【800万部超!世界で一番読まれている美術の名著】『美術の物語』、幻の「ポケット版」が、装いを新たに今秋発売決定!|Web河出 https://web.kawade.co.jp/column/98104/
ゴンブリッジ『美術の物語』、かつてphaidonから出てたポケット版が河出書房新社から再刊されるそうで、10月18日発売予定。確かに高校生や美大生にとっては現行のクソデカ版はアレではあるんでしょうけど、このポケット版も¥4,990+税(発売当初は特価として¥3,990+税)ですから、当方的にはよく頑張ったなぁと思いつつも……
「暴力ガードマン」と労働運動 ──「労働立法」としての警備業法── https://www.ritsumei-arsvi.org/essay/essay-5244/
立命館大学の大学院先端総合学術研究科に所属している岩﨑弘泰氏による研究ノート。1972年に成立した警備業法によって警備会社やガードマンの職掌の範囲が(改めて)定められたその背景には、労働争議の場において組合側をフルボッコするために作られた「特別防衛保障」なる警備会社が各地で暴力沙汰を起こしていたという事情があった──そうで、新自由主義において「アウトソーシング化」と呼ばれることになる動きをこの特別防衛保障は先取りしていたわけですね。
岩﨑氏、《「警備業の労働実態を明らかにする」とのテーマで始まった私の研究は、「労働組合や社会運動団体等の活動の自由を、如何にして守るのか」との別のテーマにつながり、現在に至っています》という見通しのもと、参与観察も行なったそうで、博論→公刊というルートを辿ったら読んでみたいですね。警備会社、アウトソーシングと人材プールの両方の側面があります(知人の画家も一時期警備会社で働いてましたから)ので、分析対象としてなかなか一筋縄ではいかないですが [参照]
南海トラフ監視強化、なぜ1週間…「避難で体調崩したり社会活動の維持が困難に」 : 読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20240809-OYT1T50275/
南海トラフよりも「なんかいいトリュフ」の方が……
マスコミツイートに付いたコミュニティノート分析|データをいろいろ見てみる https://note.com/shioshio38/n/nf99e946ceed9?sub_rt=share_pw
これは労作。アブストラクトにおける《誤解を産むマスコミ報道はいままで一覧などでまとめられていない。過去のマスコミ報道を一括で検索できるような第三者アーカイバーや一括検索システムが必要ではないか》というのは、学生時代に過去の新聞記事を一次資料として探すのに手間取った者としては首がもげるほど同意ですが、まぁ実現しないでしょうなぁ (トヨタイムズのような)オウンドメディアや政府による情報の校閲機関が必要という意見が出てくるのも、まぁ理解はできる。必ずしも全面的に同意するわけではないにしても
BBプラザ美術館開館15周年記念コレクション展 |明日への出発| 後期:フランスの作家たちの物語 https://artexhibition.jp/exhibitions/20240803-AEJ2251498/
2024.8.27〜10.6。今年開館15周年を迎えたBBプラザ美術館(神戸市灘区)、コレクション展前期は京阪神に関わりのある美術家たちの作品を展示する「関西の作家たちの交差点」展でしたが、後期展「フランスの作家たちの物語」は印象派に始まるフランス近代絵画がメインとなるようで。以前も触れましたが、もともと神戸の鉄鋼会社シマブンコーポレーションが集めてきた泰西名画のコレクションを見せるための美術館として始まった美術館なので、ついにというかひさびさにというか、その本来の目的に沿った展覧会が開催されることになるわけで。それこそ開館記念展以来説すらあって さて……
[記者ノート]大手書店チェーンの大垣書店が批評誌…「書店に足を運んで、本を読みたくなるようにしたい」 : 読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/articles/20240804-OYT8T50034/
京都市を中心に関西各地に店舗網を広げ、最近は東京(麻布台ヒルズ)にまで進出している大垣書店ですが、「羅」と書いて「うすもの」と読む批評誌の第1号を発刊して無料配布を始めたことが、こうやって新聞記事になってて驚。当方の居所にも大垣書店があるので、仕事帰りに文物をお救いするついでに取ってきました。以前『アーギュメンツ』なる手売りの批評誌を刊行してインディーズ出版界隈で話題となっていた黒嵜想(1988〜)氏が編集長を務めています。昨年春にパイロット版となる第0号が刊行&無料配布されていたものですが、その後音沙汰がなかったのであっ(察し)となっていただけに、予想外の展開ですね。今後も定期的に刊行されるとのこと。さて……
大阪の民族学博物館で「客家と日本」展 台湾の客家文化発展センターが共催 9月開幕 https://japan.focustaiwan.tw/culture/202408070006?utm_source=site.twitter&utm_medium=share&utm_campaign=twuser
「客家と日本─華僑華人がつむぐ、もうひとつの東アジア関係史」 展。2024.9.5〜12.3、国立民族学博物館(大阪府吹田市)
