富永親徳という近代洋画家がいた―記録と場所をたどる― https://artexhibition.jp/exhibitions/20241026-AEJ2460664/
開催中〜2025.1.13、小金井市立はけの森美術館。
富永親徳(1896〜1964)の生涯についてはリンク先を要参照ですが、東京美術学校で洋画を学んだ後は一介の美術教師として過ごしたという。そんな、少し前なら「日曜画家」と呼ばれたであろう富永の回顧展を、同時代人であり官展で高位を占めるも、そのために戦争画といった国策に振り回されもした中村研一(1895〜1967)の自宅&アトリエを改装したはけの森美術館で行なうというのは、着眼点としてなかなか面白い。まぁ当方は例によって東京にはなかなか伺えないんですが……
【速報】トランプ氏は、実業家イーロン・マスク氏が「政府効率化省」を率いると発表した:時事ドットコム https://www.jiji.com/jc/article?k=2024111300322&g=flash
「政府効率化省」というパワーワード [参照]
KATO Takumi Solo Exhibitions 2024-2025|2024.11.23〜12.22(前期)、2025.1.9〜26(後期)|the three konohana(大阪市此花区)
──DMが届きました。岐阜県を拠点にしつつ、最近は中京〜関西圏のみならず、フィンランドで滞在調査を行なうなど、活動の範囲を大きく広げている加藤巧(1984〜)氏ですが、the three konohanaでは2021年以来となる個展は二部構成で年を跨いでの開催となるとのこと。前期は「愛情、畏敬、恭順、忍耐 -Enthusiusm, Reverence, Obedience and Constancy-」展、後期は「Shadow Works」展。
加藤氏は、中世〜ルネサンス期の絵画技法であるフレスコやテンペラの研究・実践からスタートしつつ、近年は絵画特に絵具を成り立たせている諸材料にまで考察を広げ、絵画を「事後的に絵画と呼ばれることになる何か」へと書き換えることで未踏の境地を邁進していますが、先述したフィンランドでの滞在調査などの成果も加わることになるんでしょうか。これは要注目
岡本奈香子「The Pink Aanaconda」展|2024.11.16〜30|CAS(大阪市城東区)
DMが届いてました。当方、岡本奈香子氏については何も存じ上げませんが
脳のメカニズムと創造性の関係に興味を持ち、これまで脳磁気刺激や感覚遮断実験などを通して、美術、脳神経科学、文化人類学といった多様な分野を横断しながら、その根源を探り続けてきました。(DMより)という活動をしてきたそうで、で、今回は
本展では、ペルーのアマゾン奥地イキトスでの伝統儀式を通して得た体験をもとに、制作した作品とリサーチの成果を発表します。(DMより)とのこと。(リサーチやドキュメンテーションをメインとした類の)現代アートと文化人類学とは、少なくとも日本においては相変わらず一致しているようなすれ違っているような状況ではあるように見えますが、この展覧会ではどうなんでしょうか。最終日の11月30日には岡本氏による研究スライドの発表&パフォーマンスが予定されています
ベネトンが日本撤退 イタリア衣料ブランド、SNSで表明 - 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC243ZN0U4A021C2000000/
ベネトン、さすがに当方は買ったことがありませんが、かつてオリビエーロ・トスカーニが広告写真において渋谷のJKを──明らかにアレクサンドル・コジェーヴを参照しつつ──撮影していろいろ物議を醸してたのを思い出しました……
あのとき被写体になった渋谷のJKと、例えば東浩紀氏が同世代なのを考えると、まぁトスカーニが収めた射程の広大さ&ヤヴァさが分かるというかなんというか……
詳しくはこちら↓ ほどなくしてロスに巡回し、オークション自体はNYで行なわれるらしい(そらそうよ(←岡田前監督並感))
予想落札価格は約1.5億〜2.3億円。マウリツィオ・カテランの“バナナ”がサザビーズに出品 https://bijutsutecho.com/magazine/news/market/29751
バナナをテープで壁とかパーテーションとかに貼りつけた作品として、初出当時物議を醸してたマウリツィオ・カテラン《COMEDIAN》が某サザビーズによって丸の内某所で展示されているとか。このあとオークションにかけられるとのことですが、エスティメートは1.5億〜2.3億円だそうで
当方は結局行ってませんが、先週末の京都ではART KYOTOやArt Collaboration Kyotoと同時期にARTAOTA( https://artaota.jp/ )なる若手発見イベントも開催されており、しかしそれにしてもこのネーミングでOTA FINE ARTSと無関係なのはどうなん!? となってしまう
なお会期中の11月30日には、橋本氏と足利市立美術館の江尻潔氏による対談「超越的存在は描き得るか?─実在と存在のあわいをめぐって─」が開催されるそうです。当方は仕事なのでうかがえませんが、一昨年の個展の際に宮下規久朗(美術史家、神戸大教授)氏を招いた対談でも橋本節が大爆発していただけに、今回もきっとものすごいことになるんでしょうなぁ。その際の覚書はこちら↓
https://note.com/ymyh/n/nc26854ae4f8f
https://note.com/ymyh/n/n551a31adc74b
橋本倫展|2024.11.15〜12.14|+Y GALLERY(大阪市中央区)
DMが届いてました。ポストもの派や(峯村敏明(1936〜)御大が1980〜2000年代に企画していた)「平行芸術展」ゆかりの美術家たちの個展をしばしば行なっていることで、さながらなびす画廊大阪支店といった相貌すら呈している+Y GALLERYですが、東京を中心に、そのなびす画廊で個展やグループ展を重ねていた橋本倫(1963〜)氏の、同所では一昨年以来となる個展。
実在物の属性から分離されて独立に存在し、且つ、実在物を媒体としてのみ擬似可視的に顕現し得るもの。それを宿したモノこそが形而上的実在物たる具象物、すなわちシンボル=イコン=具象的抽象/形而上的具象と化す。「平行芸術展」ゆかりの美術家に広く薄く見られる傾向でもありますが、橋本氏はしばしば絵画によって/絵画を通して「形而上的実在物」を「顕現」させようとしており、実際、一昨年の個展では神話的形象を大胆に導入した大作絵画を出展していたもの。今回は《長年にわたり魅せられている素数分布論に題材を得た数学的存在の擬似可視化たる”イコン”の制作を試みた》そうで、当方は数学に関してはクソザコナメクジなのでアレですが かかる「擬似可視的に顕現し得るもの」を描くことを通していかなる地平を描き出そうとしているか。もろもろの人間的な領域の彼岸における〈超越的・形而上的なもの〉をめぐる技芸としての美術という問題系をめぐる美的実践は、近年のアートシーンではとんと見られなくなっただけに、橋本氏の奮闘ぶりに注目したい。
「メディウム」第5号ジョナサン・スターン特集に未邦訳の最近著「Diminished Faculties」のレビューを寄せました。バチバチに気合入れて書いた原稿の一つです!!メディア論と障害学、クィア論などを橋渡しする超重要な本なので、みんなに読んでほしい一心で書きました。同じく日本語訳されてなかった「フォーマットは存在しない」や、フォーマットスタディーズ論集の「Format Matters」編者のひとりアクセル・フォルマーの翻訳があるのもアツい! https://x.com/Medium_Schrift/status/1853395206097244299
好事家、インディペンデント鑑賞者。オプリもあるよ♪