リース・ボウエン『貧乏お嬢さま、メイドになる』(コージーブックス)読了
すっっっごく面白かった!!
1930年代に実在した英国王家の人たちが主人公の遠縁として登場するけど、メアリ王妃や王冠を賭けた恋のデイヴィッド皇太子、既婚のアメリカ人女性ミセス・シンプソンも出てきて、フィクションとノンフィクションのさじ加減が絶妙
主人公の異母兄にあたるラノク公爵が確かに悪い人じゃないけど貴族的というか、本当に己の半径0.5mくらいの保身しか考えてなくて、こりゃひどいとなった
ジョージーの母(恋多き女で元女優&元公爵夫人)がまったく娘を顧みないんだけど、たまーにジョージーを「ダーリン」と呼んだり、いけ好かないミセス・シンプソンと嫌味の応酬をしたり、わりと好きなキャラだった
続編も買おう!!
カレー沢薫『オタクのたのしい創作論』(文藝春秋)読了
カレー沢女史は本業(?)の漫画も面白いけど、エッセイのほうはフィクションというワンクッションがないだけに、比喩の切れ味が良すぎて好き
令和のさくらももこになれる逸材!
「たまに、原作でどれだけ貧乳だろうが抉れていようが、一律地面に着地せんばかりの巨乳にしている解釈以前に視力を無視したファンアートを描いている絵師の方を見かけます。
見ている側としては、どう見ても貧乳が売りのキャラを何故巨乳にするのかと正直訝しむ気持ちがあるのですが、『俺の巨乳が好きという本能を公式如きに止められるはずがないだろう』という強い意志には畏敬の念を感じます。」
分かる of 分かる
たまにセイバーさん(アルトリア剣のほう)を巨乳にしている創作を見かけると、目ン玉かっぴらいてFate見たことあるのかと思うときがあるけど、あれは絵師の抑えようのない性癖だったのか…
藤本ひとみ『令嬢テレジアと華麗なる愛人たち』(集英社文庫)読了
愛欲の悪徳に耽る美女を書かせたら藤本ひとみさんの右に出る者はいないんじゃないかしら
ちなみに藤本ひとみさんは中学校の図書室にあった鑑定医シャルルシリーズから入りました
「花びらがつながったまま散る椿のように、ローブは私の足元で足を取り囲み、その上に、下穿きのスカートとシュミーズが落ちて重なりました。」
この表現
なろう系の貴族令嬢ものの社交界デビュー〜侯爵夫人としての仕事の解像度がめっちゃ上がりそうなくらい細やかに書かれていて、もはや資料…と思いました
美貌と機転と度胸と強運でフランス革命の荒波を乗り切っていて(それでもまだ21歳!)(初婚が14歳!)悪女と言うには格好良すぎる〜
勉強の息抜きに近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』読了
日常の中で実際にありそうな、ちょっとした事件の謎解き×世界のスイーツ🍰もの
月餅🌕食べたくなった〜
最終話あたりで、いわゆる「カリフォルニアから来た娘症候群」的な介護の話や同性愛の話(円さんの恋人はおそらく同性なんだろうなとは思ったけど)が出てくるとは思わなんだ〜