『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』観た。わたしは物心ついたときからずっと死にたかったし今も隙あらばと思っているけど、もし10年後、30年後にもちゃんとまだ生きていたとしたら、要因はもちろん他のものもたくさんあるだろうけど、ボウイの思想や生き様の影響がすごく大きいはずで、この思想や生き様をこれ以上ないくらい凝縮したのが本作品。この映画のおかげで生き延びた、と思う日がいつか来るのかもしれない。
ボウイの偉いところは若くして自殺やそれに類する死に方をしなかったことだという言説をどこかで観たことがあるし本当にそうだと思うし、「神を信じるか?何か崇拝しているものは?」と聞かれて「類する概念は信じているけど名前はつけたくない。崇拝…?自分の人生を愛している」と答えたボウイをかっこいいと思うことは、自分の死にたさと相反することになる気がして苦しかった。
インタビュアーの質問とかファンの絶叫以外は全ての言葉がボウイ本人のもので、当人逝去後数年経った今になってこれだけ濃いものを作れるって本当にすごい(観る前はどうせ関係者のコメントとかばっかりなんだろうなと思ってたのでびっくりした)。
チャップリンやメリエスの版権切れ映画の断片もたくさん含まれていたので、教養があるほど楽しめそう。教養がほしい。
内容とか音楽とか編集が良すぎて言及し忘れてたけど、顔もめちゃくちゃ良い。美しすぎ。『戦場のメリークリスマス』出演時や80年代のMVを始めとした「The 白人男性(見た目もだけど概念として.白人男性という概念を文字化するときわたしはマジョリティ・侵略者というよくないイメージを連想している) 」という雰囲気を踏まえてなおかっこよくて愛さずにいられない姿も、『地球に落ちてきた男』『ラビリンス 魔王の迷宮』など人外を演じたときの異質で孤独な存在としての姿もとにかく全部かっこよくて、美しくない瞬間がなくて引くレベル。かっこいいよう……