富士川義之 編『文学と絵画 唯美主義とは何か』(英宝社、2005読んでるけど、年少の女性研究者が起用されているわりにはフェミニズムに対して抑制的な印象をもつ。

加藤千晶のロセッティ論は、ダイクストラ『倒錯の偶像』とかグリゼルダ・ポロック『視線と差異』を引いてフェミニズム解釈による「ロセッティの描く女性は男性視線では」指摘を持ち出した上で、わざわざつっぱねる手続き入れててね。「フェミニズムをにこにこいなすエスタブ保守女性の身振り」が今やきつい。

20年前での論文でもこんなもんかと。

ある時代まで、文化系の論文は男女問わずフェミニズムを「わざわざいなす」身振り入れすぎなんだよな。

近年の本の年配の女性研究者(たとえば廣野由美子の最近の本とか)だと、「いやー、自分はかつてフェミニズムに乗り切れてなかったですね。すまんす」といった表明をまえがきとかあとがきでちょい入れて立ち位置を提示してくる。

加藤論文は、ロセッティの絵は彼岸のイメージあるから男性欲望とか関係ないっすね、むしろレヴィナス的な絶対的他者!と褒めるものなので、ノベゲ批評と変わらんやつ。

「ロセッティの絵なら女も乗っかれたぜ」の報告だなという扱いになった。

キーツのこれ、西洋人の書く小津論の隠し参照原説だな…(加藤論文)。
英国唯美主義がジャポニズムとつながる脈絡あるのがなんか不思議じゃなくなってきた

クレアンス・ブルックスはニュークリティシズム典型なので読んどきベきの声を聞いたのでチェックしておくか。

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@ttt_cellule そのあたりはデジタルコレクションにだいたいあると思うます。

@ohmitakaharu @ttt_cellule もう少し早ければ、『現代英米文学にみる神の問題』をお譲りできたかも(蔵書を処分する日々でして.)

あと、画像の箇所はフォークナーがキーツが好きで、というエピソードにあやかっているんじゃないでしょうか。

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