最近東京の東中野に小さなセレクト本屋がオープンした。セクシャルマイノリティやクィア系の本や写真集、漫画やZINEなど売られていてソファもあってお茶も注文できるcozyな雰囲気なので新宿あたりまで用事で来た際にはこちらもぜひ。platform3 という店。
『ウィル&ハーパー』感想
個人的に2024年のベスト・ドキュメンタリー。大物俳優ウィル・フェレルがつい最近トランス女性だとカミングアウトした長年の親友とロードトリップにでる。自分の加害的な特権を自覚するのは確かにツラいけど、それは新しい出発点…。率直で誠実な姿勢で満ち溢れており、まず親友を第一に考え、次にアメリカ中のトランスジェンダー当事者のことを想いながらこの作品の構成を練ったのがよくわかります。 #映画
ほ〜面白い。海外のトランス男性表象では胸の傷痕がよくアイコニックに扱われるよね。
「移行の進んだトランスの外見はほぼシス」問題もあるし、表現するにはなかなか難しそうだよな〜
https://x.com/makichang23/status/1837501707796074961?s=46&t=aZkym587NOLVzhzkDm-5cA
コロナで日本の入国制限が厳しかった2021年に、検疫で必須とのことでMySOSなるアプリを羽田に着陸後にインストールした。コロナワクチンの接種記録を撮影してその写真を保存、氏名生年月日パスポート番号等の属性データも入力して、それをその場で検疫官が改めて確認、検疫期間が終わると通知が来るというそれだけのアプリであった。他にも健康管理の機能などもあったが、iOS付属のHealthとかに比べたらまるで使い物にならないUIでちょっと見て以降、そのまま放置であった。官製急造のクソアプリ扱いである。
先ほど再発見したので立ち上げて眺めようとしたら、株式会社アルムというところが、膨大な個人情報を取得するとの合意に「同意する」を押せ、という画面になった。公的に無理やり入れたアプリがかくなる一企業の営利活動のなりかわったわけであるが、これ、最初は税金で公的業務でやってたわけだよね。そこで得た個人情報を全て一企業がタナボタな訳で取得って、詐欺ギリギリではないか。そもそも同意しないと、私の個人情報は削除できないのである。
何これ。心あるジャーナリストに調べて広く知らしめてほしい。
そうして先回り的に塗り固められてしまった「恐怖すべき未来」を振り払うところから、ありとあらゆる話を始めなければならない人たちの気持ちが分かるか。
この国のフェミニズムは、00年代にこの「恐怖すべき未来」を用いたジェンダー・バックラッシュを経験し、とりわけアカデミアはぼろぼろになった。
にもかかわらず、20年前にフェミニズムをずたずたにした「恐怖すべき未来」によるバックラッシュを、そっくりそのままトランスジェンダーやLGBTQの政治に対して適用しているフェミニストがいる。アカデミアにも多くいる。恥ずべきことだ。学者業をやっている限り、そうした学者フェミニストによる悪行をわたしは許さないし、いつか絶対に学術の世界でけじめをつけさせる。
現政権の政治のありかたに批判的な「リベラル」寄りとされる立場の人たちでも、SNSだと「これ1つを認めたらこんなに悲惨な未来がきてしまう」式の、よくいえば慎重に未来を見据えて、しかし悪く言えば針小棒大な表現によって「恐怖すべき未来」を派手に示すことで、意見の拡散を試みている人たちは少なくない。
その結果、たとえその因果関係が十分な合理性とともに提示されていないとしても、そうした「恐怖すべき未来」への恐怖へと、積極的に自分の身を投じる人も多くいる。味方が増えるならそれでいいのだろう。
しかし、そうした「恐怖すべき未来」を用いた政治扇動は、マイノリティの権利を剥奪し、差別を温存・強化するためにも簡単に使われてしまう。
移民を少しでも受け入れると治安が悪くなるとか、女性がレイプされるとか(飼い猫が食べられるとか)、トランスジェンダーの権利を少しでも認めると性犯罪が増えるとか。
そこに合理的な因果関係なんて存在しない。リベラルも保守も関係ない。針小棒大な表現によって「恐怖すべき未来」へのビジョンを無理やり共有させ、情動の渦に巻き込むようなSNSの政治は、政治的な左右を問わず、やるべきではない。
可視化しているトランス男性。