有料記事なので後半は読めていないのですが、福島市のメガソーラー記事。福島県の出先事務所が工事中止命令を要していたのに、本庁の森林保全課が、中止命令を撤回させたことについても書いてあります。

この記事では、森林保全課の「慎重な姿勢」を訴訟リスクに備えたものと書いていますが、そういう常識的な話ではなく、たんに県庁のメンツが潰れることを嫌がっただけだと思います。

「県森林保全課の担当者は、「造成地外に水が流出したものの、土側溝を整備した事実があるので、計画に反しているとは断定できない」と説明する。」

福島市のメガソーラー造成地から泥水流出、不信感強める市が特設ページ
xtech.nikkei.com/atcl/nxt/colu

これは、今年の2月の河北新報の記事なのですが、処理水放出についての福島県の会議の議事録公開請求をした顛末についても記されています。

県が非開示決定をして真っ黒の黒塗り議事録を出してきたことを不服として、公開審査請求を審査会に請求したところ、県が一転、開示してきた、という経緯です。

傑作なのは、福島県の担当者が審査請求した記者に電話をかけてきて、「開示するから、審査を取り下げてくれないか」と頼んできたと書かれているところです。

なぜそんなことをしたのか。一度非開示としたものが、審査会でひっくり返されると、県庁のメンツが潰れるからです。

審査会でひっくり返される前に、裏で手を打つから、うちのメンツがつぶれないように審査請求を取り下げてね、と新聞社に頼んでいるところに唖然としますが、福島民報やNHK福島をはじめとする福島県内のメディアでは、これが通用しているから、警戒心なく河北新報の記者にも頼んだということだと思います。

記者の情報公開請求に黒塗り議事録「不開示」から一転、全面開示した福島県…なぜ?<処理水海洋放出あす半年>
kahoku.news/articles/20240222k

私は、福島県庁が、普通の、一般的な感覚で考える他の役所が行うような、行政の常識に則った判断基準で動いている役所だとは思えなくなっています。

メガソーラーの件も、行政マンとしての常識的な判断が残っている出先機関の職員が、まっとうな仕事をしようとしたところを、メンツ第一カルチャーに染まりきっている本庁職員が、ひっくり返したのだろう、と見ています。

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訴訟リスクの高低のような高度な判断ができる役所なら、自分たちに批判的な記事を書いている新聞記者本人に電話をかけて、裏で手を回すから手打ちしようぜ、、なんて持ちかけるような、非常識に間の抜けたことをするわけがありません。

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