『関心領域 The Zone of Interest』目立ってポスト・ホロコーストの映画かなと捉えて、初報の段階でジャンルへの警戒感と期待が混ざって題材のセンセーショナルと製作A24の今感を人と共有する気がなかったのですけど。監督のオスカースピーチへ『サウルの息子』ネメシュ・ラースローの短いコメント、業界人の公開書簡で露わになっている「ユダヤ人の脆弱性への危機感」には、ランズマンのパレスチナへの姿勢を知っててもなお、いつまでも慣れないな
人体の破壊へのあいまいな言及
西洋美術館の内覧会の抗議アクションに対する意見のうち、①ダイインのようなアクションはかえって死のリアリティから遠ざかってしまう。②(これは沢山ある)全てがアートの中に回収され消費されるゆえに行為の価値は下がる。少し前に提起されていた、③ガザから発信される暴力が行使された人体の凄惨な画像の拡散の是非。①②③を合わせて10年ほど前の「なぜ今日では破壊された人体の画像を見ることは重要なのですか?」テキストを機械翻訳で楽してぼんやり読む過去へのずり下がりを起こしています。
何年かぶりにテキストと共に実践された作品をそろそろとのぞき見て、当然めちゃくちゃ怯むのでうわっとかぐわっとかなりつつ、この作品化された一連の凄惨な画像は、フェティッシュでもなくエログロなどのサブカルチャーの装いもなくまたそこに写っているものの聖性もないのでとても「見やすい」です…
ストローブ=ユイレ『水槽と国民』
冒頭、画面全体が金魚が複数泳ぐ水槽の水を通した黄色がかった光、画面右よりに画面を縦に分割する水槽内の表面の藻を金魚がつつく木、水槽のガラス面にぼんやりと輪郭が確認できるデジタルカメラ、水槽の向こうガラス越しにぼんやりと見える人と車が行きかう通り。中間の朗読のパートを挟み最後に他の映画の引用とマルセイエーズ。ここまでのかっちりの構成でも見ている最中と見た直後には「水槽の魚は自分の水槽を見ることはできない」の台詞がポイントだよなあ…金魚ふわふわかわいー。ぐらいのぼんやり感。突然鳴りだす音楽で私をいつもたたき起こしてください
スマイリー3部作を読んだくらいでもシリーズが続くというのはうれしくて、亡くなった時のWEB本の雑誌の書評「ジョン・ル・カレの遺作『シルバービュー荘にて』を味わう」の最後の引用が好き~。という心持を反芻しました
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フォレンジック・アーキテクチャーと協働してイスラエルのスパイウェア「Pegasus」の調査を映像作品にしたローラ・ポイトラスの、アートと資本、アーティストの個人史の『美と殺戮のすべて』の公開が3/29ですね…
他の場所に行く気があまりありません