私の交友関係において、Twitterの割と親しい友人で1名、職場の人間で2名ほど、トランスフォビア発言を素で仰る人がいるので、この辺の感覚の乖離(トランスジェンダーに対する世間的な無理解)は相当深刻だと感じている。
特に、「トイレとかお風呂にまつわる恐怖」を女性が語っているときに、シスへテロ男性である自分が「恐怖」を解決できるだけの理路を用意できなかった……という経験を実際にしており、「マジでこれどうしたらいいんだろう……」というのが目下の悩みです。
例の本の刊行中止、自分はトランスジェンダーに関してトランス差別に関する理路(何がどういう理屈で差別になるか)を多少内面化しているので特段の説明なく「刊行中止はよかった」と言えるけど、内面化してない人が反発するのも「そりゃ理屈がわかんなかったら反発するよな、表面的にはわかりづらい問題だし」って感じるのでそういう反応を強く批判できないという気持ちが結構ある。
一方、本件に対して「当事者に説明コストを負担させる」のが確実に間違い、という前提もある。それはマジョリティがマイノリティに一方的な説明を課す(私たちが理解できるようにお前たちが説明しろ)のがそれ自体暴力である、という意味で。
で、自分はそれに対して説明するだけの知識と、そこに説明を割けるだけの自分のコミット力があるかというとそれもないので、どうすればいいんでしょうねこの問題……とも思ってる。
谷林の悪癖「固有名を間違えて覚える」が発動していたようね……。正式名称は「Talk with _」でした……。
さて、このアバター接客、以下のように働き方に関する記事でもとりあげられている。大変素晴らしい試みだと思います。
https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2023/09/096915.shtml
ところでこのツイートで書いたアバター接客、めちゃくちゃ合理的なのがすごかった。
https://twitter.com/notfromSakhalin/status/1730978391229354360
・Talk with...は北加賀屋という若干へんぴな場所にある
・10席程度で、キッチンも割と狭い、店のキャパ的にも店員は一人が丁度いい
・アバター接客は「オリジナルチャイ制作体験」で行われる。場所はカウンター席
つまり、へんぴな場所にある店へ付加価値をつけるのに「オリジナルチャイ制作体験」が実施されてるわけだけど、ここは本来オリジナルチャイ制作体験が出来るような店ではない。
オリジナルチャイ制作体験は場所も人手も要るところ、店は広くないし店員も一人。店内でやると店の雰囲気も壊れそう。
そこを、アバター接客を導入することで
・カウンター席という場所を撮らない席で実施してスペースを省略
・実際の制作過程を客本人にやらせることで体験としての質を向上
・制作過程で店内にチャイのいい香りがめちゃくちゃ漂うので他の客の興味をひく
・会話が興味深いので会話のうるささよりも興味の方が勝つ
・店員雇うコストを若干削減
という様々な問題を一気に解決してるんすよ。
あれがビジネスとして成り立ってるのかわからんけど、少なくとも「ビジネス上の課題の解決方法」としてめちゃくちゃ美しい。すごい。