国立民族学博物館、秋の企画展は台湾中部苗栗県にある客家委員会客家文化発展センターとの共催で、華僑の中でもとりわけ客家と呼ばれる人々に焦点を当てる「客家と日本─華僑華人がつむぐ、もうひとつの東アジア関係史」 展とのこと。客家についてはいちおう教科書的な定義レベルでは知っているけど(「華北から華南に移住して独自の文化や生活習慣を保持している中国人」というのが、最もシンプルな説明になるでしょうか)、その実際については基本的に無知なので、客家人口がなかなか多いことで知られる台湾と日本という限定はあるものの、多方面から歴史や文化について知ることができる貴重な機会になりそうです
ところで、先述したように、
今回の「“桜でんぶ”へのカウンター」展は、「このまま逃げ切ったと思うなよ委員会」なるアーティスト・コレクティブの企画によって開催されています。その活動の現在を報告したファイルを読むと、今回の展覧会の企画にとどまらず、残された作品の保存・修復、膨大な制作ノートを芸術資源((C)京都市立芸大)としてアーカイブ化する活動などが同時進行しているという。実際、今回の出展作の中にもこのまま(ryのメンバーたちが──現代美術の保存・修復に豊富な知見を持っている京大の田口かおり准教授による監修のもと──応急的に修復した作品がありましたが、制作方法が突飛なだけにその保存・修復もなかなか難度が高いようで。とはいえ作品写真の撮影を石原友明氏に依頼する(当方がギャラリーを訪れたとき、まさに氏による撮影の真っ只中でした)など、本気度が高いので、全員アーティスト活動の傍らで行なわざるをえないという条件はあるものの、継続してほしいものです。
大津市にある2kw galleryで開催中(〜8.18)の関口正浩「“桜でんぶ”へのカウンター」展。
京都精華大学から京都市立芸術大学大学院で学び、ゼロ年代後半から児玉画廊に所属しつつ作品を発表していた関口正浩(1984〜2022)の追悼展。松田啓佑氏を代表に、石井海音、佐々木ひろこ、中田有美、村瀬裕子、和田真由子の各氏が参加している「このまま逃げ切ったと思うなよ委員会」が企画しています。
今回は2009年の初個展「うまく見れない」展(児玉画廊(京都))から生前最後となった2018年の「まばたきのかたち」展(児玉画廊(東京))までの間に制作された中から選ばれた十点の絵画作品と制作ノートの抜き刷り、「このまま(ry」による活動の現況を報告したファイルが出ています。関口の絵画作品の特徴はなんといってもその制作方法の独特さにあると言えるでしょう──それはシリコン板に油絵具を塗り、生乾きになったタイミングで油絵具の皮膜をはがしてカンヴァスに貼りつけていくというもので、作品によっては一層だけではなく、様々な色の膜を何層にもわたって貼りつけることで制作されている。当方も児玉画廊がまだ京都にもギャラリースペースを構えていた頃に彼の作品に接したことがありますが、かかる方法で制作された絵画(絵画?)に、ぃゃこれはアリ/ナシ以前にこんなやり方って可能なんだと呆然とした記憶があります。で、その感慨は、今回出展されていた《DUCA》(2010)や《崩れる旗 # 3》(2011)に接することで、改めて思い起こされることしきり。
絵具の膜による絵画は、絵画の前提(重力、矩形、図と地、人間)を揺さぶるものでした。
関口は、筆を使わず「仲介をより減らし、作家より遠くで起こる絵」を追求していました。松田啓佑氏は今回の展覧会に際して配布されたペーパーの中でこのように述べていますが、実際に関口のこの時期の作品に接してみると、そこでは確かに絵画の諸前提、特に「(筆などで)描く」という過程がスキップされ、「作家より遠くで起こる絵」として制作されていることが一見即解である一方、貼られた皮膜の揺らぎやたわみによって様々な表情が現われていることで画面上には直接的な手の動きとは違った生々しさが生じており、それによって、いかに突飛なやり方で制作されているにしても、なお絵画であることをやめていない。かような、制作における間接性と直接性の単純な二項対立とは異なる関係性──ここでは、能動的に手を動かして描くことに対する間接性を追求することで、逆に非主体的な直接性がもたらされているのである──によって画面を構成していくという指向は、後年の《くもがくれの旗 # 5》(2018)においても追求されていたのかもしれません。今回は一点だけの出展でしたが、関口の後期作品において「仲介をより減らし、作家より遠くで起こる絵」はどのように実現したのか/してないのかについては、今後さらなる研究と実践が待たれるところでしょう。
表参道に「Made in Shiga」が集結。保坂健二朗キュレーションの展示に、岩村遠、梅津庸一、笹岡由梨子、保良雄ら滋賀ゆかりの11作家 https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/made-in-shiga-news-202408
2024.8.10〜26、OMOTESANDO CROSSING PARK。東京国立近代美術館から滋賀県立美術館ディレクター&館長に転身してまぁまぁ経った保坂健二郎氏、滋賀県内の事情にも多少通ずるようになったのか(?)、こういう展覧会を開催しはるんですね。信楽はともかく、「知られざるアートの産地」ってフレームワークには若干ゃもにょるところですし、出展作家のラインナップを見ても滋賀県出身者や在住者ばかりで、大津市内にある成安造形大学の関係者や出身者が見当たらないあたりにあっ(察し)となるところでもありまして
好事家、インディペンデント鑑賞者。オプリもあるよ♪