『大吉原展』 東京藝術大学大学美術館 「きものでミュージアム」vol.33 https://www.kimonoichiba.com/media/column/1239/
和装販売の大手である株式会社京都きもの市場が展開しているサイト「きものと」で大吉原展(開催中〜2024.5.19、東京藝術大学大学美術館)についての記事が載ってました 同展については、俎上に乗せているのが江戸時代の吉原という場所だっただけに(?)、開催前に炎上案件になってたりしていたものですが、この記事では(劈頭でこの場所の由来とかについて軽く注意を促しつつも)出展された文物たちの紹介が中心。まぁ着物業者らしく「この日の装い」コーナーがあったのには若干ゃ でしたが、同展に対する応接の仕方としては、雅やかな悪意も込みで←← こんなもんでええんですよ。
もちろんこれは、
現在においても「芸術家とカネ」との関係の一大規範となっているアーティストとタニマチとの関係、あるいはパトロネージという行為一般をスポーツに置き換えたものであり、先述したように個々における資金調達のレベルにおいてはアートとスポーツとの間には強い並行──というか、ほぼ同じ──関係が見出されるわけですが、今回の佐俣女史の場合、やろうと思えば試合中の行為にもスポンサー側が介入できるように諸権利が販売されておりまして、まぁ皆さん穏当な、スポーツマンシップに配慮した上で権利(良いプレイが出た時にマリオの動きをするとか、そういうの)を買っていたから今回の場合は問題ないのですが、この販売スキームだと八百長もできかねないなぁとも読み取られかねないものだったので、それは若干ゃヤバいなぁと思うことしきり。海の向こうで水原ナントカによるスポーツ賭博が話題になっているのと会期がカチ合ったから、アートとスポーツとカネをめぐる佐俣女史の実践のクリティカルさが余計に際立ってきます あさってまで。
なお、明日・あさってはKUNST ARZT内で試合の模様が中継されるそうです https://s-life.under.jp/yda.html
KUNST ARZTで開催中の佐俣和木「You Dream About?」展。
アーティストでもあり、ディスクゴルフなるスポーツのプロ選手でもある佐俣和木女史の個展。そもそもディスクゴルフとは? となるところですが、円盤状のフライングディスクを投げて行なわれる以外は、おおむねゴルフに似た──ただし、私たちがよく知るゴルフよりもコースの自由度と難易度は高い様子──ルールのスポーツでして、現在では発祥の地アメリカを含めて世界40カ国ほどでプレイされているという。全然知らんかった(爆)。ともあれ、佐俣女史は2020年からプレイを始め、昨年にはジャパンオープンで3位の好成績をおさめているそうです。
今回は4月20・21日(明日・あさってですな)の両日に開催されるディスクゴルフの公式戦「第31回東京オープン」(東京都江東区)のスポンサー募集も兼ねたものとなっています。プレイ中の佐俣女史のシルエットがプリントされたフライングディスクや自身をマスコット化した人形といった作品のほか、試合で着るウェアに名前を記入できる権利や試合中の彼女の行動に介入できる権利が販売されておりまして、当方が接した際にはウェアにそこそこスポンサーの名前が入っていたり、行動に介入する権利もいくつか売れて(売れて?)いました。一般論として、野球やサッカーなどのように運営母体が高度に整備され潤沢な資金が流れこんでいる競技ならともかく、そうでもないものに関しては選手個々人が自分でスポンサー=タニマチと契約しなければプロ選手としてやっていけないものですが、それをギャラリー内で行なっているというわけですね。
「ワルシャワ。灰の中から甦る不死鳥」展|開催中〜7.14|ピースおおさか(大阪市中央区) https://www.peace-osaka.or.jp/sys/wp-content/uploads/2024/03/MPW-JAP-ulotka-OSAKA-REAL-20240221.1429.pdf
1944年のワルシャワ蜂起から80年を迎えるのを機に、ワルシャワ蜂起博物館との共催で開催されているとのこと。パネル展示のほか、毎週土曜日には記録映画の上映会が開催されるそうですが、当方、土曜日はよっぽどのことがない限り、仕事ですからねェ……
https://www.instagram.com/p/C51sy-0y_GB/?igsh=MTZiNHowdHF6MWZ4Mw==
この展覧会のオープニングに際会した、日本におけるポーランド現代芸術研究・紹介の第一人者である加須屋明子(京都市立芸術大学教授)女史によるレポートがinstagram に上がってました。日本人にはあまり馴染みのない出来事ながら、ポーランドの民族的・国民的記憶の根幹にあるだけあって、ポーランド側が相当気合を入れて紹介しているようですね。これは上手く時間を作って見届けたい。
丹下健三の生涯を描いた漫画『丹下健三 ~世界のタンゲと呼ばれた建築家~』のオンライン版が公開。愛媛県今治市の制作で無料閲覧が可能 https://architecturephoto.net/205849/
