これをもって当企画のお話は終了とさせていただきます!
約二か月間、皆さまありがとうございました!

UNDER SIDE④ 

そういえばあの怪異達、憑りついた人間の影響を外見に強く受けたワウね。
………あれ?

そういえば。

ワンって元からこんなんだったっけ?

せんじゅさまは犬の姿をしてるワウ?

………ああ、なんてこと。
あいつらと一緒なんだ。

ワン、よりによって……犬に。

UNDER SIDE END

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UNDER SIDE③ 

ジャック・オー・ランタンが大人を選んだときはびっくりしたワウよ!
まあ、先に子供を取られちゃってたからそうなるワウけどね。
レンくんが願ったからできたことワウ。
レンくんが願って、ジャック・オー・ランタンが力をつけていたからワンの力も働いた…ワウワウ!共同作業ワウ!
できなかったらどうしようかと思ったワウ。

ん?

あいつらはあの駅にいた怪異程の凶暴性はないワウよ。
君たちが夜な夜な見ていた夢で君たちを襲って、うまくいけばあいつらは力を得る…力は徐々に蓄積されて、力がたまれば晴れて現実でも憑りつくことができる。
そういう仕組みだったワウ。
思い当たるもの、あるワウよね?

全く、天親くんがあんなもの持ってなければもっと手っ取り早くできたのに!

まあ邪視とか姦姦蛇螺みたいな奴らはどうかわかんないけどね。
あの駅にいた怪異達は、目的が出来ちゃったから。あと、ちょーっとワンの力が働いてあんな感じだったワウね!

まあでも、もしあいつらの身内や知り合いがワンを呼び出して、同じように願ったら……ワフフ!どうなるか楽しみワウね!

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UNDER SIDE② 

怪異達についてワウ?
言ったとおり、この世界の怪異達は人間を取り込んで力を持っていたワウ!
人間を取り込んでからは存在をより強いものにできてたからあいつらはそれでよかったワウけど、戻すようレンくんに願われたらそうもいかないワウね~

ところで君たち、"この世界"で起こる事件や事故ってなんだと思うワウ?

人間の悪意や憎悪による事件。
疲れや寝不足、不注意などで起こる事故。
色んなものがあるワウけど、それって全部人間だけで完結する話ワウ?
レンくんの家族みたいに、怪異のせいで事故や事件に巻き込まれた人ってどのくらいいると思うワウ?
ワフフ!ワウはわかんないワウ!

まあでもあいつらみんなワンの言うこと聞いてくれてよかったワウ。
せんじゅさまは"そういう怪異"だから願われたことで力が働いたワウ?
それとも、怪異の中にいるレンくんの身内の意識が働いたかもしれないワウ?
あいつらはもう人ではないワウ!怪異ワウ!
どっちで考えてもいいワウよ!確かめようがないんだから。

…八尺様には驚かされたけど。

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UNDER SIDE① 

ワウワウ!
ワンが人面犬だと思ってたお前、マヌケワウ!
ワンを見るとすーぐ人面犬だと言う奴がいてしつれーワウ!
せんじゅさまにそんなこと言っちゃダメワウよ!

そうそう、ワンことせんじゅさまの呼び出し方、教えてあげるワウ

用意するのは、
[黄色いお花]
[鈴]
それから、[願い事]ワウ!

まずこれは、子供の多くいる場所で行うワウ。
公園とか、学校が良いワウね!

持ってきた黄色いお花を持って願い事を口に出して唱えると、せんじゅさまが現れて素敵に願いを叶えてあげるワウ!
ワンが出てきたときに鈴も鳴らせば不幸も払ってくれるワウけど…レンくんは焦ってそれを忘れちゃったワウね!ワフワフ!

……まあ、[せんじゅさま]を呼び出して願いを言った人間はその後"幸せすぎて"失踪や自殺をしてしまう、なーんて不穏な続きもあるけどね。ワウワウ

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ここからは、裏話を少し出させていただきます。
蛇足となるかもしれませんので、閲覧は自己判断にお任せします!

SCENE10 エピローグ⑪ 

「受験勉強もしなきゃだけどね…あはは」

受験という言葉を聞き、貴は頭が重くなった。
これから自分たちはまだまだ考えることが多く、やるべきこと、やりたいことも多いのだと実感した。

生きる上で、大切なことなのだから。

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亘貴 生還
野々宮真琴 生還
一ノ瀬碧斗 生還

仄聞憑依 END

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SCENE10 エピローグ⑨ 

戻す方法。
先ほど会った、春夏冬レンの父親を見て、その方法は確かにあることが分かった。
だが、それは犠牲の上で成り立った方法だ。

死んだ人の命を救う方法。
そんなものが何の犠牲も無しにあるわけがない。
それは貴の真琴の中にも存在する考えだろう。
それでも、怪異と引きはがし成仏させる方法くらいは、あるのでないか。

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SCENE10 エピローグ⑧ 

「方法はわからないけど、私は諦めたくない」

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SCENE10 エピローグ⑦ 

そう。
獣誘渡駅で生まれた怪異がこちらの世界に来てしまったのだ。
あの時電車で見た皆の姿は嘘ではなかった。

ああいった怪異達は元は伝聞により生まれた存在であることが多いのだと思っている。
例えば、怪人アンサーなどはそれが明確に明かされている怪異らしい。
ならば、彼らを消すことのできる対処法を広めることができればそれは彼らという都市伝説の一部に成り得るのではないのだろうか。

