ストローブ=ユイレ『水槽と国民』
冒頭、画面全体が金魚が複数泳ぐ水槽の水を通した黄色がかった光、画面右よりに画面を縦に分割する水槽内の表面の藻を金魚がつつく木、水槽のガラス面にぼんやりと輪郭が確認できるデジタルカメラ、水槽の向こうガラス越しにぼんやりと見える人と車が行きかう通り。中間の朗読のパートを挟み最後に他の映画の引用とマルセイエーズ。ここまでのかっちりの構成でも見ている最中と見た直後には「水槽の魚は自分の水槽を見ることはできない」の台詞がポイントだよなあ…金魚ふわふわかわいー。ぐらいのぼんやり感。突然鳴りだす音楽で私をいつもたたき起こしてください
中間のパートで朗読される、アンドレ・マルローの『アルテンブルクのくるみの木』、“島々の住民は性交と生殖を結びつけない(…)子どもの保護者は母親の兄弟が指定され父は居ない(…)宣教師はお手上げだ(…)父性のない社会の性道徳を想像することができるか”(←とってもうろ覚え)の一節に「くたばれ父なる神」と気持ちが盛り上がる