ファーストフード店の前でママが片腕片脚のない人から貝殻でできた首飾り、お爺さんからタオル、子どもから風船を買っていた。雇用がないこと、宗教由来か国民の施しの心の強いことを感じる。
ベンチに座って日本から持ってきた本を読んでいると従姉妹が「Ate,Umiinom ka ba ng kape? mainit? malamig?」と訊いてくれて、お願いしますが出てこなかったので「Malamig please」と答えて手を合わせる。ください・お願いしますはpakiusapだ。用意してもらったアイスカフェオレは日本から持ってきたインスタントだけど、特別美味しい気がするのはわたしの為に従姉妹が包丁で叩き割ってくれた氷のお陰もあるだろうな。
昔この歳下の従姉妹と一緒に庭でバケツに色んな洗剤を混ぜて遊んでいたところ、母とおばにド叱られたのをついでに思い出す。無邪気になんつう危険な遊びを……
ちゃんと見せてもらったら貝じゃなくてSampagitaの花を繋いだ飾りだった。これは萎れるまで飾るものらしい。ジャスミンのような香りがする。今は車のミラーに引っかけられて揺れている。Sampagitaはフィリピンの国花で日本で言うところの桜。