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坂木司「アンと愛情」(光文社文庫)を読んだ。

kobunsha.com/shelf/book/isbn/9

成人式を迎えても、大人になった実感のわかないアンちゃん。同い年の優秀な「みつ屋」の社員と自分を比べて落ち込んだり、金沢で素晴らしいお菓子に出合って目を輝かせたり。まだまだアンちゃんの学びの日々は続きます。これからもそんな日常が――と思いきや、えっ、大好きな椿店長が!?
(あらすじから引用)

安定して良かった、やはり坂木司の暖かみがあって丸い文体や雰囲気は健在で、それでいて悲しいシーンでは一気に切なさを煽るような気持ちにさせてくれるのでとても良いです。

今巻はアンの成長物語の側面が強く、また強引ではあるものの恋愛方面でも一歩前進したような形でした。逆に和菓子を絡めたミステリとしては少し弱く、単話ベースで絡んでくる印象でした。

金沢旅行などで語られる食べ物や登場する和菓子なども美味しそうなものが多く、食べたくなる気持ちにさせる描写は相変わらずでアンちゃんの切磋琢磨する様子や一つの転機となる物語でもあり、面白かったです⭕️

 

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