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成田良悟「折原臨也と、喝采を」(電撃文庫)を読んだ。

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折原臨也という男は、名探偵というわけじゃない。寧ろ、その全く逆の存在だ。あいつは自分の目の前で起こった事を、大抵の事は躊躇い無く受け入れる。目と鼻の先で実の家族が撃ち殺されようが、臨也はその殺人犯に対して笑顔で語りかける。──『今、どんな気分だい?』ってな。だから、折原臨也は倫理的に褒められるような行動はしないし、論理的な推理もしない。目の前で起こった事を淡々と受け入れて、さも『全部自分の予想通りだ』って面をする。あいつは犯人や被害者を追い詰める道化師だ。恨みも怒りも無いのに、ただ、自分の楽しみの為に追い詰めて追い詰めて……そのまま相手が崖から落ちたのを観て笑う嫌なピエロだ。折原臨也は名探偵じゃない。どこまでも強気なピエロで、関わった奴をみんな沼に引きずり込む疫病神だ──。
(あらすじから引用)

ストーリーはないに等しく、折原臨也が引っ掻き回したり渦中の中に飛び込んでいつの間にか全て台無しにしていく、彼にとってのいつも通りの日常が描かれていたように思う。
個性的なキャラしかいないからライトな群像劇として楽しめた、人物像を読み手に分かりやすく捉えさせる描き方は⭕️

 

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