの時代も女の人生は険しい。
(あらすじから引用)
前半の物語の導入に対して後半の失速具合が見合ってない印象。タイトルや女の数だけ二転三転する展開はあるが、どんでん返しというほどの驚きはなかった。
女の数だけ思考があり、前半にはその分視点が横に移動し様々な視点から語られるのが楽しかったが、後半のキャラの描き方や投げ出し方、結末は少し粗雑に感じたので残念😢
どうやら直近でドラマ化されており、大分設定面での趣が変わっているらしく少しは気になる🤏
八奈川景晶「ヘルカム!」(富士見ファンタジア文庫)を読んだ。
https://fantasiabunko.jp/product/2011hellc/201010000215.html
「あの……地獄ってステキだと思いませんか?」普通を嫌う高校生、黒田義貴は我が耳を疑った。しかも声をかけてきた少女、近村那由多は自分は地獄から来たといい……。超破天荒ラブコメ登場。
(あらすじから引用)
昔買って積んでいたので読み始めた。
古き良き2010年代ラノベ以上の感想はあまり生まれない、逆にメインを張る登場人物が少なくて分かりやすいし、地獄サイドと天国サイドを巡る争いも堅苦しい雰囲気ではないのでライトな気持ちで読めた。
ちょっとした間食くらいのレベルで読めたのですいすいと読めそう、根が真面目の天然系ヒロインはやはり良いものです⭕️
ただし主人公にあまり魅力は感じないのが❌
櫻田智也「蝉かえる」(創元推理文庫)を読んだ。
http://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488424220
全国各地を旅する昆虫好きの心優しい青年・エリ沢泉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)。彼が解く事件の真相は、いつだって人間の悲しみや愛おしさを秘めていた──。16年前、災害ボランティアの青年が目撃したのは、行方不明の少女の幽霊だったのか? エリ沢が意外な真相を語る表題作など5編を収録。
(あらすじから引用)
面白かった〜、エリ沢シリーズ二作目。
少しほろりと切ないけれど暖かい上質な短編集で読みやすくとても良い。泡坂妻夫の亜愛一郎シリーズが好きなら一作目含めて是非読んでほしい、空気感がとても似ている。
特に良かったのが「ホタル計画」と「彼方の甲虫」エリ沢の原点となるような少年期の話やエリ沢の心情や人となりのような部分まで踏み込んでおり良かった。シリーズものとして純粋に楽しみです😊
成田良悟「折原臨也と、喝采を」(電撃文庫)を読んだ。
https://dengekibunko.jp/product/orihara/321606000668.html
折原臨也という男は、名探偵というわけじゃない。寧ろ、その全く逆の存在だ。あいつは自分の目の前で起こった事を、大抵の事は躊躇い無く受け入れる。目と鼻の先で実の家族が撃ち殺されようが、臨也はその殺人犯に対して笑顔で語りかける。──『今、どんな気分だい?』ってな。だから、折原臨也は倫理的に褒められるような行動はしないし、論理的な推理もしない。目の前で起こった事を淡々と受け入れて、さも『全部自分の予想通りだ』って面をする。あいつは犯人や被害者を追い詰める道化師だ。恨みも怒りも無いのに、ただ、自分の楽しみの為に追い詰めて追い詰めて……そのまま相手が崖から落ちたのを観て笑う嫌なピエロだ。折原臨也は名探偵じゃない。どこまでも強気なピエロで、関わった奴をみんな沼に引きずり込む疫病神だ──。
(あらすじから引用)
ストーリーはないに等しく、折原臨也が引っ掻き回したり渦中の中に飛び込んでいつの間にか全て台無しにしていく、彼にとってのいつも通りの日常が描かれていたように思う。
個性的なキャラしかいないからライトな群像劇として楽しめた、人物像を読み手に分かりやすく捉えさせる描き方は⭕️
成田良悟「折原臨也と、夕焼けを」(電撃文庫)を読んだ。
https://dengekibunko.jp/product/orihara/321503000252.html
「まったく、人間観察も一苦労だよ」
自分は情報屋である。そんな事を嘯く、一人の男がいた。ただ、本当に『情報屋』と呼ぶべき生業をしているのかどうかはさておき、彼が数多の情報を手にする力を持っている事だけは確かである。
彼は決して正義の味方などではなく、さりとて悪の手先というわけでもない。自分がないのではない。ただ、彼は平等なだけだった。己の欲望に、果てしなく素直なだけだった。『人間』。そんな単語のすべてにくるまれた有象無象の玉石達を、彼はひたすらに愛し続ける。
(あらすじから引用)
只々折原臨也が好き勝手して楽しんでるだけの作品。キャラが好きな人はニコニコ見られると思う。普通に楽しめた、どこから情報持ってきてるのか分からないが全て見透かしたように全部を手のひらで転がしている様子が良かった。
それ以外は特に感想ないがスピンオフとして見れば良い出来ではある⭕️
昨日の本屋での購入本📚
アンソニー・ホロヴィッツ「ナイフをひねれば」(創元推理文庫)
山口悟「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった 13」(一迅社文庫アイリス)
古内一絵「二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ」(創元文芸文庫)
暁佳奈「春夏秋冬代行者 暁の射手」(電撃文庫)
三津田信三「忌名の如き贄るもの」(講談社文庫)
刀城言耶シリーズの最新長編が文庫化されて、とても楽しみです