それが、彼らを成仏させる唯一の方法なのかもしれない。

あるいは、皆が怪異達を意識せずに忘れ去ることが条件になるのかもしれないが、それはおそらく元の人間のことも忘れる必要があるのだろう。

もう、混ざってしまっているのだから。
忘れてはいけない。

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SCENE10 エピローグ⑥ 

レンが嘘をついていたようにも見えない。それはつまり、あの世界で死んだ者の代わりに死がなくなったのがこの男性…レンの父親ということなのだろう。

信じられないが、信じられないことはもう十分経験していた。

「私達もレンくんと友達だったんです。けど、見つけられなくて…」

野々宮真琴が返事をしていた。
知らないとも言えず、しかしあの非現実的な話をするわけにもいかずそんな返しをしていた。
その後、レンの父親とレンについての少し話をし、別れた。

「見つかると、いいな」

戻ってきてから気になることがもう一つあった。
それは自分自身さっきから感じている目線だった。
振り向くと、自販機と自販機の間からこちらを見つめる目と目があってしまった。
未だに不気味に感じる。

そしてインターネットには最近はやり始めた都市伝説の話題が出ていた。
自身のいる場所に近づいてくる謎の着信。
手に鎌の刺さった白くて巨大な男を見たという話。
山奥に出てくる下半身が蛇の、男の化け物の話。
隙間から出てくる腹の裂けた女の話。

調べたところ、海外でも雪道に現れる小人の話や、嘘ばかりつくカボチャ頭の男性の話。

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SCENE10 エピローグ⑤ 

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三人で様々なことを調べたのち、亘貴と野々宮真琴はこの日偶然駅前で出くわした。

調べた結果としてはまず、皆全員が山中で遺体となって発見されたというニュースは元の世界では流れていなかった。つまり、デマだったのだ。
日廻夏八の言い方をすると、毒電波のようなものによる仕業だった。
そしてそれによる取材記事などを読んだところ、日廻の姉は生きていた。
つまり、それもデマだった。

だが、本当のこともあった。

獣誘渡駅で亡くなった者たちのその後見た遺体発見のニュースはどうやら本物のようだった。
あの駅で見た通りの発見のされ方をしていた。
葬儀をすでに済まされた者、これから葬儀が行われる者と様々だ。

それから、春夏冬レンの親が亡くなったというニュースも本物だった。
ただし、ニュースに出ていたのは母親のみであった。

「あの、すみません」
声を掛けられ振り返ると、男性がいた。
「この子を見ませんでしたか?この駅に乗ったきり帰ってこなくて…警察にも連絡したんですけど、見つからなくて探しているんです」

男性が差し出した写真に写っていたのは、春夏冬レンだった。
この男性は、レンの父親だという。

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SCENE10 エピローグ③ 

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【数日後】

「碧斗お前ずっとどこ行ってたんだよ!」
「碧斗くん大丈夫?私、もう会えないのかと思っちゃったよ!」

一ノ瀬碧斗のクラスの教室ではそんな会話が繰り広げられ、碧斗の机の周りには人だかりができていた。

「だーから知らない駅に着いて帰れなくなってたんだって!」
「いやお前それきさらぎ駅じゃん!」
「それ載せたらバズるんじゃね?」

一ノ瀬碧斗のいつものような日常。
それを取り戻すことができていた。
彼は、生きて帰ることができたのだから。

「あーもう、この話終わり!TikTok撮ろうぜ、俺やりたいダンスあるんだけどさ~」

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SCENE10 エピローグ② 

そんな話をしていると、肩に重みを感じた。
一ノ瀬碧斗の頭だった。
外の景色が見覚えのある現実の光景だったことに安心したのだろうか、緊張の解けたような顔で眠ってしまっていた。

「俺たち、帰ってこれたんだな」

碧斗の最寄り駅に着くと二人ともいることを確認し、一緒に電車を降りる。
亘貴はその時、ふと魔が差した。
何気ない行動だったように思う。だから本当に、ふと。
ふと、隣の車両を見ると。

怪異となった皆がいた。

怪異としての姿を見た覚えのない、西園寺サラのようなモノも引き連れながら----

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SCENE10 エピローグ① 

八尺様と春夏冬レンが消えると、駅にアナウンスが響いた。
『一番線に普通列車、〇〇行きが到着します。危ないですので、黄色い線の内側に下がっておまちください』

ずっと待ちわびていた言葉だった。
本当にこの惨劇が終わるというのだろうか。
これは罠ではないか。
これに乗ったら皆死んでしまうのでは…。
そんな不安もあるものの、ここで乗らなければもう帰る手段など本当になくなってしまうだろう。

「みんな、乗ろう」

ホームに来た電車に三人で乗る。
不安から、広い車両でみんなでくっついて並んで座ることにした。
皆で無事帰れたことを確認するため、降りる時も、同じ駅で降りようと話しながら。
最年少である、一ノ瀬碧斗の最寄り駅で降りることが決まった。

『次は~△△駅~△△駅~~お降りの際は…』

聞き覚えのある駅。

「ここって前に亘さんと話してた大学の近くじゃない?」

そういえばこの駅は受験候補の一つである大学の最寄り駅だったな、と亘貴は思い出す。
ああ、本当に帰ってこれたのだ。

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