あとで読む
寺田倉庫が京都市立芸術大学内にアート複合施設をオープン。レンタルアトリエと美術品保管庫を設置 https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/28800
京都市立芸術大学、周辺に空き地や更地が依然として広がってますから、そこに寺田倉庫が何か建てるんかなぁと思ったら、大学の校舎内に設置するそうで。まぁ──かつて崇仁地区と呼ばれていた──あの周辺の空き地や更地は土地の利権もとい権利関係が複雑怪奇と言われておr
レンタルアトリエはともかく、ストレージ機能だったら、移転前のキャンパスを再利用すればいいような気もするところですが……
展覧会めぐり、後場は大阪市に移動し、Oギャラリーeyes→BEAK 585 GALLERY→ギャラリー白&白3&白kuro→天野画廊→gekilin.→SUNABA GALLERY→アトリエ三月と見て回りました [添付: 8 枚の画像]
あとで読む
BlueskyやThreadsに受け継がれたネット原住民の叡智 – WirelessWire News https://wirelesswire.jp/2024/04/86389/
福田美術館、先述した「進撃の巨匠」展もそうでしたし、このあと予定されている「開館5周年記念特別展 京都の嵐山に舞い降りた奇跡! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!」展(2024.10.12〜未定)もそうなのですが、タイトルがノリノリが展覧会が割と散見されておりまして、前者は有名マンガの本歌取り(本歌取り?)、後者はギャル構文こんなギャルが実在するかどうかは知りませんが(おそらく存在しない)のパクリと、なかなかに元ネタを広く漁っているわけで、してみるとそのうち進次郎構文も持ち出してくるかもしれない──「日本画は美しい。 だから日本画は美しくなければならないと思っている」展とか ←←
君があまりにも綺麗すぎて ~福田コレクションの美人画~ https://artexhibition.jp/exhibitions/20240327-AEJ1943837/
2024.4.19〜7.1、福田美術館&嵯峨嵐山文華館(ともに京都市右京区)。先週まで「進撃の巨匠」展を開催していた福田美術館、次は嵯峨嵐山文華館との共催で美人画展を開催するんですね。昨年は橋本関雪展を共催してましたし、かような形での共同企画が続いているようで。福田美術館では近代以降の日本画家たち(上村松園、鏑木清方、伊藤深水etcetc)による美人画を、嵯峨嵐山文華館では主に浮世絵(歌川広重、葛飾北斎etcetc)の美人画を展示するそうです。
日本と韓国における陶芸文化の発展と継承の過程を紐解くドキュメンタリー 映画『ちゃわんやのはなし―四百年の旅人―』 https://otocoto.jp/news/chawanya0411/
5月18日の東京を皮切りに、大阪では6月15日から第七藝術劇場にて上映開始とのこと( https://www.sumomo-inc.com/chawanya )。薩摩焼の十五世沈壽官と司馬遼太郎の交流とのエピソードはそれなりに知られていますが、その二人に限らない日韓間の歴史にまで視野を広げてドキュメントされているようで、これはちょっと気になりますね。
ナレーションは、俳優の小林薫が務めるそれって「新」がつかない、エプソン一社提供だった頃の『美の巨人たち』ですやん。最高かよ
2024年 第1回企画展のご案内 開館30周年 没後20年 加山又造三味 ―静寂・妖艶・華麗ー
https://www.komagata-museum.com/344-2
開催中〜2024.6.16、駒形十吉記念美術館(新潟県長岡市)。同美術館が所蔵する加山又造(1927〜2004)作品が中心のようですが、これ今の京都市京セラ美術館で開催されて──現代美術家となる以前に加山門下の異端系日本画家としてデビューしていた──村上隆氏の個展と両の目で見られる機会が作られてほしかった←←
現在開催中の村上隆「もののけ 京都」展については、そのうち有識者がいろいろな角度から論ずるでしょうから──今のところ管見の限りでは、今月号のアートコレクターズ誌に樋口ヒロユキ(美術評論家、SUNABAギャラリー社長)氏によるレビューが載っているくらいでしょうか──様子見モードですが、良くも悪くも大きな影響を受けたと公言している加山の生地でもある京都での個展であるという事実は、村上氏と日本画とりわけ戦後の(加山もそのひとりである)「五山」との関係から氏の仕事を見直すことを要請しているかもしれません。今や村上氏の代名詞ともなっている〈スーパーフラット〉は、(当人がいかに違うと強弁していても)上記のようなローカルなvs日本画壇という文脈にも深く規定された場から出てきた概念であり、そしてかかる文脈から見たとき、加山は村上氏について論ずる際のキーパーソンになるであろう──などと言ってみる
好事家、インディペンデント鑑賞者。オプリもあるよ♪