トランスジェンダー当事者のホルモン療法の体験談が日本のメディアでもわりと目にできるようになって、これはこれで大切だと思うのだけど、ときどき「う~ん…」となるのがホルモンとその影響の説明。ホルモンへの偏見や誤解を助長しかねない語りがあったりする。これはちょっと危ういなと思う。なぜならホルモンは実はかなり神話というか、世間の誤認識が多いテーマで、医学的にも問題視されていたりするから。ときには疑似科学的な美容ビジネスにホルモンのいかにも本当っぽい神話が利用されていたりする。トランジションの大切な体験談が、意図せずそういうものを後押しすることがないように、とくにLGBTQ活動家のような発言力のある人は注意して、医学的レビューや文献の引用を付記するなど正確性を確保し、慎重に言及してほしい。「ホルモンでこんな身体的変化がありました」みたいなコメントする際も、本来は医学的な因果関係の説明はかなり困難ということを忘れないようにして…
先日『あの夏のアダム』を観てきたんだけど、とても良かった。
舞台は2006年のNY、クィアコミュニティで夏を過ごすことになったシスヘテロ少年の話なんだけど、なんせクィアコミュニティの人達がお行儀良くも正しくもなくてよい。
女性とデートしていたかと思えば男性とイチャつくトランス男性や、レズビアンのアイデンティティを持ちつつトランス女性やトランス男性にも惹かれるシス女性など誰もが自分を説明する言葉やセクシャリティを模索していた…という様子もあり、特にトランスジェンダーを取り巻くセクシャリティのあり方をここまで現場的に描いた作品は観たことがなかったのでそれも良かった。
クィアコミュニティの人は基本的に猥雑でセックスのことばかりだけど、一方で当たり前に同性婚プロテストやキャンプトランスに参加していてその辺りが地続きになっているのは日本とだいぶ感覚違うなとも。
LGBT映画祭などでもっと広く観られてほしい作品!
友人含め、ホルモン始めてから足が大きくなったという話はちょくちょく聞くな。パンプスなど履かずにスニーカーばかり履いてる女性は足が大きくなるという話は聞かないので、ホルモンの影響なんじゃないかなー
可視化しているトランス男性。