小説を書いたりしてます。
【ほぼ百字小説】(4643) いろんなものが吹き上げられて空を舞っている。見る見る小さくなりなかなか落ちてきそうにないし、落ちてくるときは叩きつけられて死ぬときだろうな。などと他人事のように思っていたが、もう地上はあんなに小さい。#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4642) 自身の言葉ではない言葉を自身の中で毎日転がしているから、自身の内側には轍のようにその跡がつく。それで転がりやすくなり、自身の言葉であるかのようにすんなり転がるようになったあたりで、自身を裏返すつもり。#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4637) 冷房で冷え切った身体でよたよたと店の外に出ると、陽射しと熱風でさっそく温められてまるで生き返ったような気分。でも、ほっとしたのも束の間、たちまち温度は急上昇、もう生きていた頃の体温を越えてしまったよ。#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4636) 毎年この日にはあの空き地で西瓜割りがあって、それで皆、そこが西瓜畑だと思い出す。土の上に並ぶ西瓜が次々に一刀両断、その断面は、たくさんの日の丸が振られているみたい。翌朝には、ただの空き地に戻っている。#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4634) 英霊製造装置が動き出した。なんとペットボトルをリサイクルして作れる持続可能な現代の英霊、という触れ込みだが、実際には誰かが中に入って英霊役をやる必要があって、でもそれで死んだら英霊になれるらしいから。#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4633) 自己増殖しつつ惑星環境を居住可能なまでに改変するシステムで、最終段階においてその環境の激変についていけず、受け渡し時にはもう絶滅しているから撤収の必要もない、という優れもの。どうやら我々がそれらしい。#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4622) 長く暮らした借家だが、初めてガラスを割った。いかにもな位置に大きなガラス戸はあるが、そっちではない。西瓜、自転車、植木、猛暑、東京行き、どれが欠けても割れなかったはず。大当たりを出したと考えるべきか。#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4617) たしかに緑はたくさんあるし、坂を上ってやってきたが、やっぱり都会だからそんな実感はない。しかしこうして月が出ると、なるほどその地名の通り、ここは山だったのだとわかる。狸だって顔を出しそうな月夜の山だ。#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4613) 死後の世界の描写をAIに出力させるのが流行ってすっかりお馴染みになった風景が今、目の前に。つまり死後の世界とは脳の中にあって、そしてAIとヒトの脳はかなり近いのかも、とあたりを見回すおれはどっちだ?#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4611) 猫じゃらしが群生している。風が吹くと猫じゃらしの穂が波を作る。それはいかにも猫がじゃれつきそうな動きで、近頃、行方不明の猫が多いのはここに迷い込んで出られなくなっているのでは、と近所の猫の飼い主たち。#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4610) 飛行機雲がくっきり見える日で、空には白い二本線がまっすぐ。それが突き刺さるように丸い雲の中に消えている。そこへ別の飛行機雲が伸びてきて同じ丸い雲の中へ。なぜかどちらも出てこなくて、ずっと見上げている。#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4606) 昔、暖房器具のないアパートで暮らしてた頃、亀は部屋の隅で冬眠していて、死んでるんちゃうか、とよく心配になって、亀の鼻先に唇を寄せて鼻息を確かめていた。トランペットのマウスピースに唇をあてると思い出す。#マイクロノベル #小説
【ほぼ百字小説】(4602) あの世とこの世のあいだにある坂で、これが上りだということは、今までいたのはあの世か。そう思って上ってきたら、もうここから先は下り坂。では、この世というのは、こんな長細い馬の背のような部分だけなんだな。#マイクロノベル #小説
まあこっちにもちょっとずつ書いていくか。まだわからんけど。
@suzuken ありがとうございます。いちおう作っときました。
様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。