鶯豆 @ugmm_@fedibird.com

小さな手がそろそろと額や頬に触れ、ゆっくり離れていった。気怠さに重く落ちていた目蓋をスキピオがどうにか持ち上げたとき、その子はそばを離れようとしたところだった。目が合って、しまったという顔をして、けれど逃げずに一歩寝台へ近付く。
部屋は明るかった。うんざりするような暑さなのだろうが悪寒ばかりが明確で、努めて穏やかな表情を浮かべようとしても子供にそれが伝わらない程には顔色も悪いらしい。
「大丈夫……」
囁く小ささの声に子供は頷き、微笑んだ。こういう時の気休めはかえって不吉に響くのを経験から知っていたが言わずにいられなかった。その子の目に浮かぶ不安を拭ってやる方法がなにも思いつかなかったのだ。
まだ死なないで、まだ、自分の番にしないで……そう言い募りたいのを堪えて心から養父を案じる、優しい子だ。まだ、この子には自分が必要だった。この家に確かな居場所を得ておらず、ここにいてもよいのだと信じきれていない子供には、その存在を望んでやまない誰かがいてやらなくてはならなかった。自分が負いきれなかった名を継ぐ子供にしてやれることを見つけて、スキピオは確かに幸せだった。だから、この子にもそれを信じてほしい。
「大丈夫だよ」
ずっと昔、自分にそう言い続けた父の願いを、ようやっと受け取れたという気がしていた。

ご家族への手紙ですかと言いかけ、やめられたのまではよかった。彼に子がなく妻との折り合いが悪いことは知っていたし、仲の良い兄はまさにこの陣営で軍団の半分を指揮している。だから書きかけの手紙は知らぬふりをして、当初の用向きだけを済ませるべきだと思った、そこまではよかったのだ。
しかし当のスキピオが「君の父上への返事を書こうと思っていたところだ」と言い、「君の送る返事と一緒に送ってもらえるかい」と加えたので、何かがずれてしまった。勿論と頷けばいいものを、送られてきていない手紙に書く返事はないと口走ったほどには。スキピオは少しだけ不思議がる目をしたが、ならば君の近況をもっとたくさん書かなければとパピルスを見下ろした。
「僕が書かなくても伝え聞こえているだろうけれどね」
「……いい子にしていると」
「うん？」
「書いてください。養父もあなたが言うなら信じるでしょうから」
どんな想像をしたものか、スキピオは笑って肩を竦め、なにも答えなかった。それが了承を示す仕草だと察して久しい。養子を誉める手紙をスキピオから受け取ったミキプサの顔を思い浮かべ、いっそなにも書かないでくれと言えばよかったと思った。

使節としてアカイアから派遣されてきたテアリダスお兄ちゃんが弟のこと心配してたのに年下の庇護者にちやほやされてる光景に直面するところ見たい　話には聞いてたけど思ってたのと違うな…って思ってほしいけど、多分ポリュビオスの書き送る手紙には小ピオとはちゃめちゃに相思相愛ですって書いてる

ポリュ先生が当然のように小ピオに無心してたら興奮しちゃうな……生活費は当然出してるとしてお小遣いあげてたらどうしよう…

ポリュビオスは出自経歴能力諸々つよつよで生きてきたけどローマに全部ひっくり返されてるので、小ピオとは無力さを覚える順序が違うし、ポリュビオスが失ったものはもう返ってこない

弱い側と見做されかけた反動でめちゃくちゃ強がっているし弱い側を下に見ている(頑張れば「上がって」こられるだろうにそうしていないと思っている)小ピオ、私はいじらしくてかわいい…みたいな気持ちになります　ポリュ先生はどうですか　小ピオは最初から立派な志を持って優れていたし可愛かったと…なるほど…

小ピオって「女々しい」とか言うんだろうな〜と思って…グゥウ…ウ…かわ…いや…ギリチャームポイント…あの時代でそういう感覚でもの言わない人の方が絶対少ないけど…

ここをアプリから見てたけどもしかしなくてもブラウザで表示される機能が表示されてないな？

陣営のテントで事が起こってほしすぎるけど執政官や法務官は当然のこと軍団副官のテントにも護衛の兵士がついてるしテント並んでるので…無理！というのをどうにかして事が起こってくれんか？　グルッサが補助軍スペースの自分のテントに小ピオを連れ込む形ならなんとかなるかもしれん

カルタゴの城壁冠……

ティベリウスが晩年行き詰まって父の彫像の足元で泣くのがほんとうに悲しいんだけど　そういう父親への思慕にあたるものをガイウスはティベリウスに向けている、と思っている

グラックス兄弟のことだいぶそういう目で見てるけど兄弟がどっちも生きてた頃に何かあったと言うよりはティベリウスが死んでからガイウスのなかで兄の存在が大きくなりすぎた結果で、死後妄想でもお互いへのイメージが現実と乖離してるだろうな…と思う　父を知らないガイウスにとってティベリウスがどれほど重要な存在だったかは前提として…

Tumblrを数年放置してるけどちゃんとタグ付けしたイリアス関係の絵は知らん間に反応貰ってるな　小ピオを見ろ

小ピオが見てこの犬かわいいねって言うとき　小ピオと一緒に犬を見てかわいいねって本心で言うのがラエリウス、いい組み合わせだなと思いながら頷くのがポリュ先生、犬に興味ないので小ピオを見てるのがメテルス

創作上のメテスキは小ピオがメテルスに好意を向けてメテルスからの応えは殆どなく小ピオは何か返ってくるのを期待して相手を好きなわけじゃないので気にしてない状態だけど　史料では二人の対立が感情的なものでなかったことと、小ピオの死に際してメテルスが生前の政治的対立を越えて小ピオの尊厳を守ったことだけが分かる　これを捏ねるとごくごく個人的だった小ピオの好意は他者から見えず市民に対し行動を見せたメテルスの感情だけが見えるということになります

死人はその気持ちに返事しないっていうところに足を取られてこうなってるのでは

なんにしろメテルスは小ピオがローマ以外に生まれなくて良かったって思ってるから私は無敵なんだけど………

メテスキの何がいいってメテルスのどこをとっても小ピオが好きそうな人なところ　メテルスのよくないところは小ピオがメテルスをどう思ってたかどこにも書いておらずキケロが対立しても憎悪はなかったから！！って言うのを信じる他ないところ　矛盾

小ピオは母親似の顔だけど離縁された前妻に似てるという話は誰もしないので祖父と同じ髪の色だねえって言われるという設定、特にどこにも生きないけど異母弟が父親そっくりだと継母が繰り返し口にするのを黙って聞いてる小ピオとファビウスみたいな空気がパウルス家にもある…かもしれない