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そんなわけで、この展覧会では、単に仏像や仏教美術を展示するというものではなく、壊れた仏像の修理可能性/不可能性について仏師のコメントがあったり、さらには別のお寺からのオファーも随時待っていたりと、あくまで宗教性を背景とした礼拝的価値の側面からの実践的な説明ないし文脈化が図られていたと言えるでしょう。博物館(や、場合によっては美術館)を会場に、宗派を問わない特定の大寺院の所蔵している仏教美術を紹介する展覧会が盛況を迎えているものですが、そのような流れに安易に与しないことでも、ありがちな仏教美術展のカウンターともなっていたのではないでしょうか。12月9日まで。

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かような文脈のもとで集まってきたものですから、展示物の大半を占める(主に中世・近世に作られた)仏像も五体満足なものは少なく、部位が欠けたり、ものによってはバラバラになってしまったものも多い。当方は別に何かの宗教・宗派を熱心に信仰しているというわけではないんですが、そのような視線から見ても、壊れてしまった仏像たちが事態の深刻さを雄弁に示していることは分かりますし、関係者からしたら、たとえ開眼供養ならぬ閉眼供養を経ているとしても、断腸の思いで晒していることも痛いほどわかる。実際、展示されている仏像は、もしこのまま引き取り手が現われなかった場合、お焚き上げ=焼却処分もありうるそうです。引き取り手が現われ、「ふたたび拝まれる日」を迎えた岩手県と奈良県のお寺の事例がパネル形式で紹介されていたから、余計に危機感が伝わってくる。

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佛教大学宗教文化ミュージアムで開催中の「拝まれてきた仏像 ─ふたたび拝まれる日をまつ─」展。同大学の母体となっている浄土宗が来年開宗850年になるのを機に企画されたとのことですが、「拝まれてきた仏像」という展覧会タイトルと以上のような経緯とは裏腹に、宗教団体としての浄土宗が現在進行形で直面している、特に地方におけるお寺の後継者不足とそれによる廃寺の増加という問題をあえて前面に押し出すものとなっていました。浄土宗では諸事情から住職がいなくなってしまったお寺にあった仏像などが本部に移管されることがあるそうで、今回は全てそのような形で本部に集まってきたものが出展されています。宗教系大学の附属施設が企画する展覧会としてはかなり異例であり、当方もさして広くない展示スペースを回りながらぇそこぶっちゃけるん? と驚くことしばし:blobcatfearful:

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展覧会めぐり、本日は京都。前場は佛教大学宗教文化ミュージアムを見て回りました

「日本画の棲み家」展については、先日行なわれたという事前勉強会のことが記事になってますね

【予習会レポ】「日本画の棲み家」泉屋博古館東京(11月2日から)キーワードは「床の間芸術」「非展覧会芸術」  artexhibition.jp/topics/news/2

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Insight 30 “家の中で/at home”|2023.11.11〜26|Yoshimi Arts

DMが届いてました。企画展風味の常設展といった趣のInsight、今回は「家の中で/at home」というタイトルですが、この前まで国立国際美術館で「ホーム・スイート・ホーム」展が開催されてたり、先日から泉屋博古館東京で「日本画の棲み家」展が始まったりと、今年は美術館レベルででも「home」に焦点を当てた展覧会が続いていることを受けているとしたら、相変わらず目端が効いている。画像は笹川治子《セキュリティーシステム J》(2011)

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【本日お救いした文物】松井優征『逃げ上手の若君』第13巻(集英社)

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青森の美術館など5館で「AOMORI GOKAN アートフェス2024」が4〜9月に初開催。参加作家や概要が発表 tokyoartbeat.com/articles/-/ao

青森県立美術館、青森公立大学 国際芸術センター青森、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館で開催、全会場が見られるコア期間(コア期間?)は2024.4.13〜9.1。《ディレクターは置かず、この地に根差して活動する各館のキュレーターが協働して実施するのが大きな特徴だ》とのことで、五つの施設の個性を楽しむ系のイベントになりそうですが、青森県までの交通費も、青森市&弘前市&十和田市&八戸市相互間の交通費もシャレにならないでしょうから、車の運転ができないと県内を回れる気がしない…… :blobcatfearful:

くっそこんなのでwww となりながら仕事に取りかかったら、「デカ暖」という退廃的な商品名のストーブを見かけ :ablobcatgooglymlem: <BT

qvc.jp/product.709790.html [参照]

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冬になるとストローブ=ユイレを思い出すんです。特に、ストーブに、油を入れるときに……

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他にも象やペリカン、フラミンゴ、牛、鹿などが描かれた作品が出てましたが、しかしそれにしても、シロテナガザルを描いた幸田暁冶(1925〜75)の《手長猿》(1966)への飼育員のコメントに「京都市動物園にいるオスの「シロマティー」」という一節があって草不可避。シロマティーってェ……:blobcatnervous2:

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写生&テクニック番長として京都画壇に重きをなしてきた栖鳳のことですから、その弟子たちも写生原理主義的な作風となっており、京都市動物園にはだいぶ通い詰めていたらしい。ですので、出展作も基本的に真っ当に動物を描いたものが多く、飼育員のコメントも辛辣さはなくて、描かれた動物の生態などをちゃんと紹介するものとなっていました。西村五雲(1877〜1938)の《海驢》(1934頃)の紹介文に「(絶滅したとされる)ニホンアシカである可能性が高い」という本質情報が唐突に出てて驚。この飼育員さんGJ。絵の方は、アシカのとぅるんとした質感をたらし込みの技法でうまく表現しているところにプロの技が光る佳品であったと言えるでしょう。その一方、その隣にはこのあと虎やライオンのエサになる予定のウサギを描いた《園裡即興》(1938)があり、やめたげてよぉ:blobcatfearful: となるところ。

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京都市京セラ美術館、この「Tardiologyへの道程」展以外にもいくつかのコーナーがありましたが、中でも割と多くの作品が展示されていたのが「動物にクギヅケ 〜 日本画家のアツいまなざし 」というコーナーでした(ここだけ撮影可)。近所にある京都市動物園が今年開園120周年になるのを記念して、京都市美術館が所蔵している日本画の中から動物をモティーフとした作品をチョイスし、いつものキャプションに加えて、動物園の飼育員のコメントも掲示されているという構成。ちょうど企画展として竹内栖鳳展が開催中ということもあってか、栖鳳をはじめ、弟子や孫弟子にあたる画家たちの作品が中心でした。 [参照]

あたしか  
京都市京セラ美術館の常設展、秋季の特集展示は「Tardiologyへの道程」というタイトルで、野村仁(1945〜2023)が京都市立芸術大学彫刻科に在学中の1968年に発表した《Tardiology》を中心に、彼がこの作品を作るに至るまでを、その頃の彫刻科の教員であった辻晉堂(1910〜81)...
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