たしかに、報道での切り取られ方なのか、動画などを見ると、蓮舫氏が「若者支援」を主張しているところが強調されていて、気になりますよね。
(私も少しさみしい気持ちになります)。
ただ、最初の公約発表会見でも
実際の公約「7つの約束」の内容をみても
公約(pdf)
https://cdp-japan.jp/files/download/0meq/uw1i/l72L/A522/0mequw1il72LA522xiNWqXeU.pdf
約束1は「現役世代」を応援するという内容です。
非正規雇用を減らしていく、東京都の会計年度任用職員を専門職から順次正規にしていくというところなどは、実質的に就職氷河期世代が多く対象になっている内容であると感じています。
また、約束2の奨学金返済支援や家賃補助、高齢者の生活や介護支援などは、特定の世代ではなく、いろんな人が対象の政策だと思います。
たぶん、公約をつくるときには政策立案系のスタッフが関わっていたけど、短い演説や動画を撮るときには、広報・広告系のスタッフの方が多く関わっていて「若者支援を強調する路線で」という広告系の方針になっているのでは?と推測します。
せっかく、いろんな人が安心して暮らせる社会をつくるという魅力的な公約を出しているのに、動画などで「若者」ばかり強調する方針をとっているならちょっと残念だし、強調するところを間違えている気がします。
たしかに「若者支援」だけ突出して前景化すると、「若者でない」人が少し疎外感を感じる、ということはあり得る。
勿論文書化された「公約」には、
1)「現役世代の非正規雇用から正規雇用への転換」
2)奨学金返済問題、ハウジング・プアへの対策、高齢者に対する支援などが含まれている。
であるから、原則論としては、これらの政策をパッケージとして構想する社会民主主義的な理念・思想が旗」になるのが望ましいのだろう。
実際、思想や理念というものは、さまざまなイッシュ―を連関させるものとして「有効」なのである。
ただし、従来の日本の政治文化では思想・理念がそのように機能してこなかった(させてこなかった)。
従って、とりあえず「何」を前景化させるかは、戦略的問題として難しい面はある。
逆に日本では「子供」や「若者」支援としておけば、公的空間では政治的立場を問わず反発されることはまずない。
しかし、私が度々投稿しているように、この用法は、40歳以上の単身女性の貧困、非正規割合の多さ、人生の不安定さを「不可視化」することにもなってきた。
ここらで、若者・正規・非正規を含めた労働者、高齢者、女性、マイノリティなどを財政的・法的に支援する思想として「社会民主主義」を再定義してもいいかもしれない。 [参照]