最近オートフィクションが海外文学でもジャンル扱いされているけれど、日本には大江健三郎というこのジャンルの巨匠がいたことが、忘れられがちな気がする。

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90年代くらいになると、大江健三郎の小説はかなり手が込んでいて、「マルゴ公妃のかくしつきスカート」などはマルゴ公妃という性に貪欲な女性と語り手が行方不明になった友人への想像が交錯するのだけれど、晩年にマルゴ公妃含めて寵妃たちの伝記めいたに著述を続けていた大江の師である渡辺一夫を読者に想起させるようになっていたりする。
(こうした性のテーマはナボコフを読んで感心した時期に書かれた『臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ』など大江晩年の仕事に引き継がれつつ、小説には渡辺一夫や、伊丹十三のようで、しかし実際の伊丹十三とは若干異なる人物が登場する。読者は事実と虚構の間を自在に扱う巨匠の作品に引き込まれてしまう)

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fedibird.com/@ohmitakaharu/112 [参照]

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