昨日のNTL クリント・ダイアー演出『オセロー』でデズデモーナの裏切りへの義念からパニックに陥るオセローを囲むようにブラックフェイスの面をつけたモブが盾を警棒で叩き威嚇する時、ベネツィアでその武功により尊敬を集める将軍ではなく社会から阻害され追い立てられる「ムーア」になるという場面が凄かったな。人種差別と性差別をヒエラルキーの問題として展開させることでイアーゴの嘘に苛まれる哀れな英雄ではなく人種のヒエラルキーの中で孤立し、その不全感の解消を家庭内で後ろ盾を失った良家の女であるデズデモーナに向けるオセローになってた。そして人種のヒエラルキーにおいて優位にあるはずの自分が社会のヒエラルキーで劣勢に置かれる忿懣をやはりエミーリアにぶつけるイアーゴを反復している。降りたり登ったりするでけ盛り上がる舞台を囲んでる階段も暗闇の中にモブを消してしまう照明の演出も面白かった。
ミュージカル『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』感想。これ2019年のプロの再演なんだね。場ごとに若返るぱーかーさんが見られる。脚色は凝りすぎのきらいもあるけどアクターミュージシャンを見てるだけで楽しい。
サザックの新しい劇場は椅子が安いドンマーという感じで見やすいです。
https://picolin.tumblr.com/post/719054871507124224/the-curious-case-of-benjamin-button-book-lyrics
『恋のトルティーヤスープ』をアマプラで。大筋では「恋人たちの食卓」なのに見事に全然違う映画だこれ...自分が何を映画のエッセンスと見做しているかを考えちゃうな。ご飯はひたすら美味しそう。
『晩菊』を見てたんですが、今まで見てきた成瀬映画ほぼ全部好きだけど、ベストはこれに決定しました。何もかもが最高すぎた。ハスラーズで明日カノなんだけどむしろそこを越えてるのがみんなが中年女、20代の子がいるくらいの年頃で子がいたりいなかったりする。2020年代になってもこれを超えるシスターフッドとハードボイルド中年女映画はなかなか出てこないのではないか。もう全部好き。これからオールタイムベストに入れようと思う。
『帰れない山』感想。ネタバレ。とてもよかった!これ、邦題の方がよくない?台詞のひとつひとつが物語を着実に積み上げ、あるべきところに収斂させていく脚本がほんと見事
https://picolin.tumblr.com/post/717947028566654976/the-eight-mountains
筏