その昔、新古書店ブームがめちゃくちゃ吹き荒れたころ、
「本は新刊で買うべきだ。古本では著者にも出版社にも一円も入らないから、出版界が衰退する」
という説が主流だった。自分もそう思っていた。
シリーズ物などは、売れ始めると新古書店で多く回るようになり、重版のスピードが鈍ってしまう。編集さんから「新古書店がなければもう何巻か続けられたシリーズも多い」と聞いて、困ったことだと思っていた。
さいきん、業界外の若い方々とお話しすると、通販で古書で本を買って、読んだら売る、という方がやはり多い気がする。丁寧に読んで、次の読者に回す。お金の問題ももちろんあるけれど、環境問題が関係しているように感じる。自分一人が新品を買って、読んで、終わり、とするのは、資源を大事にしていない、大事に扱って次へと回せば環境にもよい、という問題意識が根底にあるように思う。
それも正しく感じ、自分もさいきん、行動をそう合わせるようにもなってきた。とはいえ、自分は本を作っては売る側でもあり、資本主義…環境問題…うーん…考える…
また答えがない。
ただただ、日々、難しい。
先月、新人の方の作品の書評を書いたのだけれど、とても怖かった。
ご本人の預かり知らぬところで、編集部が依頼し、誰か(この場合はわたし)が書くのだが。書き手が自分の柔らかくて無防備な内面を開示して、大切なことを伝えてくれている作品に、〝評する〟立場から、無断で土足で侵入して踏み荒らすような怖さがあった。
これまではそんなふうに思ったことがなく、書評や解説、読書日記を自由に書いてきた。もちろん、作品と作者への敬意があるかを自己確認しつつではあったけれど。
評する側の一方的な〝権力〟の勾配を初めて自覚したのかもしれない。
小説でしか触れられないだろう、誰かの本質的な美しい部分に踏みこんでから、悪意を持って相手の心を壊すようなアプローチも可能なのだろうと思った。多くの評者がそんな酷いことをしないのは、ただ個人の良識のみにかかっているように感じて怖かったのかな?
考えた末、冷静な分析で書き終えたところを幾度も直し、なんというか、著者の方とフラットに向き合い、素直に自己開示しつつ寄り添うような書き方に変えて入稿した。ともかく先月のわたしの判断ではそうなった。
難しい。
引き続き考え続けていきたい。
電子書籍で失敗しAmazonに惨敗した老舗書店チェーンがリアル書店で売上を好転させた方法|GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20230105-barnes-and-nobles-turnaround/
「○○問題」という言い回しに感じる違和感。「徴用工問題」「従軍慰安婦問題」「LGBTQ問題」とか言われる、確かにテーマはそれぞれ徴用工であったり従軍慰安婦だったりLGBTQだと思うけど、問題の主体は日本社会がそれをきちんと認めてこなかったことにあるので、全部「日本社会の不寛容・不正義問題」なんだけど、「○○問題」という言い回しになると、まるで○○に該当する人々そのものが問題=好ましからざる存在の様に聞こえて大変よくないと日頃思っている。
AIによるアートに私が以前から反対している理由の大部分がここに書かれています。
AIによるアートは、誰かが苦労してクリエイトしたアートをデータとして使っているものであり、盗用なのだということを想像したことがない人が多いと思うのですが、この際考えていただければ嬉しいです。
AIによるオーディオブックのナレーションに反対する理由も先日YouTubeで語りましたが、同様の理由です。
https://www.nytimes.com/2022/12/31/opinion/sarah-andersen-how-algorithim-took-my-work.html
2022年の締めくくりに頭を流れているのは何故かこの曲でした。
https://youtube.com/watch?v=1G4isv_Fylg&feature=share
【1/13(金)】東京芸大特別講義 ラステシス「フェミニスト・パフォーマンス——学際的な創造のプロセスについて」 オンライン
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科は、1月13日(金)にラステシスによる特別講義「フェミニスト・パフォーマンス——学際的な創造のプロセスについて」を開催します。
この度、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科では、チリのフェミニスト・コレクティヴであるア
https://undou.net/blog/2022/feminist-performance-on-the-process-of-interdisciplinary-creation/
Discovered this amazing virtual exhibition about thousands of 17th century letters in the Dutch postal system that were never delivered!
New technology enables them to be read without being opened. Learn more here:
http://brienne.org/unlockedbriennearchive
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